いや〜〜、しつこいのなんのって!!

今回の風邪、丸2週間も経つのにまだくすぶってる・・・熱が出たわけでもないのに、体力消耗で毎日帰宅後はソファーで布団かぶってカウチポテト

それでも風邪をおして観てきました「The Tempest」。

シェイクスピアの最期の戯曲とされているこの作品は、本でも読んでたし映画版では観た事あったけれど、実は舞台で観たのは始めてだ。Ralph Fiennes=レイフ・ファインズのプロスペローは楽しみにしていた

今回の演出はシェイクスピア演出の大御所=トレバー・ナン氏なので、オーソドックスなものになるだろうとは思っていたけれど、すごく丁度良い感じ


以前観た「The Road of the Rings」なんかは大掛かりな特殊効果/仕掛けで完全に舞台をスペクタクルなものにしてしまっていたけれど、シェイクスピアの時代の泥臭さを残しているあたりがトレバー・ナンらしい

弟の裏切りによってミラノを追われた元大公のプロスペローは、かろうじて流れ着いた無人島で娘と暮らしながら、魔術の研究をしている。12年後、ナポリ王=アロンソや自分を追放して大公の座に付いた弟=アントーニオ達を乗せた船が航海中と知ると、空気を司る妖精アリエルを使って大嵐を起こさせる。遭難した船からバラバラに島に辿り着いた一行は、陰謀、恋、反逆を企てながら、アリエルや、以前に島を支配していた魔女の息子のキャリバンの導きで、やがてプロスペローの元へ集まってくる事になる。
この一行のグループ分けが、アロンソ、アントーニオ達の暗殺/地位略奪計画組、アロンソの息子=ナポリ王子のフェルディナンドとプロスペローの娘=ミランダの恋物語、キャリバンの、道化達をそそのかしてのプロスペローへの復讐という3つのプロットが交互に進行していく。最期にはプロスペローは弟達を許し、娘とフェルディナンドとの結婚を祝福し、観客の拍手によって魂の呪縛から解き放たれていく。
この時代、魔術や呪術といったものは危険な存在だった




妖精やマジシャンならなんでもできそうなのに、アリエルもキャリバンもプロスペローの支配下にいる



50代に入ったRalph Fiennesのプロスペローは思ったよりも土臭くて温かみがあった

レイフはこの前に観た「The god of Carnage」では現代の仕事マンだったけれど、彼はちょっと重い役が似合う。オイディプスも凄く良かったし、やっぱり彼の声は劇場で聴くのがいいなあ〜。彼の舞台声がとても好きなので・・・これは映画じゃ解らない

余談ですが、The god of Carnage、ローマン・ポランスキー監督で映画になったそうで、もうすぐ公開。ケイト・ウィンスレットとジョディー・フォスターが母親2人をやってるそうな。映画版のタイトルはCarnageだそう。数日前にケイトがインタビュー番組に出ていてクリップも紹介されたけど、う〜〜ん、アメリカン・コメディー路線になっちゃったのかなあ??ポランスキー監督は大好きなんだけど、ちょっと印象が違ったような・・・

テンペストは本当はもっと上演されてもいいんじゃないかって思う。こんなに面白い芝居だったんだ・・・というのが率直な感想。もっといろんなヴァージョンが観てみたい。役柄もバラエティーに富んでるからどのシーンも飽きがこないしね
