見つけもの @ そこかしこ

ちょっと見つけて嬉しい事、そこら辺にあって感動したもの、大好きなもの、沢山あるよね。

October 2011


いや〜〜、しつこいのなんのって!!
今回の風邪、丸2週間も経つのにまだくすぶってる・・・熱が出たわけでもないのに、体力消耗で毎日帰宅後はソファーで布団かぶってカウチポテト。おかげで、最近あんまり観なかったテレビを観っぱなし。ネットしてるとテレビを観ないし、テレビの前で寝そべってるとネットをしない・・・というわけで、あっという間の1週間だった。

それでも風邪をおして観てきました「The Tempest」。

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シェイクスピアの最期の戯曲とされているこの作品は、本でも読んでたし映画版では観た事あったけれど、実は舞台で観たのは始めてだ。Ralph Fiennes=レイフ・ファインズのプロスペローは楽しみにしていた。シェクスピア劇もいろんなパターンの演出があって、すっかり現代風の衣装やセットになっていたり、逆にセットらしいものに凝らずに空間劇にしてみたり、とプロダクションによって様々だけれど、私としてはやっぱりオリジナルの時代背景をなるべく壊さない演出が好きだ。

今回の演出はシェイクスピア演出の大御所=トレバー・ナン氏なので、オーソドックスなものになるだろうとは思っていたけれど、すごく丁度良い感じ。というのは、重厚過ぎず、それでいて魔法のくだりも大仕掛けでなく、自然に入っていける。このHaymarketという劇場は奥行きが深い。宙づりやリボンアクロバットを多く使って、仕掛けによる壮大さよりもダンサー達の身体の動きで魔法を表現する演出は芝居を観客の手から離れてしまわない距離に留めている

以前観た「The Road of the Rings」なんかは大掛かりな特殊効果/仕掛けで完全に舞台をスペクタクルなものにしてしまっていたけれど、シェイクスピアの時代の泥臭さを残しているあたりがトレバー・ナンらしい。実際シェイクスピアの時代に演じられた時は今のような舞台仕掛けは無かっただろうから、様々な魔法の場面も観客のイマジネーションによる所が大きかったのだろう。ポエティックな台詞はそのイマジネーションを呼び起こすために書かれたのだから、、、

弟の裏切りによってミラノを追われた元大公のプロスペローは、かろうじて流れ着いた無人島で娘と暮らしながら、魔術の研究をしている。12年後、ナポリ王=アロンソや自分を追放して大公の座に付いた弟=アントーニオ達を乗せた船が航海中と知ると、空気を司る妖精アリエルを使って大嵐を起こさせる。遭難した船からバラバラに島に辿り着いた一行は、陰謀、恋、反逆を企てながら、アリエルや、以前に島を支配していた魔女の息子のキャリバンの導きで、やがてプロスペローの元へ集まってくる事になる。

この一行のグループ分けが、アロンソ、アントーニオ達の暗殺/地位略奪計画組、アロンソの息子=ナポリ王子のフェルディナンドとプロスペローの娘=ミランダの恋物語、キャリバンの、道化達をそそのかしてのプロスペローへの復讐という3つのプロットが交互に進行していく。最期にはプロスペローは弟達を許し、娘とフェルディナンドとの結婚を祝福し、観客の拍手によって魂の呪縛から解き放たれていく。


この時代、魔術や呪術といったものは危険な存在だった。魔法術を研究しているだけでも逮捕されたり死刑になったりしたというのに、この芝居では生身の人間であるプロスペローが学問として身につけた魔術を大っぴらに使っている。妖精のアリエルを忠実な下僕とし、魔女の息子で元々はプロスペローに魔法を教えたキャリバンを奴隷として支配している。それでも芝居はあくまでもロマンティックコメディーで、プロスペローの使う魔法も決して悪魔的なものではない。研究家達の中には、このテンペストという芝居には裏の隠された意図やメッセージがあり、シェイクスピアが秘密結社のメンバーだったという説がまことしやかにささやかれている。それでもこのマジカルな世界をあくまでも人間的なものに創り上げたシャイクスピアの手腕はさすがだ

妖精やマジシャンならなんでもできそうなのに、アリエルもキャリバンもプロスペローの支配下にいる。それでいてボスに不満を持つ平社員よろしく、陰でぶつぶつと不満もたれているのだ。今までの人生で生身の人間は父とキャラバンしか見た事がないミランダは、若くハンサムな王子フェルディナンドと出会うなりあっという間に恋に落ちてしまう。道化が登場するコミックシーンだけでなく、随所にユーモアが溢れていて、おどろおどろしさは全く無い。

50代に入ったRalph Fiennesのプロスペローは思ったよりも土臭くて温かみがあった。若い頃の彼は金髪とガラスのような青い目がどことなく冷えた感じを出していたのだけれど、最近は深みが出て来たなあ〜〜。長年の孤島での暮らしでボロボロではあるけれど、それでも前ミラノ大公というノーブルな気品をちゃんと保っている。魔術を研究/信仰する中でも人として/父として地に足が付いているのだ。
レイフはこの前に観た「The god of Carnage」では現代の仕事マンだったけれど、彼はちょっと重い役が似合う。オイディプスも凄く良かったし、やっぱり彼の声は劇場で聴くのがいいなあ〜。彼の舞台声がとても好きなので・・・これは映画じゃ解らない

余談ですが、The god of Carnage、ローマン・ポランスキー監督で映画になったそうで、もうすぐ公開。ケイト・ウィンスレットとジョディー・フォスターが母親2人をやってるそうな。映画版のタイトルはCarnageだそう。数日前にケイトがインタビュー番組に出ていてクリップも紹介されたけど、う〜〜ん、アメリカン・コメディー路線になっちゃったのかなあ??ポランスキー監督は大好きなんだけど、ちょっと印象が違ったような・・・

テンペストは本当はもっと上演されてもいいんじゃないかって思う。こんなに面白い芝居だったんだ・・・というのが率直な感想。もっといろんなヴァージョンが観てみたい。役柄もバラエティーに富んでるからどのシーンも飽きがこないしね。役者としてはどの役でもやり甲斐があると思う。若手もベテランも揃って楽しめるはず。このプロダクションでは妖精にダンサーを数名投入して躍動感を出していたけれど、シェイクスピアという人はやっぱり役者を愛して芝居を書いた人なんだなあ〜・・・。


いったいどうしたんだ?って突っ込みたくもなりますわ!
2週間の休みも終って、さ〜て、頑張ろうかなあ〜・・・なんて思っていた途端に、いきなりやられた!

風邪!!

最初はなんとなく喉の中に何かががピトって張り付いたような小さな感覚・・・なんか、ちょっとだけ小さなものが触ってるような・・・これがヤバいのだった。その小さな感覚に気が付いて2日目、いよいよ喉が痛いというのを自覚し始める。そう、風邪の引き始めというやつ、、、その後はもうその小さなピトっとしたものが思い切り大暴れを始めるのだ。私の喉から声を奪い、あっという間にがさがさハスキーの風邪ひきさんになってしまった

後はもう転がり落ちるように咳が出始め、腫れは鼻腔から耳にかけて広がり、もう鼻は流れ続けるわ、くしゃみはどうにも止められないわ、耳は聞こえず、鼻をやられると頭が詰まったように痛い、、、週末はひたすらソファーで寝まくり。横にティッシュを置いていたけれどすぐ一箱使っちゃって、もうトイレットペーパーを一巻き抱えておりましたわ、、、はじめは乾いた咳でこれもケンケンとつらいのだけれど、週明けからゼロゼロといかにも気管をやられた咳に変わり、しゃべっても食べても咳がでるので、3日間スープとヨーグルトくらいしか食べる気が起こらない・・・

風邪といってもいろいろあって、今回のは熱は出ない。でもすご〜く身体がだるくてテキパキと動けない。ちょっと早く動くと気持ち悪くなる・・・月曜日は一応仕事には行ったけど、どうにもグジュグジュと鼻をかみ続けて、ゼロゼロと咳をするのはお客さんに悪いし、子供達にでも移したらまずいので、午後からは結構暇そうだったので半休をもらった

風邪で半日でも休みをもらったのはこの6年間で2日目だ。前の時はインフルエンザで39度の熱だったっけ。風邪の時って、なんだかいつもと違う自分になってしまう気がする。スープやヨーグルトだって普段は殆ど食べないのに、なんだか血迷ってPot Noodleを買ってしまった。

potnoodleこの手のインスタントラーメンはもちろん日本の日清カップヌードルが元祖だけれど、こちらにも類似品があります。はじめてイギリスに来た頃には殆ど無かったけれど、いつの間にかスーパーで見かけるようになって食べてみたら、日本のものとは比べられない程マズかったのだった。

それ以来、ポットヌードルなんて今までの在英生活で食べたのは5回くらい、それも殆どがまあなんとか食べられるカレー味のものだった。今では色々と味も変化に富んで、クオリティーも改善されているのは聞いていたけれど、なんでこんなに気分が悪い時に食べたくなったんだろうか・・・?

半休を取って家に帰る途中で、缶詰Heinzのトマトスープ、ピーチの果肉入りのダノンヨーグルト、そしてチキン&マッシュルーム味のPot Noodleを買ってしまいましたとさ・・・家に戻って、お昼にどれを食べようかと思って、スープとヨーグルトは週末にも食べていたので、久〜しぶりのポットヌードルにした。

これがなんと以外と気に入ってしまったわ 前に食べたのよりも確かにずっと良くなってる!麺は日本のものより太い。この太い麺がまたこれでもか!、、というくらいにちぢれている。待ち時間も日本より長い。それでも少し固めのちぢれ麺は口の中でゴロゴロとなんとも心地よい食感なのだ、、、味もチキンとマッシュルームっていう組み合わせが巧くマッチしてて、とっても気に入ってしまった。前に99Pショップで買った正体不明のへんてこなカップ麺より10倍はイケル。実は昨日も食べてしまった・・・

それにしても本当にしつこい風邪だ〜〜、、いつまでもスープとヨーグルトじゃやってられないしね。目も涙っぽかったり乾いてたりしてコンタクトレンズがゴロゴロしてる、、、胸がゼロゼロしてるこの咳が乾いてくると治り出すんだけどねえ〜〜。

芝居のチケットがあるのよ、、もう半年も前から取ってあったレイフ・ファインズ氏主演でトレバー・ナン演出のシェイクスピア「The Tempest」芝居観に行ってゼロゼロ咳したくないしね〜、、でも行かないわけにはいかない! レイフのシェイクスピア、すごく楽しみだし、この「テンペスト」は本は知ってるけど、舞台上演されたのは観た事がない。とってもポエティックで魔法がかった芝居だから、どんな演出で見せてくれるのか楽しみだ。明日はもっと良くなってますように〜〜



休みなんてアッという間に終ってしまうもの。それでも発見は多い。普段2週間のホリデーを取る時は必ずどこかへ行ってしまうので、家でぶらぶらするという事がない。今は超金欠なので今回はあまり出かけず、それでもまあボロー・マーケットに行ったり芝居観たり、仕事に戻る前にはマッサージとヘアカットとネイルの3コースで整える

何と前回のネイルは3ヶ月前だった。さすがにカルジェルも3ヶ月も経てばボロボロです。根元近くから逆フレンチだったのがどんどん伸びてつま先だけのカラーフレンチになり、とうとうそれが剥がれていった・・・でも今回はよく持ったわ〜!剥がれ出したのは2ヶ月を過ぎてからで、丁度似た色のマニキュアがあったから、つま先をカラーフレンチに塗ったら他の指とほとんど解らなかった。秋の色はこれ。ちょっとラメの入った、前にも一度使ったお気に入りの色、今回はもうシンプルにグラデーションでラインも何も無し

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ヘアカットもなんと、、2月以来! でもこれには理由があって、今回10年ぶりに思い切ってスタイルチェンジをしたかったのだ。カットラインを変えるにはフロントが伸びるのを待つ必要があった。それにしてもこんなに伸び放題にした事って殆ど無かったから、もう最近は髪がうるさくてたまらなかったのよ! やっと切ってもらってすっきり軽い仕上がり。今までの半分くらいの髪量になったからとにかくシャンプーするのも乾くのもあっと言う間だし、ドライヤーもほとんど要らない。これから冬だからちょっと寒いかな、、とも思うけれど、思い切って何かを変えないと転機にならないような気がしたからね

仕上げにマッサージとリフレクソロジーでほぐしてもらう。いつもの先生「張ってるねえ〜〜」今回は鍼は無しでたっぷりもみほぐしてもらった。リフレは痛いけど後で足がすごく軽くなる、老廃物が抜けた感じ。
大分前から肘が痛いのが気になっていて、1年以上経つうちにどんどん痛くなってケトルを持上げるのも辛かったので相談したら、やっぱりテニス肘っぽくなってるらしい。薦めてくれたのがこちらの中国版サロンパスとでもいいましょうか・・・

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まさにサロンパスそっくり。二枚の湿布がセロハンを両側から挟むようにパッキングされてるところまで。(解るかなあ〜〜?)薬草が入ってるそうで、結構匂いが強い。私はハーヴとハッカの匂いって嫌いじゃないけど、うちの彼は私が貼った途端に「YOU STINK!」と顔をしかめた。貼った時は普通だけど、しばらくするとじわじわと冷たい感じがしてくる。1日貼っただけで痛みが和らいだから結構効いてるみたい。貼るだけでテーピングしなくても良いタイプの湿布薬は痒くなったりする事があるけれど、これは1日貼っても大丈夫。

それにしてもこの中国サロンパス、粘着力がすごい!! どれくらい粘着力が強いかというと、、水ぶくれができる位なのだ、、!
貼ったのは肘の内側一帯で、上腕部の内側っていうのは一番皮膚がやわらかくてすべすべしてるよね。貼る時に肘の角度を曲げ過ぎて貼っちゃったみたいで、どうやら寝ている間、肘を動かす度に端の部分が強く引っ張られていたらしい。夜中に腕がヒリヒリするので目が覚めた。サロンパスを貼った角の部分が痛い。みるとすごい粘着力で張り付いている部分が、何度もひっぱられたらしくて皮膚に小さな水ぶくれが・・・ こういう経験は今までに無かったわ〜〜、恐るべし中国サロンパス

ちなみに興味本位で日本のサロンパスをググっていたら、なんと!amazon ukeBay(こちらでは最大手のオークションサイト)に沢山ある〜〜! 久光製薬のサロンパスの海外版だ。お値段も悪く無いし、これはこの中国版が無くなったら買ってしまおうかしら、、、

というわけで、のんびりホリデーは日本へもトルコへもパリへも行かれず、それでもなんだかんだと過ぎてしまった。これで次はもうクリスマスか・・・? 暗くなるのが早くなった。これからいよいよ暗い〜季節だわ、、、






せっかくの休み、普段はできない事をなるべくしたくて、もうずっと前から気になっていたBorough Marketに行ってみる事にした。このマーケットはもうずうっと昔、11世紀に入った頃から続いている東ロンドン、テムズ南岸のマーケットで、もう10年以上も前から一度行きたいと思いつつ機会が無かった。私が仕事休みの日にはこのマーケットは開いていないのだ。そうだよねえ〜、地元のマーケットだって開いてるのほとんど見た事ないんだもの。今回みたいにどこかへ行くという予定のないホリデーでないと難しい。

ボロー・マーケットがあるのはLondon Bridge。ロンドンブリッジ(橋)のすぐ脇にあり、同時に鉄道/地下鉄のロンドンブリッジ駅の目の前でもある。このLondo Bridge周辺というのは、実は私には今までほとんど縁の無いエリアで、まともに訪れた事すら無かった。実は今だからネタバレすると、7月に行った参加型の「Accomplice」という芝居(詳細はこちら)、謎解きをしながら手掛かりを見つけて、殺された男の昔の仲間を探す為に私達が歩き回ったのがこのエリアだった。この時初めてこの周辺を見回しながら、この古い歴史、それも庶民の歴史に彩られたEast Londonを一度ちゃんと歩いてみたかった

ロンドンブリッジのたもとで最初に目にはいるのが、Southwark Cathedral

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ロンドンでは一番古いゴシックスタイルの教会で、その歴史は1000年以上になる。テムズにかかる最も古い橋の回りに中心となる教会があって、マーケットがある、、、ロンドン下町の古い歴史

IMAG0187ボロー・マーケットにますます興味を持ったのは、ケーブルテレビのFood Channelに「マーケット・キッチン」という番組があって、よくこのマーケット(鉄道線路の下)でいろんな食材を使った料理をしている所が出て来ていたからだ。はじめはロンドンだと思わなくて、「このマーケットってどこなんだろう」と思っていたら、それがBorough Marketだった。Accompliceの時もここを通って、その時はマーケットは出ていない日だったのだけれど、場所を見てすぐMarket Kitchenの場所だと解った



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私の大好きなマッシュルームが並ぶ、どれも健康そうでフレッシュ!

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色とりどりなトマト! かぼちゃみたいな形のものもある。
別に何を買うというつもりもなかったので、とりあえずブラブラとマーケットを回り、途中でビーフのエンパナダ(軽いペイストリーで包んだ小さなパイのようなもの)とアランチー二(トマトソースとチーズの入った揚げライスボール)をスタンドで買ってかじりながら歩く

マーケットから東に向かって歩くと、このあたりの建物は昔からの古いレンガ建てのものが多く、おどろおどろしい流行病や拷問等、ダークなロンドンの歴史を展示するLondon Dungeonや実際の刑務所だった所を博物館にしたClink Prison Museumなんかがある。テムズ沿いに東に行けばシェイクスピアのGlobe Theatre、そしてうってかわって現代的なミレニアム・ブリッジの横にはTate Modern。このサザーク(Southwark)からロンドンブリッジ周辺はシェイクスピア、ヘンリー8世、フランシス・ドレイク、ジェフリー・チョーサー等、歴史の中で深いつながりのあったエリアだ。

風も強くて寒かったけれど、頑張って橋を渡り、モニュメントから今度はCity一帯に入る。この辺りは古いビルと新しいビルがごちゃごちゃにミスマッチしていて、面白いんだか、もったいないんだか・・・?今も街の1角まるまる工事中の所が何カ所もある。17世紀頃から変わっていない一角があるかと思うと、いきなりガラス張りの高層ビルが並んだりしている。この古いビルの合間には、外からはほとんどんわからないような通り抜けできるpathがいくつもある。知っていないと何処へ出るのか解らないまさに抜け道。そんな抜け道にもちゃんとカフェやお店があって、こんなところがCityの面白い所。

ついでにStradfordにできたばかりの最新のショッピングセンターWestfieldに行ってみる。ここからは来年のオリンピックスタジアム一角が見えるのだけれど、今はまだ、まだまだ工事中。(おいおい、間に合うのかい、、?と突っ込みたくなる状況)とても簡単には見て廻れないので、今日の所はざっと歩いただけ。また今度ゆっくり来よう。

リバプールストリートにある私達お気に入りの場所がここ
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どこだと思います? 実はここは、、、

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そう、パブです! ここはリバプールストリート駅に隣接したHamilton Hallというパブ。もともとはGreat Eastern Hotelというホテルのボールルームだった所がパブになっている。本棚の上にある一見鏡のようなもの、実はスクリーンになっていて、よ〜く見ると・・・

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リバプールストリート駅の電車の発着を知らせる電光掲示板なのだ! ここで一杯飲みながら電車を待ち、プラットフォームが表示されたら横のドアから直接駅に入れるという具合
我が家へもこの駅から電車で一本(始発から終点まで乗る)35分。ラッシュアワーはごった返すけれど、そんな駅の喧騒が私は以外と好きだ。

たまにはロンドンへ遊びに出かけるのも楽しいね。今度はまた教会でのランチタイムコンサートを狙って行こう

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2ヶ月振りの芝居はArnold wesker(アーノルド・ウェスカー)の「The Kitchen」。人気レストランの厨房での1日に焦点を当てた1959年の作品だ。NT(ナショナルシアター)での作品はほとんどハズレがないので楽しみにしていた。(前回のがちょっとハズレだったから、、?)

この「キッチン」、現代風にアレンジしてあるかと思ったけれど、舞台全体に作られた厨房は昔ながらの旧式のガス台やオーヴンが並んでいる。朝出勤してきたスタッフがすべてのガス台とオーヴンに火を入れるところからこのレストラン、Tivoliでの1日が始まる。厨房スタッフやポーター、ウェイトレス総勢30人のキャラクターがまるでオーケストラのように働く。コック達はそれぞれ持ち場が決まっていて、肉、魚、揚げ物、グリル、ブッフェ、デザート等、芝居の中で自分が作っている料理をマイムで表現していく。これは見事にリアルだ。初めは実際に料理するのかとおもったけれど、そうなると多人数に加えて食材なんかでごちゃごちゃになるのだろう。もしかしたら、料理して行く過程は役者がマイムで演じる、というのは演出より台本指定なのかな、、? 卵を割って、泡立てて、だんだんそれが硬くなって重くなって行く様子が、腕の微妙な力の入れ具合でちゃんと表現されている

1幕の前半はみんなランチの仕込みをしながら、昨夜の仲間内での喧嘩の真偽を話合う。働いているスタッフ達は多国籍。この前半の流れの中で、彼等の国籍や、誰が仲が良くて、誰と誰がいがみ合っていてだれが恋人同士なのか、、というような事が観客に解るようになっている。ドイツ人、ギリシャ人、トルコ人、イタリア人、外国人役の役者達はみんなそれなりのアクセントで英語を話す。これもまた凄くリアル。舞台にいる役者達は常に10~15人だけれど、会話の中心が移動すると、そのキャラクター以外はスローモーションやストップモーションになるので、観客が会話の流れを聞き逃さないように演出されている。1幕後半は修羅場と化したランチタイムの喧騒をこれまたオーケストラのような振り付けで30人の役者を見事にさばいている

2幕は地獄のランチタイムが終って、ディナータイムまでのつかの間のブレイク。外に出て行ってしまった人も多い中、数人が厨房に残って夜の仕込みをしたり、ただギターを弾いてくつろいだり、つかの間でも寝ようとしたりしてる。短気でけんか腰のドイツ人ペーターは、この毎日繰り替えされるレストランでの日々に、刑務所に捕われているようなプレッシャーを感じているのだ。「お前達の夢はなんだ?」と同僚達に問いかける。

ある朝仕事に来てみたらこのキッチンが無くなってるんだ、、さあ、お前ならどうする? 何がしたい?

けれどペーター自身も含めて、誰もこの問いかけに自信を持って答えられるものはいない。イギリスでは仕事仲間はcolleague, 何度が会った事がある知り合いはacquaintanceと呼び、friend=友達とは区別する。毎日朝 から夜遅くまでランチとディナーの2回戦を戦う厨房仲間は「友達」ではないという感覚だ。じゃあ、同僚は友達にはなれないのか?、、、もちろんそれだって ありだ。でもよく考えたら、同僚達がどんな夢を持って生きているのかなんて何も知らなかったのだ。このペーターはウェイトレスのひとりと不倫関係にあり、2人の間もちょっとぎくしゃくしている。

ちょっと時代としては古いかもしれないけれど、この芝居の根底にある社会背景というのは今のイギリスにも充分通用する。戦後15年程のイギリスという設定だけれど、ちょうど旧大英帝国の名残で、各国からの移民が急激に増えた時代でもある。「お前ら、ここはイギリスだ!英語を話せ!!」と怒鳴られる。オーナーもヘッドシェフもスタッフ達を信頼していない。この信頼関係の溝は働く者達にとっての不必要なフレッシャーにもなるのだ。増え続ける外国人、不況での高い失業率、日々の仕事の繰り返しで息つく間もない生活、知り合い以上で友達になれない職場の人間関係、それらの大いなるプレッシャーがひしひしと募っていく現実は、今のイギリスにもそのまま当てはまる

朝から夜まで動けなくなるまで働く、キッチンという狭い舞台での話、でもここだけの話ではないのだ、というリアルさ。2幕でのペーターは、溜まりに溜った日々のプレッシャーにとうとう切れて爆発してしまう。それでも現実にはスタッフが一人クビになるだけの事なのか、、、?あまりにも何だか理不尽だ。ラストシーンで、包丁を振りかざす騒ぎを起こしたペーターにオーナーは詰め寄る。

俺はお前達に仕事を与え、良い給料を払っている。それ以外に何が要るっていうんだ? まだ望むものがあるのか?いったい何があるって言うんだ!?」 ペーターが答えを叫ぶ直前に舞台は暗転してしまう・・・

この芝居、確か数年前に蜷川さんの演出に成宮寛貴さんのペーターで上演されたと思ったけど、これって日本でやって解るんだろうか、、、?それとも演出で根底にある社会背景は抜きにして、殺人的に忙しいレストランの厨房での人間関係、みたいな芝居にしたんだろうか・・・? 30人の役者達のオーケストラで踊るような振り付けが素晴らしかった。ハチャメチャに早く忙しくバタバタしてるのに、混乱はなく見事に揃った舞台

今回プログラムで面白かったのは、役者達の経歴の部分に、レストラン/カフェで働いた経験の有無が載っていた事。短い人は1ヶ月のマクドナルド、ウェイター/ウィエトレス、キッチンで働いた人から、コルドン・ブリューのディプロマを持っている人まで! なんと30人中18人がケータリングの経験有りという事。ちなみに演出家も。まあ、役者でケータリングのアルバイト経験が無い人のほうが少ないだろうねえ〜〜


普段仕事に行ってると、以外と地元の事って知らないのだとつくづく思う。例えばうちの地元にはもう400年も続いてるマーケットがあって、週に3日タウンセンターの教会の前に出店が並ぶ。それ以外の日は駐車場としてスペースが使われる。私の休みの日は丁度マーケットが出ない日なので、私はほとんどこのマーケットをみる機会がない。まあ、今や立派なショッピングセンターが新しくなってしのぎを削ってるわけだから、このマーケットもほとんどローカルの伝統という意味合いしかないのかもしれない。

大分前に大手のスーパーだった所がその会社の倒産後にいわゆる安いものショプに変わった。日本で言うなら100円ショップ、こちらではPound-shopだ。この店はすべてのものが99ペンス(100で1ポンド)あるいはそれ以下という豪快なお値段。初めてまともに店内を回ってみる。普段はどうせ、、とバカにして見てなかったのだ。

びっくりしたのは、ノンブランドの安物ばかりだと思っていたら、逆にほとんどがちゃんとしたブランドのもの。例えば歯磨き粉もちゃんとコルゲートとか石けんやバス用品もいつも利用しているものが99P!! 実は大きなスーパーで買い物をする時、日用品を買うと一気にお金が飛ぶ。トイレットペーパーとか、バスオイルとか、あとはサランラップやガス台掃除用のスプレーとかね、、、これらがお高いのだ。う〜〜ん、これで99Pというのいうのはなかなか凄い。今度から日用品は休みの日にここで買おう!

こういうお店を見ていると、本当にいろんなものがあって目移りしてしまう。10月になったので、ハロウィーン用のヘンなお面とかまで出てる。お菓子類、飲み物、化粧品、子供文具、DIY用品、薬、缶詰やソース類やDVDまで・・・つくづく考えちゃうよね。これ等を99Pで売って商売ができるという事は、、、実際の値段なんてどんなもんなだろうか?? 大手のドラッグストアーやスーパーがいかにボロ儲けしているか想像できるというものだわ・・・

ちょっと目についたヘンなもんを買ってしまった。どうせ99pだしさ!それは、、、インスタント麺。

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Microwaveで2分っていうやつで、普通のカップヌードルと違って麺が生麺だ。3種類のフレーバーがあって、これが一番無難そうだったので、まあ休みの日のちょっとヘンなランチにでも、、と試してみる事にした。この絵を観た限りではラーメンだよね、、生麺のカップラーメンだと思うわよね、、!

開けてみるとこんなかんじ。電子レンジ耐熱用のボウル型の入れ物に、生麺、乾燥野菜、スープ、ふりかけ用の胡麻、そしてフォークまであらかじめ付いている。

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 説明書どおりだと、なんだか水が少ないな〜とは思ったのだけれど,とにかく乾燥野菜とスープを麺と一緒に器に入れて、スプーン2杯の水を足し、レンジへ。なんと、、できあがりはこれよ〜〜

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あのさ〜〜、、比べてみない?最初の絵と・・・ 全然ちがうじゃないの!!
第一、これどう見てもラーメンじゃないわよね、、スープなんて全く無いし。じゃあカップ焼きそばかというと、そうでもない、、生麺のソース混ぜみたいな感じで、どうも中途半端な口当たりなのだ。麺の太さもなんだかちょっと微妙
で、そう、、しらたきみたいな太さ。なんともヘンな感じの食べ物だわ

でもこの入れ物、ボウル型でレンジOKっていうのは、再利用できるから取っておく事にした。フタもあるし、残り物を冷凍するのに丁度良い。これだけでも99pの価値あるかも。あ〜、、変なもん食べちゃった・・・

口直しに今日の夕食はなんと初グラタン!

いや〜、、自分で家で作る事って無かったのよね、グラタン。第一ホワイトソースだって1から作った事ないし・・・
でも最近はやってみれば以外と簡単というものが増えてきてるので、ここはひとつホワイト/ベシャメルソースもやってみますかね

これまたやってみると簡単でビックリ! よくダマにならないように、、、なんて散々言われたからきっとこのあたりがとても微妙で失敗率が高いのかと思ったら、、全然!! ミルクを少しずつ加えてかき混ぜ続けてたら、すんなりととろとろのベシャメルソースができた。鶏肉としめじ、椎茸をたっぷりマカロニに混ぜてチキングラタン。

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とろとろ具合も丁度良く、なあんだ、こんなに簡単な事を何で今までやらなかったのか・・・まあ私の場合、あまり食べるものに頓着しないし、なんといってもうちには子供がいないので、母親として子供達のためにお料理をする、という世間一般の私世代の女性が普通にやっている事をやって来なかったのだ。我が家のシェフは彼のほうだし・・・

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パルメザンを振って焼き上がりはこんな感じ。(写真を取る前に半分お皿に取られてしまった。)これできっとこれからはをホワイト/ベシャメルソースも手作りに決定! インド風パンといい、餃子といい、これからは小麦粉が我が家の常備品。市販のソースより小麦粉を買おう!

でもこれでまた仕事の日々に戻ったら、きっと当分はやらないんだろうなあ〜




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