見つけもの @ そこかしこ

ちょっと見つけて嬉しい事、そこら辺にあって感動したもの、大好きなもの、沢山あるよね。

October 2008


10年程前、BBCテレビが突然27人ものアーティスト達を集めて、Lou Reed(元ヴェルヴェット・アンダーグラウンドのルー・リード)の名曲「Perfect Day」を1節ずつ交代で歌っていくというスペシャルヴァージョンを作って視聴者を驚かせた事がある。

参加アーティストはLou Reedを始め、David Bowie、Bono(U2), Elton john, Tom Jones , Boyzone, Suzannne Vega, Joan Armatrading, Laurie Anderson, Brett Anderson(Suede)等のポップミュージシャンから、オペラシンガーやBBCシンフォニーオーケストラまで・・・。ただ一人ずつ順に1節ずつ入れて行くだけなのだけど、Perfect Dayの穏やかな曲にこんなにも多才な顔触れが次々出てくるので、初めて観た時は「何事か・・?」と思った。


BBC及びBBC2の番組の変わり目に繰り返し入れられ、映画館でもトレイラーの合間に映された。 曲の最期に「皆さんの支えに対しての少しばかりのお返しです」みたいなメッセージが入っていた。

BBCは日本のNHKと同様コマーシャル無しの為、番組は私達の支払う視聴料で制作される。 このTV License Feeの取り立てはかなり厳しい。世帯ごとではなくテレビ1台につき課せられる。だから2階と1階の部屋にそれぞれテレビがある家は2台分支払わなくてはいけない。「うちにはテレビはありません!」と主張して支払っていない家に対しては、高性能の探知機を載せた車がある日こっそりやって来て、通りからでもその家にテレビがあるかどうかを見破ってしまう。視聴料を踏み倒す人は犯罪者です!」といった広告があちこちに出回り、TVアドでは「こんな事で犯罪歴を作りたいのか・・?」と言わんばかり。

だからこのPerfect Dayが公開された時は、「視聴料の無駄遣いだ!」という批判も出た。私も「まさか取り立てた視聴料でこんな豪華な顔ぶれのアーティスト達にギャラをバラ撒いたんじゃないでしょうね〜〜?」と最初はいぶかった。お金あまってるんなら、視聴料下げてよ」と言いたいのと、でも出来上がった4分程のビデオもまた観たいし・・・と困惑した。

結局参加したアーティスト達は£250(約5万円)相当のヴァウチャーをもらっただけだという事が判明。(それでも150万くらいになるけどさ、、)BBCから皆さんへのありがとうプロモーションという事で次には曲の問い合わせが殺到し、後日、BBCがいつも手がけている子供達の為のチャリティー(Children in need)への寄付を名目に正式にCDがリリースされた。

イギリスというのはチャリティーがすごく盛んな国だ。関心度も参加度も日本では考えられないくらい街中にチャリティーが氾濫している。 小さな善意で助けられる事は確かに多い。でも多すぎるといつも助けてる人といつもいつも恵んでもらってる人との差がどんどん大きくなるんだけどね・・・・・


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毎日仕事でいろんな人と接してると、笑顔で挨拶なんて得意中の得意にはなるんだけど、英語には「Hello. How are you?」というちょっと無神経な挨拶がある。

皆が、という訳ではもちろん無いけど、HelloGood morningの後にすぐ続けてHow are you?をくっつけて、まるでそれで一語であるかのように、何の意図もその返事を聞く意志もなく呪文のように言う人がけっこう多い。

How are you? と聞かれたら、余程親しい間柄でちゃんと事情を解ってる人を除いて、見知らぬ人への挨拶の時はお決まりのように「I'm fine」と答えるのだけれど、これもまるで意味が無い。ひどい時は、私がHello,,と言っただけなのにHow are you?も言ったものだと勝手に決めつけて、いきなりfine! fine...なんて答える人もいる。これはもうこっちの言う事を聞いてないんだからひどいもんだ。

無神経なHow are you? は、子供が欲しくて仕方ないのに体やその他の事情で子供ができない夫婦に、「子供は作らないの?どうして?」としつこく聞くのと同罪だ本当に相手を案じていないのならそんな事聞くなよ!と言いたくなる。
How are you?と聞かれただけでその場に泣き崩れてしまいたい人だっているのだ

あんまり何人も続くと、いっその事 How am I? If you really want to know, sit down with a pot of tea, then I will tell you. 私がどんな気分か? 本当に知りたいならポットにお茶でも入れてそこに座って。話してあげるから)って答えようかといつも思う。ちなみにうちの彼は「え〜、子供いないの?作らないの?」としつこく聞かれた時は「昔マウンテンバイクでとばしてる時に木に衝突してタマが潰れた」と言っていつも相手を黙らせている。実際しばらくの間本気にしてしまった人もいた。

もちろん中には本当にちゃんと目を見て「How are you?」ってしっかり聞いてくれる人もいる。そんな時はちょっと肩をすくめて「Not bad」と答える。そして「お天気さえもうちょっとよければね〜」とでも付け加えると相手も「こんな天気だから風邪ひきそうよ」なんて返してくる。これで初めて会話になるのだ。「Hello,how are you?」「 I'm fine」は会話じゃない。単なるフレーズだ。そこにはコミュニケーションは無い。でもこれがホンッとに多いんだよね。

まあ偉そうな事を言ってみても、私だって以前は気づかずに散々やってしまっていた 気軽にHow are you?と聞かれてしまう事がどんなに苦しいかを知るまでは・・・通りすがりの人の痛みなんて絶対に解らないものだ。だから本当に気がかりだった人に会った時だけ、ちゃんと相手の様子を尋ねるようにしている

学校や英会話スクールで習う典型的な基本あいさつ
Good Morning! How are you?
I'm fine, thank you. and you?
I'm fine, thank you.
なんて教えるのはやめればいい。挨拶は心のこもった「Good morning」で充分だよね。笑顔つきならそれ以上は言う事ないよ・・・・


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