見つけもの @ そこかしこ

ちょっと見つけて嬉しい事、そこら辺にあって感動したもの、大好きなもの、沢山あるよね。

November 2010


一週間空けちゃった間に、、
思いっきり寒いイギリスです、、、、

それでもロンドンはまだお天気が良いほうだけれど、北のほうから既に雪に見舞われていて、こんなのも17年振りとか。ちなみに終末から来週のロンドンの予想気温(は最高が1~2度、最低気温は連日マイナス4~6度になってる、、、 私としてはお天気さえカラッとしてれば寒いのは我慢できるんだけど、、やっぱり北風の中でバス待ちとかは辛い

先週/今週と仕事から帰って夜の時間にネットで観てほっこりしていた「おじいちゃんは25歳」もとうとう8話で終ってしまった・・・25分という枠もなんだか丁度良い。台詞のあちこちに昭和を散りばめたシチュエーションコメディーが、どんな風に8話で終るのかと思ったけれど、これは家族の絆を取り戻すためにやってきた妖精さんのような形になってるのね。最後に若い女を連れて旅立つあたりがこのおじいちゃん良いわ〜〜! およそ現実的では無いからこそかえってリラックスして楽しめたね。これで終わりなんて残念だなあ〜〜 こういう本,大好きなんだけど、、

およそ視聴率とかには無関係そうな時間帯での企画だけど、昔の「Night Head」や「やっぱり猫が好き」みたいに深夜枠で人気が出た作品ってあるよね なんだろ、メイン枠じゃない分個性的な番組ができるっていうのかしらね。
メイン枠といえば、90年代からドラマの目玉枠として君臨してきた「月9」。今回は久しぶりに竹野内豊さん主演でのドラマで、これがちょと異色なカンジ。

ひと頃の月9にあった、ハマるっていうようなタイプのドラマじゃないけれど、地味で淡々としているところが無理無く観られる。恋愛ものとも家族ものとも言えない中に社会的テーマが軸になってる。タイトルが思いっきり地味で「流れ星」よ・・?脚本はシナリオ大賞の佳作を受賞した人の本を、今回のドラマに手直し/共同執筆をしているらしい。脚本監修までついている。とっても真面目な作品だなあ〜〜、良い意味で。

でも題材は良いと思うのに、台詞にあまり魅力がないかも、、、 真面目に語ってしまって感情が見えて来ないっていうのかな。もう半分過ぎてるのに、主役2人の感情の動きが読み取れない。台詞では「始めの頃よりも、お互いを知るうちに段々相手に心を開きつつある」というのが語られているのだけれど、感情ではなくて頭で解り始めてるっていうカンジがするのは、そういう筋書き、、?感情は最後に溢れてきますっていうパターンなのかな。後半で何かがガラガラと変わる、と期待していいのだろうか

何気に気になる役者さんも出ている。原田三枝子さん、光石研さん、杉本哲太さん、光石さんは良い味出してたな〜〜 後半はもう出てこないのかしら?竹野内さんは前回の野立(ボス)とはうって変わって真面目で平凡な役なのね。野立や中谷美紀さんとやったドラマの涼兄ちゃんみたいなキャラの竹野内さんも好きなんだけど

竹野内さんの演じる健吾は、これがまたホントに男捨ててるような凡人。妹に「無駄なイケメン」と言われてるとおりだね。自分の欲や野心みたいなものが無いタイプこういう無欲な男が只一つ、妹の命を助ける事に人生使っちゃってる。一見平凡そうでいて、実はこういう人物って稀少だよね。コツコツ働いて貯めてきた300万を、知り合ったばかりの得体の知れない女にあげるか、、 

なんかこの人もどっかで自分の人生捨てちゃってるとしか思えないよね。
ここまでの役を演じるのも難しい、、、と思う。演じる俳優の持つどんな癖もにならなくなってしまうから。 後半は、無駄なイケメンが少しずつ自分の人生をつかみ始めるっていう事なんだろうか?? 人生投げようとした女も一緒に、、?? 竹野内さん、作品的には次に公開される映画が気になる

さて、今月から入ってくれた新しいレセプション嬢は2週間でいなくなってしまった。もう信じられない!!
責任感とかモラルとか、そういった基本的な事が全くなってない人が沢山いるんだ、この国は
おかげで毎日トイレにもろくに行かれない状況、、とても捌ききれないよ〜〜!
来週からまた新たな人がトライアルで入ってくれる。やれやれだわ・・・・疲れてるけど、休みの日にはあれこれとやる事があって余計忙しいし。う〜ん、もうひと頑張りでクリスマス休暇だわ・・・・




ひさしぶりに、、

面白ええ〜〜〜!!

藤原竜也君主演とはいえ、タイトルも、放映時間も何気に地味だなあと思っていたTBSのドラマ。プロットとしては、25歳の時に山で遭難した男が凍り付けになったまま生き残り、46年経って発見/解凍されて息を吹きかえしたというもの。これだけだとなんだか「あり得ないドラマ」になりそうで、竜也君が25歳のおじいちゃんを演じるというのがどんなもんだか今ひとつ計れないカンジだった

別に藤原竜也がおじいちゃんを演じるわけではないのだ。46年後の現在に戻って来ると6歳だった息子には大人の孫が2人いて、昔の知人達もみんなじいちゃん/ばあちゃんになっている・・・でも自分は今でも25歳のままというのが彼の演じる栗原稔。ただ、46年前の大工とあって、思いっきり昭和の匂いを撒き散らしてちょっとずれている

脚本が面白い! 短編のシチュエーション・コメディーとして成功していると思う。
あり得ない設定なのだけれど、笑える台詞がすべてシチュエーションの中での大真面目なのがすごく可笑しい

高橋克美さんの息子役というのもなんだかすごく相性が良くて、25歳の親父と52歳の息子というのが、ちゃんとそう見えて来るから不思議だ。若い藤原君がいやに昭和っぽかったり、高橋さんが素朴に子供に見えたりする。掛け合いのタイミングや声のトーンとか、テレビドラマの現場だとあんまり舞台みたいに稽古で練っていく時間がなさそうだけど、このお二人は良いケミストリー出してる

引き籠りの息子(25歳なのでおじいちゃんと同い年)と、キャバクラバイトの娘の2人も良い。私はお二人とも初めて観た役者さんだけど、良い芝居してる〜。キャラクターの作りと演技がうまく合ってるのは、脚本と演技の両方が噛み合っているからだと思う。さらにゲストの役者達、子犬、さり気ない小道具まで、良い味出してる。驚きと戸惑いで始まった46年振りの家族の生活で、食い違いの中にも暖かい絆ができていく。昔では考えられなかった便利で楽しい今、今では無くなってしまいつつある昔気質の正義感や礼儀。そんな対比と同居が随所に詰まっていて、これは寒い夜にこたつで観たいドラマだ。こういう番組好きだなあ! 平日深夜に20分なんて、これもなんだかニクい・・・

脚本は3人で書いているみたい。共同なのか、一話ごとなのかは解らないけど、ゲストの役者さん達も一人一人がちゃんと生きている。撮影は一眼レフのデジタルカメラで撮っているそうだ。そんな時代なのねえ〜。来週に入っての後半が楽しみだ。どんな展開になってどんな締めくくりになるんだろう?
ドラマでの藤原竜也くんは久しぶりで観たけれど、そういえば昭和ものが多い、、??「赤い疑惑」もそうだし、「東京大空襲」とかもね。「新選組」は大河の時代劇だし。若そうで爺臭いのは何故、、??

私がいつも利用しているオンラインのDVDレンタルでも日本の映画が結構ある。「カイジ」と「カケラ」(安藤モモ子監督)をリストに入れた。どちらも観たかったので楽しみ。でもその前にまだDisc1しか送られてきてない「Charles 2」と「Criminal Justice」の続きを観てからだわ


ポーチのドアが崩れて以来、毎日やってくるbill(請求書)の数々・・・ ガス、電気、TVライセンス、、、
お金が無い時に限って、どうしてこうなるんだ!?

お金が無い」と言っている時というのは本当は少しはあるものだ。「お金が無いのよね〜」と言っている人が本当に家賃も払えない窮地に陥っている事は結構少ない。幸いにして私も今までの人生で「どうにもお金が払えなくて3日間食べずにいた」なんていう程の状況には遇った事がなく生きてきた。これは本当に感謝している。それでも「来週ならお給料が入るんだけど、今はどうにも、、、」みたいな事は何度かあって、いろいろと金欠の時のトリックも学んだ。

3ヶ月毎のガスと電気代は支払い月が重ならないようにしていたのに、そんな金欠トリックをしているうちに同月払いになってしまった、、、我が家は昼間家に誰もいないので、メーターを実際に読みに来られない。メーターは家の中にあるので、いつも「お伺いしましたがお留守でした」カードが入っていて、いままでの使用状況から予測したEstimateのビルが送られて来る。それが来てから自分でメーターを読んで送り返し、再度正確な金額で請求書が届くまで10日間位かせげるのだ。それが仇になって最近はガスと電気が同時に来るようになってしまった。

昔はチェック(小切手)にわざとサインをし忘れたフリをしてサイン無しのままで送った事もあったなあ〜〜。チェックが送り返されて来て、新たに送るまでの時間稼ぎ。今はもうチェックを切る事もなくなってしまった。デビットカードやオンラインでの支払いが殆どだからね

TVライセンス(視聴料)は本当に止めちゃおうかと思う。カラーのTVライセンスは1年間で£145-00!イギリスではテレビを持っている限り払わなくてはいけない。たとえBBCなんて滅多に観なくても、、、3年程前にデジタルになってから、チャンネルこそ165もあるものの、実際に観るチャンネルなんて限られている。うちが契約している配信会社はVirgin Mediaのケーブルデジタルで、サービス料は番組数のパッケージで決まっている。それが自分で好きなチャンネルを選べるパッケージなら良いのだけれど、あらかじめチャンネルの組み合わせが決められてしまっているので、好きなチャンネルが3グループに分散していると結局3パッケージ全部という事になってしまう。なんかうまく騙されてる気がするのよね〜、、、

今やテレビはPCで観られるし、見逃してもiPlayerで後から観る事ができる。録画する必要もない。だから「テレビは無くてもいいよね」という友人も何人もいる。確かにそうだ。まあ、PCで観るのと違うのは、やっぱりリビンクのソファーに足をあげてくつろいで観られるという事か。でも「番組を観る」という事ではテレビは無くても充分なのだ。なんだか支払うのがバカバカしいわ〜〜!

ポーチのドアを直すのにも400~500ポンドかかりそうだし、ビルの支払い£300ちょっとだし、これはホントにもうガス代払えない・・・と頭を抱えていた所、なんと、、、なんと、、、いきなり拾う神あり!!

うちの彼宛に納税局から手紙がきていて、封を開けた彼はみるみる顔を真っ赤にして怒り出した。どうやら収めている税金の誤差修正があったみたいで、その計算書が2008~2009年と2009~2010年の2通来ている。「この金の無い時に税金の追加徴収なんてふざけるな!!」とぶりぶり怒りながらキッチンに入ってしまった。用語解説のような説明書と手紙、そして2通の計算書を睨みつけるように読んでいた彼が、やっとキッチンから出て来ると、ボソッと言った。

払うんじゃなくて、戻ってくるみたい・・・

ええ〜〜!?ホントに

まさかそんな夢みたいな事がある訳ないと、私も目を凝らして上から下まで読んでみる。確かにREPAYMENTされるのは彼の方みたいだ。

そして昨日、何と£500-00程のチェックが彼宛に送られて来た。納税局は取り立ても素早いけれど、返金もきちっと素早く行ってくれる所なのだそうだ。なんと絶妙のタイミング!!まさに拾う神あり!

よかった、クリスマス前に新しいポーチのドアは付けられるかしら、、、昨日から彼は笑いが止まらないらしくご機嫌だ。でもうちの場合、良い事があるとその後に必ずなんか良く無い事が起こるのが常だから、油断しないようにしなくっちゃ勝って兜の尾を締めよ、、、あれ?ちょっと違うかな?・・・


な、、なんと! 家に入るポーチのドアが、、、Collapsed!!

とうとうこの時が来てしまった、、 というのは、実はもう随分前からいつかこの時がくるだろうとは解っていた。

porch我が家は古い。築100年は越えている。不動産用語でいうと1900年という事らしい。その我が家の中でも気に入っていたのが入り口のストームポーチ。この写真は借り物ですが、うちのポーチもこれと同じようなカンジ。ただ、うちはドアが横(この写真でいう角の左側)にある。この写真は現代的なダブルグレージング(2重窓)だけれど、うちのはオリジナルなので枠も木だしガラスも普通のもの

もちろん今までに何度も外装を変え、内部も変え、今では家で残っているオリジナルはおそらく階段くらいだろう。それでも私達が買う時に前の人が売る直前に手直しをしたとしても、もう12年経つのだ。 最初に家を見に来た時にすぐ気に入ったこの入り口のポーチも今ではすっかり崩れかけ、いや、雨風にさらさられて木のドアは水を含んでかなり弱くなっていた

うちは小さなコテージスタイルで、ドアと窓はすべてジョージアン(Georgian=18世紀から19世紀初頭)と呼ばれるスタイルだ。我が家の窓もこの 下の写真と全く同じスタイル。そして後から建て増しされた玄関のストームポーチもそれに合うようにジョージアンスタイルのドアになっている。このドアのガラスを埋め込んだフレームがボロボロになってしまっていて、遂に枠ごとくずれてしまった。ドアはそのまま通り抜け可能状態に・・・!

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数年前に家の前にある桜の木が原因で家が沈下しはじめてから、木枠にかなりの圧力がかかっていたのは明らかだ。家に入ってしまったひび割れを直してもらうのに2週間一部屋で暮らした時の事は当時のブログにも書いた。(2007年11月の16日と29日)本当はあの時に既に歪みかかけていたドアも直してもらいたかったのだけれど、沈んだ為の歪みよりもドアの木枠の痛みのほうが酷く、それは雨風にさらされての事なので、沈下による被害の項目には入らなかったのだ。まったく何の為に保険かけてんだか・・・!

最近は、家を出る時はいつも「いつこのドアが崩れるか、、」と気にしながら鍵をかけるのもそーっとしていたのだけれど、やっぱりダメだったか〜〜、、、 今朝ドアを閉めて、さあ鍵をかけようと振り替えるのと同時に「ガシャガシャ〜〜ン!」という音が聞こえた時は恥ずかしかったわ、、、今まででさえ、ボロボロのドアで結構恥ずかしかったんだけど、これじゃあまるでスクワッターが入り込んでる家みたい。

実はお隣さんは今家を売りに出しているのよね。我が家のみっともないポーチのせいで、お隣さんの家の値段を下げちゃってるかも・・・ ごめんなさいね〜〜!でも今私達お金ないから、すぐには直せないかも、、、

とりあえずうちの彼がDIYで板を内側から貼付けてくれて応急処置。寸法が合ってないから下に隙間がちょっとあるんだけど、、、とりあえずポーチに置いてあったシューラック及びすべての靴や傘は家の中に入れて本玄関のドアをダブルロックしてあるのでまあとりあえずは・・・ ドアの前まで来てしゃがんで下から見ないと隙間があるのはあまり解らない。ポーチのドアは横向きなので、通りかかったくらいじゃ気が付かないと思うけど、、、
まあ、ポスティー(郵便屋さん)はちょっとびっくりしただろうけどね。特に今日は一日穴空きだったから。

やれやれ、一難去ってまた一難なこの頃・・・気温がいきなり下がって、吹きさらしのポーチは悲しいくらいに寒いわあ〜 このドア、標準サイズじゃないのよ、、、おまけに沈下して曲がった分上下の寸法が微妙に違うし。これを付け替えてもらうのっていくらかかるのか?? 

頭痛い・・・



今夜はGuy Fawkes' night. イギリスは花火の日だ。1605年のこの日、時の国王ジェームス1世(プロテスタント)を亡き者にしようと企てたカソリック教徒達。国会議事堂を爆破しようと計画したものの、事前の密告によって爆薬と共に逮捕されたガイ・フォークスを記念した日だ。失敗した暗殺計画なのに400年以上も国の行事として定着している所がよく解らない、、、、まあ、暗く寒くなってきた冬の初めに、派手な花火でちょっと色を添えようというのが本音なんじゃないだろうか

毎年この日、及この日を挟んだ週末はババーン!ドドーーン!と夜中まで花火の音が響き渡る。9時頃まではそれでも楽しんでいられるけれど、さすがに夜中の2時3時になっても近くの空き地や公園でドド〜〜ン!!とやられた日にはたまらない、、、!土曜日が休みの人はいいけど、こちとら仕事なんですから・・・

今年も5日が金曜日とあって、「こりゃあ、またうるさいなあ〜〜」と思っていたら、、、なんと今夜はロンドン周辺は雨だそうな・・・こう言っちゃあなんだけど、「やったあ〜〜!!」雨なら花火も早々に切り上げるだろう。今年のガイ・フォークスナイトは眠れるぞ〜!

ヨーロッパでキリスト教の中でもローマン・カソリックから離れたプロテスタント運動が始まったのは16世紀から。マルティン・ルターはじめ、古い戒律からちょっとモダンな解釈としての新しいキリスト教がヨーロッパ各地で生まれていった。イギリスにおけるプロテスタント運動というのは他の国ともちょっと違う。イギリス国教会の最終的な誕生は、ヘンリー8世の「王妃と離婚したい」という我が儘からだった。そしてヘンリー8世の死後、その後の王位継承に際してカソリックとプロテスタントの争いが続く。エリザベス1世の時代にようやく安定した時期を迎え、その次ぎに王位に就いたのがJames Iだった。

その後もイギリスに於けるカソリックVSプロテスタントの時代は続く。一時はピューリタン革命によって王政が無かった時期もあるけれど、その後チャールズ2世によって王政が復活し、なんとかカソリックとプロテスタントの両立を計ろうとするも、長きに渡ってその溝は常に歴史に付いて回る事になる

いつも頼んでいるオンラインDVDレンタルで、先日折しも「チャールズ2世」のドラマが送られて来た。実は私はこれを映画だと思ってリストに載せたのだけれど、来てみたらBBC製作の連続ドラマ。DVDは2枚組になっていて、パート1では3話までが収録されていた。時々BBCが気合いを入れて製作するコスチュームドラマ(歴史ものの事をこう呼ぶ)には質の高いものが多い。大人気を呼んでコリン・ファースをスターにのしあげた「Pride and Prejudice」もそうだ。イギリス史に疎い私はチャールズ2世なんて王様の事は知らなかったのだけれど、ピューリタン革命直後の王政復古最初の国王という事で、観てみるとかなり面白い

早く続きが観たくてDVDを送り返し、次ぎが来るのを楽しみにしていた。ところが、、、今回送られて来たDVDはその続きではなく、また違うドラマシリーズのパート1もの。これってどういう事、、、?日本だったら考えられないよねえ〜〜 普通、パート1を送ったら、次ぎには当然パート2を送ってくるべきじゃない?続けて送られて来ない所がイギリスなんだよねえ〜〜

カソリック派が国王を暗殺しようとして失敗した1605年の11月5日。今年はあいにくのお天気で、とりあえず私は平和に眠る事ができそうだ・・・明日、あさってはどうなるか解らないけど。そしてこのドンパチ騒ぎが終ると来週にでもクリスマスイルミネーションがあちこちに入る。すっかり暗くなっていく中で、いよいよクリスマスの喧騒が始まるのだ。


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久しぶりのDonmar Warehouse。最近のドンマーのプロダクションはウェストエンドの劇場で客席規模を広げて上演される芝居が多かったから、実際のウェアハウスでミュージカルを観たのは本当に久しぶりだ

スティーヴン・ソンドハイム氏のミュージカル、「Passion」。初演はブロードウェイで1994年に上演され、トニー賞を取っている。ロンドンでは一度1997年にMichael Ball 主演で上演されているけれど、私は観てなかった。日本では上演されていないようだけれど、こういう小作品でもソンドハイム氏の音楽はキラッと光るものがある。彼の曲が役者/ミュージシャン泣かせなのはいわずもがな、、、でもこのミュージカルでの曲はそれほど複雑なメロディーじゃなかったかな。

怖い話。折しも観たのはハロウィーンの夜。お化けものではないけれど、執拗なまでの愛が思わずゾゾっとさせられてしまうストーリーだ。オリジナルはイタリア映画の「パッション・ダモーレ=Passione D'amore

若くハンサムなイタリア将校のジョルジオは、美しいクララとの激しい恋に身も心も燃やしていた。ところがある日彼はいたって辺鄙な国境街の部隊へ転属になってしまう。恋しいクララには毎日手紙を書くと約束し、クララもまたジョルジオに手紙を書き続ける。ジョルジオは上官の館に滞在し、そこで他の将校達や街の医師との交流が始まる。そしてその館に上官の従妹だという女性=フォスカが同居している事を知る。まだ見ぬ彼女は「醜く、病気がちでヒステリック、誰も彼女を愛する男はいないだろう」と言われ、時折彼女があげる嬌声が館中に響いていた。

都会と違って何も無い田舎。夜はディナーを囲み、カードをする、、ジョルジオにとっては退屈で面白く無い日々だ。そしてある日、病気でひきこもっていたフォスカがディナーのテーブルに現れる。初めて彼女に接したジョルジオは、思ったよりも彼女が親し気に話をしてくるので少し驚く。お互いに本が好きだという事で、彼女はにこやかに彼に話しかけるのだった。

ここからのフォスカはどんどんジョルジオにつきまとっていく。「友達でいよう」と言っても、「自分には心を捧げた恋人がいる」と言っても「もう付いて来ないでくれ」と言っても「君には何の感情もない」と面と向かって叫んでも、彼女はジョルジオを愛する事をやめない。まさにストーカーだ。背後霊のように「あなたを愛しているの」とつきまとう。とうとうジョルジオは夜にうなされ、病気になるまでに追いつめられていく。

あな恐ろしや、醜女の怨念・・・!と思いきや、本題はちょっと違う。実は美しく愛しいクララは人妻で、母親なのだ。ジョルジオとの関係は決して実を結ばない。輝かしい恋に身を焦がしていたジョルジオも、次第に「制限つきのクララとの愛」と「何も求めずにひたすら自分に愛をぶつけてくるフォスカの思い」の間で揺れ始める。フォスカに結婚していた過去があり、それがどんなに残酷に彼女を壊してしまったかを上官から聞かされて、ジョルジオはますますフォスカの情念から逃れられなくなっていくのだ。

最後にとうとうフォスカは愛を勝ち得る。それは「愛している」という以外になんの打算も条件も制限もつけない、ひたすら相手に自分の思いを届け続けた情熱の賜物だ。

エレナ・ロジャー(Elena Roger)のフォスカは怖い、、、彼女は150cmそこそこの小柄な役者だ。枯れ枝のように細い身体を縮めて、土色のメイクに大きな目だけが浮き上がった姿はまさにゾンビのよう・・・それでいて弱々しく話し、笑う。「ピアフ」の時は、小さな身体からもの凄い声がほとばしり出て凄かったけれど、今回の役では声を細く綺麗に使った歌声を聴かせてくれる。独特のなまりがある英語も(彼女はアルゼンチンの人)、むしろそれがフォスカの病的なキャラクターに生きているし、台詞はとても聞き取り易い。醜いはずのフォスカが愛を見せる時にはとても誇らし気で綺麗に見える。

フォスカと対称的なのが、クララの美しさだ。冒頭のジョルジオと愛し合うベッドでのシーンから、まず彼女の美しさに目が離せない。コルセット姿の背中から腰の綺麗なライン、ブロンドの巻き毛、これは男なら絶対に落ちる。女だってそれを認めざるを得ない。ハンサムなジョルジオは、私としては髭は綺麗に剃ってた方がよかったかも、、、でもイタリア的感覚の「良い男」はああなのかしら、、?

良いミュージカルは大仕掛けである必要は無いのだ。巨大なセットや仕掛けや40人のダンサー達がいなくても、良いミュージカルは作れる。前回観た「サロメ」では、ちょっとヤリ過ぎだと思ったジェイミー・ロイドの演出も、今回は洗練されてて良い。アンサンブルの将校達の動きが無駄が無く、場面転換も含めた巧い振り付けになっている。

フォスカの従妹役の役者は、先月初めに、決闘シーンでの小道具のアクシデントで目を怪我したという記事を見ていたのでどうしたかと思ったけれど、どうやら公演は数日キャンセルした後にまた再開している。ドンマーのプロダクションではアンダースタディーを立てていないという事で、今でも彼は右目を覆っていた。海賊のような黒いパッチで右目を覆っているので、それがキャラクターなのだと思わせる。この役も、芝居の中で只一人フォスカをかばい続ける兄のような役回りで良かった

歌唱力は皆さん揃っていてソンドハイム氏の曲を見事にこなしている。浪々と声を張り上げて歌うという曲は特になく、全体に歌が台詞と巧く融合している。片思いをした事は何度もあるけれど、「こんなにも一途な片思い」はできなかった・・・嫌われても諦めない、愛する事をやめないフォスカは、「愛し方を知らないのよ」と言いながら思いをぶつけていく。Passion というよりObsessionだ。でもそれが最後に愛を手に入れる・・・考えてしまった

休憩無しの1時間45分、客席キャパシティー250程の、ミュージカルとしては小振りだけれど、最近観た大仕掛けのミュージカルにも負けない良さが確かにある。良いミュージカルを観た・・・!楽しいハロウィーンナイト



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