見つけもの @ そこかしこ

ちょっと見つけて嬉しい事、そこら辺にあって感動したもの、大好きなもの、沢山あるよね。

September 2009

新作、「ドリアン・グレイ(Dorian Gray)」

3連休なんてあっという間。でもこのあいだに観たかったのが今月封切られた新しい「Dorian Gray」。オスカー・ワイルドの「ドリアン・グレイの肖像」の映画版だ。今までにも映画やドラマ化されているこの作品、今回のドリアン役はナルニア国物語のカスピアン王子に抜擢されたベン・バーンズ(Ben Barnes)君だ。ドリアンに快楽主義を教え込むヘンリー卿にコリン・ファース(Colin Firth),ドリアンの肖像を描く画家のバジル役にはベン・チャップリン(Ben Chaplin)という配役

これはやっぱり原作が良く知られているので、映画の中で特に目新しい事が出て来るわけじゃない。でも今回は話を20年後までひっぱっていて、ヘンリー卿の娘とドリアンの新しい関係という図も入っている。気になったのは肖像画のCG、、、せっかくヴィクトリアン調の色で話が進んでいったのに、ちょっと最期はやり過ぎかなあ〜〜・・・?

私としては、このテの堕落した快楽主義エロティシズムの匂いがする映画は好きだ。だけど何かが出し切れてない感じ・・・?それなりに仕上がってるし観ていて面白いんだけど・・・一応R15指定でかなりエロティックなベン君が良い顔をしてるんだけど、ドリアンの心の葛藤がうまく見えて来ない。前半のロンドンに出てきたばかりの無垢でナイーヴなドリアンは凄く良い。

ベン・バーンズ君はBeautifulという顔立ちとはちょっと違うんだけど、初々しくてハンサムだ。そして品がある。それとは反対にまたに落ちた顔というのが良い。これは前から思っていた。悪魔的表情が「良い顔」なんじゃないかなって。ただ、この映画の中ではすごく良い顔をしている時とすごく平凡にしか見えない時がばらついてる。絵として決まる時と抜けてる時があるって言えば良いのかな・・・そういう意味ではこれからもっと自分を見せていけるようになっていくと期待したい。まだ固まってない部分があるっていうのは悪い事じゃないよね

イギリスの役者は、いわゆる上流階級を演じられる俳優というのはある枠があって、英語の話し方/発音、立ち居振る舞い等で或る種のものが求められる。クラシックな映画に常に顔を出す役者がある程度固まってるのはその為だ。これは演技力という事ではなくて、今でもイギリスに歴然と存在している階級の問題。貴族を演じる役者はそれなりに見えなくちゃいけない。それは労働階級出身の貧乏役者には醸し出せないものなのだ。上流階級常連の役者達、例えばこの映画でヘンリー卿を演じたコリン・ファース、他にもナイジェル・ヘイヴァース、クリスティン・スコット=トーマス、ヘレナ・ボーナム=カーター、彼等は皆それなりの家庭/教育のバックグラウンドがある中流以上の出の役者達だ。ベン君もこの映画の前にEasy Virtueで上流家庭の息子を演じたし、(両親役はコリン・ファースとクリスティン・スコット=トーマス)これ以降もクラシック俳優の仲間入りをしていくんだろうな

この映画で光ってるのはヘンリー卿のコリン・ファースと画家バジル役のベン・チャップリンだ。この2人とドリアンの絡みがなので、これは外してない。特にコリン・ファースは最近の作品で一番良いかもしれない。「またいつもの感じかなあ〜、、」と思っていたのだけれど存在感抜群だ。最初の恋人、シビル役のレイチェル・ハード=ウッド(Rachel Hurd-Wood)の透明感も凄い。彼女は「ピーター・パン」のウェンディー役でデビューしてまだ10代だ。彼女のクラシカルな女優の仲間入り間違い無しかな。オフィーリアとかもやれそうだけど、、、、

役者達は手堅かったけど、やっぱり肖像画の使い方がイマイチだった感が否めない。屋根裏部屋の絵っていうのはもっと不気味なものを醸し出せるはずなのに、ヘンにCGで大袈裟にし過ぎた感じがする。無理しないでクラシックな作りでよかったのに・・・・

もう一度ちゃんと本で読んでみようかな。英語では読んでないな、、、
そういえば、ブログに書くのはとばしたけど、先週舞台版のThe Shawshank Redemption(ショウシャンクの空に)を観てまた映画をちゃんと観たくなった。良い舞台だったし、役者達は隅々まで力のある人達で固めてあって見ごたえあった。でもやっぱり映画以上の発見がなかったのが残念かな。これは春に観た「レインマン」もそうだった。ドラマとして良い話だし、役者達も良いんだけど、舞台を見終わった途端に映画で観たくなったんだよね
「Dorian Gray」は原作本が読みたくなったよ・・・・


こちらにも1クリックお願いします、、
Banner

金箔入りヴィザかしら・・・?

22日の9時半よりお受け取りになれます」というお姉さんの予言)どおり、出来上がりの連絡が来るわけでもなく、領事館に出向くとパスポートは出来上がっていた。日本では当たり前みたいな事が、奇跡のように感じるのはイギリス暮らしも長くなり過ぎたか・・・

ICチップ入りのパスポートはそのページだけ固くて重い。ページをかざすとPCの画面に私のパスポート内容が映し出される。すごいねえ〜〜、、、それにしても、、し、,写真がデカ!!もっと美しく映ったやつのほうがよかったわね、、、まあ私はあんまりこのテの写真とかにはそれほどこだわらないんだけど。

今までのパスポートには英国永住のヴィザ(Given leave to remain in the United Kingdom for an indefinite period)が押されている。パスポートが失効してもヴィザは継続する。前の時は、次のホリデーから戻ってきた時に空港で新しいパスポートにスタンプを押してもらった。ところが今はこれをやってもらえないのだそうだ。なんと、、、新しいパスポートにスタンプが欲しい場合は、法務省内のエージェントに送って165ポンドも払わなければいけない!!

ひゃくろくじゅうごポンド〜〜??!

そういえば、最初にこの永住ビザをもらった時は、それなりの印紙みたいなものにちゃんと印刷されて法務省の刻印がパスポートに押された。これはいかにもちゃんとしたもの。ところが、、10年前に新しいパスポートになって空港でもらったスタンプというのが、なんと実はこれ
-1

インクは擦れてるし、「前パスポートより」なんて担当したオフィサーの手書きよ〜〜! 実はこれをもらった時はちょっとショックで、「本当にこれで大丈夫なんだろうか、、?次の時に認めてもらえないんじゃないだろうか?」と不安になった。こんなのゴム印で簡単に作れそうだよね。もちろん入国監査官にはちゃんと解るんだろうけど、セキュリティーと考えるとやっぱりかなりお粗末に見える。でも一応この10年間入国の時にこのスタンプで問われた事はない。まあどこから見てもイノセント/ぶりっ子な私ですから疑われなかったのかもしれないけど、今の世の中どこに不法入国のテロリストがいるか解らないって・・!

で、新しくパスポートにビザを押してもらうには郵送で165ポンド。でもオリジナルから今までのヴィザを押した古いパスポートを一緒に持ち歩いて空港で見せれば、ヴィザ自体は有効なのだそうだ。つまり私の場合は常にパスポートを3冊持って出なくてはいけない。う〜ん、面倒だけどそれでお金がかからないならやっぱり皆そうするよね〜。でももし旅先とかでバッグでも盗られて3冊ともパスポートがなくなっちゃったらどうなるんだろう・・・?? 

昔、ホントがデマか解らない噂が飛び交った。上の写真でもわかるように、空港で押してもらうヴィザのスタンプは、ゴム印とかわらない。学生で2年間のヴィザをもらっていた人が、ホリデーから帰ってきた時に空港で係官が間違ったスタンプをポン!と押しちゃって観光用ヴィザになってしまった・・・という類の話。このテの「ある人がね、、、」っていう逸話はいくつもあったっけ

それにしても165ポンドで押してもらえるスタンプって、どんなんだろう・・・? エージェンシー内のガイドによると、やっぱりセキュリティーの為に特殊なインクを使ったものらしい。お値段を考えるとひょっとして、金箔入りだったりして・・! いったいどんなご立派なものなのか?? 誰かもらった人いるかしら、、、? でもねえ、私が海外に出るのは通常年2回。10年パスポートで20回入国審査を通るとして、一回につき£8−25・・・やっぱり3冊持って行くわよ・・・


羽虫?、、羽アリ、、?

何やら大量発生している・・・!

羽虫っていうの・・・?ちっちゃいちっちゃい、ホントに1ミリ程の羽虫が職場で飛び交ってる。丸っこいから最初はノミかと思ったけど、羽根がついてて飛んでいる。飛んでるときは埃みたい。羽根が無いと蟻みたいにも見える。でもずっとちっちゃい。先週当たりからちらほらといたけれど、涼しくなってきたからムシが屋内に入ってきたのかな、、くらいに思っていた。でもこの水曜日からは特にひどい

同僚のAちゃんはもうどうにも落ち着かないようで、早速Fly Killerスプレーを買ってきて取り憑かれたように噴射しまくっているのだが、なかなか死なない。このFly Killerスプレー、普通の太った蠅やワスプ(スズメバチ)には結構コロっと効いて、噴射すると狂ったように飛び回ったかと思うとコロっと死ぬのだけれど,このちっこい羽虫達には効果薄なようだ・・・それでも噴射しまくるA嬢がいじらしい・・・・

あんまり小さいので実態を観るのに虫眼鏡を持ち出した。倍率5倍のものでよく見てみると、身体の形は丸っこい。やっぱりノミっぽくて、羽はあるのだけれどそれほど大きくはない。頭を持ち上げている形では犬みたいにも見える。ファイリングをしていたAちゃんが、ふとキャビネットの上でじっとしている(ように見える)虫をみて素っ頓狂な声をあげた。
They're mating!!(ヤッてるわ〜〜!)」・・・あんまり小さいのでまた倍率5倍で観てみると、確かに、、、2匹で繋がってるじゃないの〜〜! (いちいち5倍で観なくてもいいか・・・

刺しにもこないし、蚊やハチと違って害もなさそうだけど、ヒラヒラと黒い点が飛び交ってるのは気持ち良く無い。何故か顔の回りに来たりね、、、店舗のほうはともかく、検査室のほうはやっぱり衛生上困るのよ〜〜 殺虫スプレーの匂いをさせておくわけにもいかないしね。粘着テープのついたシートをさりげなく掛けたりもしてるのだけど。(さっそく15匹ほどくっついている)ちなみに繋がってるのも1組だけじゃなくて何組かいる、今頃がシーズンなのか・・・??

この建物自体はかなり古い。今までもちょっと大雨になると水漏れがして、何度直しても天井から漏れて来るし・・・・隣の携帯電話ショップにも大量発生してるらしい。ワンブロックで一つの建物だから、もし大掛かりな事になったら面倒だなあ〜〜〜 この広いビルの何処に何があるかわかんないしね。天井裏とかはきっと凄い事になってるのかも、、って考えるとああ〜〜、気持ち悪い!!

あんな小さな身で賢明に生きてる彼等には申し訳ないけど、ここはちゃんと駆除してもらわなくちゃいけないみたい。9月っていうのは、そういえば足の長い大きな蜘蛛をお風呂場でみかけたりする季節だ。日も短くなってきたし、ジメジメした暗い秋がやって来る・・・・

久しぶりの再会

10年ぶりに大使館(日本領事館)に行ってきた。10年に一度大使館に行く用事といえばパスポートしかない。

11月で切れるので5月に日本に行く前に替えようかどうしようか考えた。パスポートの更新は期限の1年前から行う事ができる。でも早く切り替えてしまうと残った分は切り捨てられてしまって、支払った手数料が10年分じゃなくて9年分になってしまうのだ。これはちょっと狡くないか・・??

10年前より領事館は綺麗になっていて、前に来た時よりずっと感じが良い。待つほどなく書類を提出し、アッという間に終わる。ちょっと新鮮だったのが、「22日の9時半からのお受け取りになります」ときっちり言われた事だ。この国では「仕上がりはいつになります」という事は絶対に断言しない。私も仕事ではどんなに「XXまでにいるんだ!!」と言われても、「十中八九は大丈夫だと思います。ベストは尽くしますが100%はお約束できません」とはっきり言う。約束などしてしまったらドツボにはまるのはこっちのほうだ。絶対にプロミスはしない。だからこの本当に日本的は、「XX日のお受け取り」という言い方が逆にとても新鮮に聞こえた。しかも手数料は受け取り時の支払い。今日払うものと思って用意していたので、拍子抜け。

それにしても、、、日本に行く頃に調べた時は確か65ポンドだった手数料が89ポンドにハネアガっている!! これって、レートが下がっちゃったせい・・??高過ぎないかあ〜〜?! カードは受けてもらえないので、キャッシュかチェックでおつりの無いようにご用意ください、との事。でも、、、きっちり用意するには、89ポンドってイヤな金額じゃない?日本円だって、8900円をおつり無く用意するって、微妙でしょ・・

せっかく都心へ出てきたのにものの15分で用が済んでしまったんじゃ交通費が無駄というもの。1日乗り放題の切符なので使わなきゃ損。でも今日は雨、、、 で、急に思いついてホントに15年振りくらいでテート・ギャラリーへ行ってみようと思い立った。今はTate Britainと呼ばれてるこの美術館は1500年以降のイギリスの絵画を中心にしている。ターナー、コンスタブル、ロセッティ、そしてウィリアム・ブレイク等、、、入館料は無料

ここには実は私のお気に入りの絵が3つある。本当に長い事思い出しもしなかったのだけれど,急にまた見てみたくなった。行き方もうろ覚えだったけど、駅からは歩いて5分程。私が個人的に見たかったのは、ミレーの「Opheria=オフィーリア画像はクリックすると大きく見られます

MillaisOpheria
「ハムレット」でガートルードの台詞で語られるオフィーリアの死。狂ってしまったオフィーリアが花を摘んでいるうちに水に落ち、ドレスの裾が水面にひろがり、本人は溺れてしまう事も解らずに花を手に歌いながら流されて行く・・・この暗い水の色とかなり濃いめな緑と茶色の色合いが、物悲しくてイギリスっぽい。オフィーリアが目を開けて歌っている表情がなんともいえない・・・

もうひとつの私のお気に入りは「The Death of Chatterton

chatterton
18世紀の若き詩人、トーマス・チャタートン。ロンドンに上京してきて、そこそこ投稿した詩が掲載されるなど多少の知名度はあったものの、報酬はごく僅かで生活に窮し、貧困のうちにホルボーンの屋根裏部屋で服毒自殺を遂げる。わずか17歳 この絵は実際にチャタートンが死んだ部屋で描かれたという。この絵のモデルは19世紀の詩人ジョージ・メレディス。まだ青年にもなり切っていないはかない姿、青白い死に顔、ベッドも家具もボロボロで、破り千切られた詩編が散乱している。ちなみにチャタートンは15世紀の修道士、トーマス・ローリーという偽名で中世風の詩を書いていて、これは18世紀後半になってから「成熟した作品」として称賛された。

もうひとつ再会したい絵があったのだけど、これがどうしても見つからない・・・聞いてみると、現在はドイツのどこぞの美術館に貸し出されているのだそうだ。残念・・・・これは知っている人は少ないと思うけれど、リチャード・ダッドという人の「Fairy feller's master stroke

dadd1
この絵の事を初めて知ったのは遠い昔、Queenの2枚目のアルバムの中に同タイトルの曲があって、曲を書いたフレディー・マーキュリー自身が語っていたのを読んだ時だ。アルバム2枚目当時のQueenはまだヒットに恵まれず、売れ線バンドではなかった。でも初期2枚のアルバムは、当時美術学校でデザインとイラストを学んでいたフレディーの芸術的要素が濃く出ていて、80年代のQueenが無くしてしまった冷たい輝きと緊張感のある音を出している。「Queen ll」は彼等のアルバムの中でも私が大好きな一枚。「Fairy feller's master stroke」は、月夜の森で今まさに斧を振り上げて胡桃を割ろうとしている男を中心に、様々なフェアリーな生き物達が回りを取り巻いている。良く見ると皆どこかちょっとヘンで架空の生き物だ。作者のダッドは実は精神を病んでいて、この絵も終身過ごした病院内で描かれた。フレディーはこの絵をとても幻想的でおとぎ話のような歌にした。それでも音は暗く、冴え冴えとしていて月夜の幻のような曲。今回見られなかったのは残念だけど、また戻ってくるのだろう。

美術館なんて行ったの、去年のパリ以来、、、でも無料なんだしたまには良いね。ほんとに久しぶりだった

夏の終わりーBBC The Proms最終日

今週は忙しかった・・・!
これで一段落かな?来週頑張れば翌週は週中に3休みを取った。

これが無ければイギリスの夏は終わらない!」というThe last night of the Promsが今年もやってきた。毎年7月半ばから9月の始めにかけてロイヤル・アルバート・ホールを拠点に毎日のように続くクラシック/ワールドミュージックのコンサート。 クラシックだけでなく、新進の音楽家(演奏者/指揮者/作曲者等)や世界各国からの音楽を織り交ぜて、幅広い観客層に楽しめるプログラムが続く。The Promsが特にユニークなのはあくまでそのインフォーマルなスタイルにある。

The PromsというのはPromdade concertの事でもともと楽団が演奏する庭園を客たちが飲み物を持って歩き回りながら音楽を楽しむというスタイル。そのスタイルを受けているため、アルバートホールの中央(アリーナと言えば解り易いかな)は座席のない立ち見スペースになっていて、チケット代も安く、お客は飲み物を片手にカジュアルなスタイルで演奏を楽しむ。空いている日は床に座ってる人もいるみたいだけど、大抵はみんな立って音楽と共に踊ったり飛び跳ねたり旗を振ったり・・・・ もちろん普通の座席やギャラリー席にはきちんと正装したお上品な方々も沢山いる。つまりは「どうそご自由なスタイルでお楽しみください」と言う事だ。

ラスト・ナイトはちょっと特別。会場の雰囲気はまさに「お祭り」で、Gパン/Tシャツの人々から蝶ネクタイ/イブニングドレスの人々まで、みんなおもちゃのラッパを吹いたり旗を振って盛り上がる。毎年これが楽しみで最終日は必ず見逃さないようにしている。最近はアルバートホールだけでなく全国主要都市のパーク内にサブステージを設けて、アルバートホールからの中継に加えて各地でのステージの様子も全国でマラソン放映される。ロンドンではアルバートホールのすぐ向かいのハイドパークに約4万人が集まって旗をふりながらお祭り気分でコンサートを楽しむ


最終日のプログラムは2部になっていて、後半からが最高の盛り上がり。特にラストの1時間弱は演奏曲目も決まっている。まず
は「ルール・ブルタニア」ではじまり、エルガーのPomp and cercumstance March、これを日本語訳で威風堂々と約したのはどなたなのか・・・? とりわけイギリス人が第二の国歌といわれるまでに愛唄するのが「Land of Hope and glory」の部分。そしてWillimam Blakeの詩による聖歌,Jerusalem。この3曲は究極のイギリス愛国精神の代表で、一緒に唄うという意味では国歌のGod Save The Queenよりもはるかに意気揚々と和唱される

これはまあ、当然と言えば当然だ。国歌のGod Save The Queenは女王/国王を讃えるもので、民衆の為の歌じゃないからだ。これは日本の「君が代」もそうだけれど、「女王陛下万歳」と歌うのが本当に楽しい人はやっぱり今時少ないよね。けれども「我々は負けないぞ〜〜!」という歌は唄っていて気持ちが良いのだ。昔、フランス人が国歌の「ラ・マルセイエーズ」がかかると大声で唄いたがるのを何故だろうと思って調べてみて、その歌詞にびっくりした事がある。血染めの旗だの、暴君を倒せ市民達よ武器を取れ!、、、とかなり過激。200年前のフランス革命時に作られた歌だから成る程とは思うものの、国歌の歌詞にしてはどうか・・・?

でもこれは間違いなく民衆のための歌だ。「武器を取れ!進め!進め!」と歌うのは、「女王陛下に神のご加護と栄光を・・」と歌うよりも気持ちが良いはず。だからイギリス人にとっての「ラ・マルセイエーズ」に当たるのが毎年Promsの最終日に愛されている3曲なのだ。「立ち上がろう!戦おう!」という精神は、やっぱり地続きのヨーロッパが戦う事で平和を勝ち取ってきた歴史によるものだ。普段はそんなことは全く考えてない人達がひとたびコンサートホールやパークに集合するとあっという間に勢いに酔いしれてしまうというのがこのProms最終日のツボ。この愚かなまでの大衆心理を楽しみたいが為に毎年欠かさずに一緒に観てしまう。

毎年指揮者や歌手によって少しずつ違うのだけれど、今年の指揮者はアメリカの人。Rule Britaniaは女性歌手だった。私としてはルール・ブリタニアは男声で歌ったほうが好きなんだけど、今年はメゾソプラノのサラ・コノリー女史。ここでまたまた奇妙な繋がりが・・・なんと彼女、ネルソン提督の扮装で現れたのだ!! つまりは軍服!。ここでまたも軍服の女性が出て来るとはなんというタイミング、、、ベルばらから繋がってるって、、?? 奇妙なニアミスにまたも笑わずにいられなかった。 各地での中継を繋げながらのラストナイトは11時近くまで続いて,最期は盛大な花火! これで今年の夏も終わりだあ〜〜・・・



ブライトン行きにベルばら兄ちゃん・・・

さて、数日「ベルばら」にハマっていたわけですが、(だってアニメは40話ある)そんな中でも8月最終の月曜日はイギリスは休日で、3連休になった。ちょうどうちの彼も休みだったので、せめて日帰りで海辺へ行こうという事に・・・9月に入るともう秋になっちゃうイギリスで、この8月最期の連休っていうのは凄く気が利いてるよね。最期の夏の名残り・・・実際ここ数日で急に寒くなってきちゃって日も短くなったし。

Brighton09-2

ロンドンから日帰りのシーサイドといえばやっぱりBrighton=ブライトン!他にも東のサウスエンド=Southendや、南岸沿いにはHastingsやEastbourneもあるけど、やっぱり面白いのはブライトンだ。ヴィクトリアから電車で50分だし、15分毎に出てるからいつでもフラッと行かれる。ブライトン駅から海辺まではブラブラ歩いて行かれる距離だし、街の賑やかな部分は全部この間にあるから、歩き回ってるだけで網羅できる。去年行ったEastbourneやHastingsは、お年寄りの保養地みたいで、70年代から発展してないような古さがあったけど、ブライトンは街としての活気があって、おしゃれなレストランやバーも沢山あるし、イングランドの田舎の良さも残ってる。
Brighton09-1


前回来たのは去年の春。まあ小さな街だし、何度行っても書ける事なんて同じなのでブライトンの話はこちら/29/04/08を読んでいただければいいのですが、、、実はこのブライトン行きの電車の中で本当に不思議なタイミングで出会った事がある。いったいどうしてこういう巡り合わせがあるのか不思議だけれど、文字通りベルばらから出てきたようなお兄さんがいたのだ

ヴィクトリアからブライトンまでは僅か50分、早い電車だと途中2駅しか止まらない。でも一応ワゴンサービスがあって、飲み物やスナックを座席で買える。そのお兄さんがワゴンを引いて私達の車両に入ってきたのは、2つ目の停車駅、East Croydonの手前だった。電車は丁度駅に着こうとしている時で、お兄さんは車両には入ってきたのだけれど、ワゴンをドア(駅で開くドアとは反対側の)の横に止めた。最初は「何でサービスしに来ないのかな、こんなとこでサボるなよ・・・」と思ったのだけど、その時点でまずお兄さんの髪に目がいった 背中まである長髪を首の下で青いリボンで括っている・・・以前にも書いたけど、私は男の人が髪を束ねているのに弱い、、、目がいってしまうのだ。→(こちらです

お兄さんは、サービスをする様子もなくワゴンの横にたたずんでいる。青いユニフォームを来てる。かなり癖がありそうな栗毛の髪のはね方がまさしくベルばらっぽくて、これが黒髪ならアンドレ?ってカンジだし、金髪だったらオスカルかしら・・・? でも栗色っていうところがミソ。ブルーのリボンが制服と合ってるし。ハンサムっていうより、、何だろ? まず「何処の人だろ?」と思った。イギリス人の顔立ちじゃない。白人だけど、青白いカンジじゃなくて、少し日焼けしてるのか健康な肌の色。そして、深いブルーの目

いったいどうして今、、、」とビックリする私。何でって、すごいタイミングじゃない? だいたい、今時こんな人はあんまりいないよ。制服姿で背中まである髪をリボンで結んでる男なんて、滅多にお目にかかれない今日このごろなのに、どうしてベルばらアニメを見た翌日にこういう人に出くわすわけ・・・?? すべすべの肌、、結構若いのかもしれない。青い目っていうのもいろいろあって、空色の目や透き通るような青い目とかも綺麗だけど,この人のはホントに濃い,深いブルーの瞳。なんだか可笑しくなってきちゃって一人でグフフ・・・と笑い出してしまった私。向かいに座っていたうちの彼が怪訝な顔になった。ワゴンの彼はうちの彼の後ろにいるから最初は見えなかったのだ。「何、、?」と不思議そうな彼に「後で話すから、、」とは言ったものの、私としては忍び笑いを押さえられない

最初はサボってるのかと思ったけど、すぐに解った。電車が駅に止まってる時にワゴンが通路にあると乗り降りの邪魔になるから電車が駅を出るまでワゴンをプラットフォームとは反対側のドアの横に止めて待っていたのだ。会社のマニュアルにあるのだろうけど、イギリスでこういうちょっとした気遣いのような事にお目にかかると嬉しくなってしまう。うちの彼も振り返って彼の存在に気付いた。私がグフグフ笑っているので、 ますます怪訝そう

駅を出るとお兄さんはワゴンを引いてサービスに来てくれた。うちの彼が「ビールある?」と聞くと、それはそれはソフトな話し方で「ビールはあるんですが、あんまり冷えていないんです、、、」と伏し目がち。イギリス人じゃないとは思ったけど、英語のアクセントからは何処の人かまでは解らない。ソフトに話す。缶ビールをうちの彼に手渡してちょっと心配そうに反応を待ってる様子がとても好感が持てる。ちなみに私とうちの彼との絶対的な価値観の一致が、人を判断する基準だ。人と逢った時、相手の何を見て何を感じ、何を基準にその人を判断するか・・・が一緒なのだ。育ったバックグラウンドも趣味も全く違う私達がもう20年も一緒にいるのは、「人を見る目が同じ」という所が大きいかもしれない。私がこのワゴンの彼に好感を持ったとほぼ同時にうちの彼も彼に好感を持ったのがすぐ解った

ビールはやっぱりちょっとぬるめだという事で赤ワインをみせてもらう。250mlの小ビンのワインのラベルを見ると、いつも私達が好んで飲んでいる南フランス地方のもの。氷を1個だけグラスに入れてくれるように頼むと、戸惑ったようにそれでも頼んだとおりにしてくれた(赤ワインのグラスに1欠片だけ氷を入れて飲むのが私達流)丁寧でフレンドリーな応対。私だけでなく、うちの彼もすっかりこのベルばらお兄さんが気に入ってしまった様子。彼が去った後もグフグフ笑っている私を見て、うちの彼は私が「彼の事を気に入った」と思ったみたい。私としては、まず彼のベルばらビジュアルにびっくりして、さらにとても好感の持てる振る舞いに思わず嬉しくなって笑いがこみ上げてしまったのだけど、うちの彼にいちいちベルばらの事まで説明できない・・・・こればっかりは知らなくちゃ解らないのよ

でも彼も私がお兄さんの事を気に入ったというのはすぐ解ったようで、私の笑いの意味をちょっとズレタ所で解釈してる。いや〜〜、栗色の髪にあんな深いブルーの瞳っていうのはすごくエキゾチックだよなあ〜〜〜・・・まあ、頭のキレるシャープなタイプじゃなかったけど、すごく魅力的っていうか、印象深いっていうか、私としてはあまりの絶妙な出会いで信じ難いものがあったのよ・・・

ブライトンの駅に着いてもまだグフフ笑いの止まらない私を見て、うちの彼が言った。「おい、、溶けてるぞ、、、(You're melting!)
いいじゃないの、、ちょっとくらい蕩けるような感じを味わったって・・・ベルばらにハマった2日後の出来事。あのお兄さん、毎日ブライトン行きの電車に勤務してるんだろうか・・・?アンドレでもオスカルでもいいよ、、、なんだか21世紀の今には珍しい人だった。こういう絶妙なタイミングでの出会いって本当に不思議だ

アニメのベルばらといえば、動画サイトにヨーロッパ各国のヴァージョンがアップされてるので驚いた。イタリア、スペイン、カタラン、フランス、ドイツ、なんとアラビックまで・・・このアニメがアラブの国で放映されてるというのは本当に興味深い。びっくりした。日本のアニメはヨーロッパではかなり人気あるからね。でもイギリスはそうじゃないんだなあ〜〜、、、イギリス人は激情とかドラマチックとかが逆に苦手なんだよね。そういうのはあんまり受けない。アニメもあくまでも「子供向け」以上のものではない。その点、フランス人とかスペイン人なんかは情に敏感だよね。ちなみにやっぱりベルサイユのばらをフランス語で観るのってちょっと感慨深いものがあった。すごくシックリくる・・・吹き替えの声は各国それぞれだけど・・・・

さすがにお兄さんの写真を撮るわけにはいかなかったけど、不思議なブライトン日帰りの一日だった、、、


こちらにも1クリックを・・・

Banner


”薔薇は,薔薇は・・・” が止まらない!!

だからヤバいかも、、って思ったのよね・・・
やっぱりハマっちゃったじゃあないの、、、
いや〜〜、20年以上ぶりの「ベルばら」ですわ。

私の年代で「ベルサイユのばら」現象を知らない人はいない。思い起こせばまだ小学生の時、回りがみんなで「オスカルさまあ〜〜〜!」って言ってるもんだから、遅ればせながら読み始めたら、あっという間に私も仲間入り。あ、でも私は最初こそ「オスカルさま〜!」で始まったんだけど、読み進むにつれて3巻の後半あたりからはアンドレの人になりましたけど

さて、アニメ版の「ベルサイユのばら」は、数話飛び飛びで観ただけでちゃんと通して観た事はなかったので、あんなに原作から変えてある部分があるという事を初めて知った。前半こそ台詞もほぼマンガ通りに進んで行くけど、衛兵隊に移ってからはこれはもう原作に平行した裏ストーリーといって良い。

衛兵隊に入るあたりからはかなり男目線の解釈になってると思う。でもこれがうまく原作と平行していてなかなか現実的な展開だ。アニメでははじめからオスカルを主軸にしているので後半はアントワネットはほとんど出て来なくなってしまう。アンドレの事も、ただオスカルの影として支えている存在では決してなくて、かなり早い時期から迷うオスカルに助言/忠告したりして彼女を導く存在にもなっている。人間的にはどうあれ、社会的にはやっぱり世間知らずな貴族のお嬢のオスカルが、最終的に革命で民衆側に身を置く決意が出来る女に成長するのは、そんなアンドレの側にずっといたからだ

原作では、オスカルが独立独歩の女として自分で運命を選びとっていくのだけれど、アニメではオスカルをもっととして扱っていて、そのあたりにも制作側の男目線が伺える。それが行き過ぎて「違うだろう、、!」になったのが、民衆側に付くと決めた時のオスカルだ。これは完全にアニメオリジナル。「私はアンドレの妻になったので、夫の意想に従う」と皆に言ってしまうというのは、さすがに間違いだったと思うんですけど・・・・ オスカルはそういう女じゃないはず。(一度寝たくらいで急に従っちゃうような女じゃないんだけどなあ〜〜) きっと制作側でもモメにモメたんだろうなあ〜。最終的に誰が決めてああなったのかは解らないけど、全編通してこれは唯一の決定的な間違いだったと私は思う。

でも逆に原作よりこっちのほうが好きかも・・・なのが、首飾り事件のジャンヌとシャルロットの自殺。ジャンヌはずる賢くて逞しい悪女が「良い女」だった。オスカルとアンドレの死も、暴動のさなかって事を考えるとこのほうが納得いく。オスカルをかばってじゃなくて、流れ弾に当たって死んでしまうアンドレ。原作ではもう目が見えてなかったけど、アニメ版では横で泣いているオスカルの顔がちゃんと見えているのが救い。そしてバスティーユが落ちるのを見届ける事無く路地裏でひっそりと息を引き取るオスカル。

中学時代、友人達と話し合った疑問=「アンドレが死んだ後、翌朝までオスカルはどう過ごしてたんだろうね」ーーに回答するようなシーンもあった。何と、アンドレに次いで白い長年の愛馬まで死んじゃうではないの・・! 自分はあと半年の命って言われていて、家も地位も捨てて、アンドレも愛馬も死んじゃって、空っぽな、空洞みたいな目で死んだ白馬を見てから剣を抜くあたりの絵もすごく良いね。この時のオスカルの唸るような叫び声は、田島令子さん素晴らしいです

絵の表情は随所に唸らせるものがある。日本のアニメが世界一のクオリティーを誇るのは、キャラクター達の細かな表情だ。ベルばらの絵はとても表情が良い。かつて恋したフェルゼンに向かって「私のアンドレ」と言ってしまった、その自分の一言に驚いて、驚愕のあまり動けなくなってしまうシーンとか、絵だけで心情を巧く描いてる場面があちこちにあって、この細やかさが日本のアニメなのよ・・・

それにしても、このアニメ版のベストは何といっても主題歌じゃないかしらね。これって名曲だと思うのだけど・・!「薔薇は美しく散る」が正式なタイトル。

いきなりドラマチックに入ってくる前奏、70年代終わりにポピュラーになり始めたシンセサイザーの音とストリングスが巧く噛み合っていて音自体がすごく気持ち良い! 曲のテンポはちょうど馬に乗って走ってるリズム。激しいようでいてなだらかな音の流れがデリケートだし・・・「薔薇は、薔薇は、気高く〜さいて〜・・」の後になだれ込んでくるストリングスのカッコ良さ。間奏に入ってるのはオカリナの音か、、 この笛の音はすごく距離感みたいなものがあって、視野が広がる感じがする。1番の後の間奏は旋律が上から下に降りて来るのにたいして、2番とレフレインの間奏では下から吹き上げてくるし・・・そしてこの疾走感のあるドラマチックな曲を全編女声のファルセットで歌い通すという絶妙さ!! まいりました!馬飼野康二さんですね〜、、まさにオスカル・フランソワの歌ですわ!
もう頭の中を回っちゃって回っちゃって・・・止まらない!

やっぱり「ベルサイユのばら」って一味違うマンガだったんだなあって改めて思ってしまう。これってむしろ大河ドラマだよね。原作とは違う部分やオリジナルな部分は、アニメにするにあたっての話数とか、辻褄あわせとかもあったんだと思うけど、それなりにうまく筋を通してあっておもしろかった。オスカルとアンドレがアラスの丘の上に並んで眠ってるっていうのも嬉しいね

原作から削ってしまった/変えてしまった部分でオリジナルのファンからの反発もあったと聞いたけど、これはこれでうまくできたアニメだ。一人の女性=オスカルの、平凡ではないけれど劇的にもなりすぎない生涯というまとめ方にした事で、むしろ海外で受け易くなったと思う。もしもあの当時に見ていたら、原作の影響が大きくてまだ若過ぎた私はもっといろんな場面で「こんなの違う〜!」って思ったんだろうな。ラストの2話とかあの頃だったら、「これも好きだな」とは思えなかったかも。でも今になって初めて観て、これはこれで好きだ。ホントに久しぶりにベルばらにハマっちゃいましたよ、、、

引っ張ってきちゃいました。ドラマチックがお好きな方は耳を凝らしてお聞きくださいませ

livedoor プロフィール
Recent Comments
Archives
  • ライブドアブログ