ライヴはさすがに無理だったけど、朝出勤前に観た女子のフィギュアスケート。
ダイジェスト放映でトップ8人の演技をやっていたけど、高レベルな戦いで良かったよね。テレビを付ける前にネットで最終結果をチェックしたので、順位は知ったうえで観た。それにしてもキム・ヨナ選手の得点は別世界だ。
でも観ていてやっぱり凄いと思ったよ。一つ一つの完成度がものすごく高い。最初のコンビネーションジャンプも、組み合わせとしては一番難しいのだと、解説の2人が力説していた。スピンの回転の早さや軸足の安定さ、そしてすべてのジャンプが大きい。そもそもジャンプの評価は高さと距離にある。3−3コンビネーションの大きさは他の人を寄せ付けていなかった。いや〜、、すごいものを観ちゃった感じ。
でもここまで完成に近い演技をしちゃったら、ここから何処へ行くの、、、?という気もする。これ以上の演技が可能なのか?
浅田真央選手は彼女だけで観ていると、ジャンプだけでなくスピンやスパイラル、ステップももっと点が高くて良いんじゃないかと思ってたけど、比べて観ると空気感の大きさがやっぱり違った。まず、彼女のほうがキム選手より身体もずっとちっちゃいのだと思っていたら、実は身長差はほとんど無いそうだ。公式プロフィールでも1cmしか違わない。なのに、身体の回りを取り巻く空気の大きさが違うのは何故か・・・
だけど浅田真央ちゃんだって、一大会でトリプルアクセルを3回決めたというのはすごい快挙だ。ただ、自分の目標=プログラムを完璧に滑る、には到達できなかったのが悔しそうだったね。銀メダルが決まった時の顔が笑顔じゃなかったのを観て、「この人は戦う選手だなあ」と思った。もっとダイナミックなスケートをするようになると一皮むけるんじゃないのかな・・・それと、技術点を上げるにはやっぱりルッツは跳ばなくちゃね。
今年のプログラムはちょっと曲が大き過ぎたのかな・・?これはシーズン初めからずっと思っていた。あの曲は曲調が変わる事もリズムが変わる事もなく、同じフレーズの繰り返しだ。ただ、曲はどんどん深く大きく揺れ動いていくので、それに合わせた演技ができれば、最期には観ているほうが飲み込まれてしまうような圧倒的なスケールを出す事が可能なはずだ。きっとタラソワコーチはそれを狙ったのだろう。去年の仮面舞踏会もシーズン初めは「曲が大き過ぎる、、?」って思ったけれど、GPファイナルでは見事に自分のものにしていたので驚いた。
でもやっぱり今回は曲が大き過ぎたよう気がする。仮面舞踏会のようなリズムと、小回りの動きやステップが生きる振り付けは真央ちゃんらしくてはまり役だったけど、「鐘」の、うねりの大きい風や嵐を思わせるような空気の動きを必要とするイメージにはちょっと届かなかった気がする。情念みたいなものが表現できれば生きるプログラムだったんだろうね。やっぱりちっちゃな島国育ちの日本人には、ラフマニノフは無理なのかなあ〜〜?
トリプルアクセルも綺麗に決めていたけど、大きく見えないのがもったいない。ダイナミックに見えればもっと映える。コンビネーションでも、高さと距離では伊藤みどりさんのジャンプとは比べられない。でも大きさを出すって難しいよね。技術でもないし、何をどう練習すればいいんだろう・・・・でもキム選手に勝ちたいなら大きな課題だ。
そういえば昔、バレリーナの森下洋子さんの事を評価した記事の中に、森下さんは手が大きいという解説があった。森下さんは小柄なバレリーナで顔もちっちゃいのに、手が大きい為、腕の動きがそのまま軌跡になって見えるというのだ。
表彰台でのヨナ選手と真央ちゃんを見てみると、、、そうか、ヨナ選手は肩幅が広い。肩幅が広くて腕が長いよ、、、それだけでも背が高く見えるものなの?? 自身の回りにもうひとつオーラを持って演技できるというのは、持って生まれた才能なんだろうか。
嬉しいのは、高橋大輔君も真央ちゃんもヨナちゃんも来月の世界選手権に出るつもりでいるらしい。以前はオリンピックの後って、みんなメダル受賞者は精魂尽きましたとばかりに出ない事が多くて、オリンピック直後の世界チャンピオンは拾い物、、みたいな感じだったけど、みんなまだまだ戦う気でいるんだね。嬉しいです! もう1ラウンド、楽しみだなあ〜。