見つけもの @ そこかしこ

ちょっと見つけて嬉しい事、そこら辺にあって感動したもの、大好きなもの、沢山あるよね。

January 2008


こ、、今年の予定だって立たないっていうのに・・・来年の芝居のチケット取りにこんなに苦労するとは!!

Donmar Warehouseという、その名の通り倉庫のような建物の中にあるスタジオスタイルのシアターが、今年の9月から1年間、Wyndham Theatreと提携して4作品の連続上演を行う。 このニュースはもう去年から言われていて私も楽しみにしていた。チケットの発売は1月28日。この4公演が凄い・・・

「イワーノフ」作・A.チェーホフ、訳・トム・ストッパード 主演・ケネス・ブラナー 2008/9月より

「十二夜」 シェイクスピア 主演・デレク・ジャコビ  2008/12月より

「サド侯爵夫人」 三島由紀夫  主演・ジュディ・デンチ 2009/3月より

「ハムレット」シェイクスピア 演出・ケネス・ブラナー  主演・ジュード・ロウ 2009/6月より

もうイギリスだけでなく、ヨーロッパ中から、、いや世界中から観客が押し寄せそうなラインアップなのだ。 各々の公演は3ヶ月位の限定で、おまけにこのWyndhamという劇場は実はキャパは750と小さめだ。 チケットの発売はおとといだったのだけど、来年までの予定とあって、カレンダーを睨み付けているうちになかなかまとまらず、今日腰を据えてチケットのオンラインに行ってみると・・・・なんと!!既にSOLD OUTの文字が出て来る出て来る・・・! ホントなのかなあ〜〜??と思っていろんなチケットエージェントのサイトもチェックしてみるけど、似たり寄ったりなので、ホントに売れてるらしい。(きっと海外の旅行代理店とかが買い占めてるんだろうなあ〜?ツアーとか組んじゃったりして!!)

一枚のチケットなので、それでも無くはないけれど、一番前とか2列目とかの座席ばかり出て来る。 この劇場は小さいんだけど舞台の高さが結構あって、前に観た時の席が舞台から3列目だった時、かなり辛かった記憶がある。 舞台前方に役者が立つと、180cm近い役者の顔を観るにはかなり見上げなくちゃならない。なんせ4公演、おまけに今年でなく来年の夏までの話・・・ 根気よく入力を繰り返して選ぶんだけど、やっぱり似たりよったりな状況だ。珍しく4演目とも日曜日の3時開演というのがあるけど、これぞまさにツーリスト向け丸出しじゃない、、! 日曜にやってる芝居はWest End中でほんの数本だ。(ヨーロッパからのコーチツアーで観に来る団体客が入るようなミュージカルとか)まあ、仕方ないか・・・・

決めろったって、来年の事なんて鬼が笑うくらいしか解んないので、適当に取り易い平日の夜と、日曜も混ぜてロイヤルサークル席を狙ってみた。 ロイヤルサークルは2階席っていうと聞こえは悪いけど、その名の通り貴賓席で、王室メンバーが来た時は、端のボックス席ではなくこのサークル席の真ん中にお座りになる。 Wyndhamみたいに小さめの劇場では、サークル席の一番前がStall(1階)席の真ん中くらいになるので、ずっと観易い。 適当な日をゲットして、まずはやれやれ・・・・尊敬しているDame Judyのサド侯爵夫人はうちの彼の分と2枚ゲット。(彼の来年の予定なんて全く解りませんが)Jude  Lawのハムレットは2日取ってしまった。ケネス・ブラナー はもちろん自分でもハムレットを演っているし、最初にRSCで出て来た時はローレンス・オリビエの再来とまで言われたものだ。 シェイクスピア作品はいつくも自分の監督で映画版も撮っている。その彼が演出してのハムレットがどうなるか・・・?

日本では3月が凄い事になっている・・! ホントはねえ〜3月後半のイースターにかけて16-7日位行こうと思ってたのよ、、、そしたらバッチリだったのに〜〜! 身毒丸の舞台がずっとある他に、16日には藤原竜也君となんと中村勘太郎さん、スケートの高橋大輔選手という顔ぶれでのテレビ番組がある。本当にね・・企画した人に座布団3枚はあげたいわ〜! 17-18日は2夜連続で「東京大空襲」のドラマで藤原君は3日連続テレビに顔出し・・・3月は映画の「明日への遺言」が公開されるけど、これも3月10日の東京大空襲を狙ってなのかな。この明日への遺言では竹野内さんがナレーションをやってるし、なんと17日は同じ時間帯の裏番組で竹野内さんがナビゲーターのドキュメンタリー番組だとか。 で、19日にはヴェニスの商人のDVDが発売で、22日には金城さんの「死神の精度」が公開・・・と、もう2度とあり得ないだろう、空前絶後の超ラッシュ!! 何でこの時期に日本に行かれないかね〜〜!! いや無理矢理行こうと思えばもちろん行けない訳じゃないけど、やっぱりいろいろ他の人の都合っていうのもあるしね、、、

竹野内さんは映画のナレーションに続いてドキュメンタリー番組っていうのは、これまた初めてじゃないのかしら・・・?ドキュメンタリーのナビって、やっぱり台本あるよね?? 演じてる時の彼は「良いな〜」って思って観るんだけど、素の竹野内豊さんは、自分の言葉でテキパキ発言するのはあまり得意じゃないようにお見受けしたのですけれど・・・・どうなんでしょう、、、って、もう番組は撮っちゃったんだから心配してもしょうがないわね。 余談だけど、ガラパゴスって私もほとんど南米の島としか知らなかったんだけど、去年(もうおととしか?)BBCが3回シリーズでガラパゴスをとりあげたドキュメンタリー番組をやっていた。 私は最初の回は見逃してしまったんだけど、BBCのこういった自然ドキュメンタリーものっていうのはものすごくクオリティー高くて、面白かった。

 で、日本行きはいつにしよう??ってこれもずっと決めかねている。4月はボスがホリデー取るし、ゴールデンウィークにかかるとフライト高くつくし・・・さっさと3月に決めちゃえば良かったのよね。あ〜あ、、、今日はカレンダーの夢見そうだわ・・・


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やっと5時頃まで薄明るくなってきて、「おお、陽が延びたよね〜」なんて会話をしているここ数日・・・
今日はバスで15分くらいのエリアにある森の一角へお散歩に。バスに乗って散歩に行くというのも変だけど、まあ、山登りに出かけていくのと似ています。我家は北ロンドンでも東寄り。バスでさらに東へ進み、貯水池を超えていくと、Epping Forestという広大な森に出ます。広さは約6000エーカー、南北18km,東西約4kmという、ロンドンエリアに於いては一番広い森です。

本当に森の中に入ってハイキングを楽しむためには、ちゃんとしたウォーキングシューズか、さもなくばウェリントンブーツと呼ばれる、いわゆるゴムの膝まである長靴が必要になる。イギリスはジメジメとした雨が多くて、雨じゃない日もカラッとする事が少ないので、森の地面はいつもグチュグチュなもので・・・ 私達はほんの端っこのほうを小一時間程歩いて、後は回りの街を歩き回るのがいつものパターン。

ROYAL FORESTお昼を食べるのはここ。その名もRoyal Forestというこの大きなパブは、一応ホテルという名称になってる。この100m程先には、昔からのロイヤルハンティングの為のロッジだった、「The Hunting Lodge」がある。この森が一般に解放されたのは150年程前の事で、それまでは王族、貴族専用のハンティング場だったのだ。で、一般に解放されるようになってからできたのが、このRoyal Forest Hotelで、今はもっぱらハイキングに行く人達や地元のファミリーが週末に集まる場所になっている。日曜の午後は思いっきり「ファミレス」の雰囲気。平日に来た時は静かで、ここでお昼を食べて靴を履き替えて森に出かけて行く、いかにもそれらしい人達がいて、「山小屋」みたいな雰囲気だったけど、日曜日はちょっと騒がしいなあ〜〜〜・・・・

やっぱり先週の雨続きから回複していないため、土はずるずる・・・・ 芝生の上を選んでしばらく歩いたけど、やっぱりハイキングは断念して、Chingfordの街を歩く事にした。このあたりの家は良い、、!!う〜〜ん、こんな家に住めたらなあ・・・と思いつつ、きょろきょろしながら歩いてしまう。 Rover Classic風見鶏付きの塔がある大きな家の前で見つけたのは、、、Roverのクラシックカー。ピカピカに磨かれてて、ちゃんと普段使っているみたい。ちなみにクラシックカーはRoad Tax(自動車税)の対象外なのです!窓に貼ってあったTax DiscにもちゃんとNil(ゼロの事)って書いてあった。(後方に広がるのがEpping Forest)

このエリアはChingfordの北側にあたる。駅前通りにはイタリアン、フレンチ、インディアン、チャイニーズ、スパニッシュ・・・とさまざまなレストランが並び、いくつかのポッシュなバーがあったかと思うと、いかにも田舎の村といった風情でローカルなお店や郵便局なんかが並んでる。 日曜日はお店も閉まっているところがほとんどで静かだ。鍼と指圧のチャイニーズのクリニックもある。都心までいつも出るのが大変だしお金かかるので、家から近いエリアにないものかと思ってたのだ、、、一度聞いてみようか・・・でもやっぱりいつもの先生が良いしなあ〜〜〜??

街はずれまで来た所で、ふと空を見上げると・・・・今日は雲が少なくて、上空はカラっとしてるみたい。そして、飛行機雲が何本も見える。Junctionこの辺はは、ちょっと南にLondon City Airportがあるし、Heathrowに向かう空路でもあるので、本当に上空はラッシュ状態だ。多い時は夕方なんて見渡しただけで10機くらい飛行機が見えるのだ。で、撮れたのがこれ・・・なんと3本の飛行機雲が交差した、星型のジャンクションです!!こんなにうまく交差してるのは見た事ないよね。

家に戻ってネットしてたら、今日は金城武さんの「死神の精度」の試写会だったんですね〜!おまけにトヨタのCMもオンエア中だそうで、ここへきてプロモーション開始してるようですね。中華圏で快進撃だった「投名状」は早速来週香港でDVDが出るし、(超早・・実はもう頼んでしまいました。楽しみ!!)日本ではもうすぐ「傷だらけの男たち=傷城」のDVDが出るようだし、当の金城さんは今はK-20の撮影中なわけで、なんだかあっちもこっちも掛け持ちで大変そう・・・・ 映画は撮影が終ってから上映のプロモーションまでが時間差があるから、役者本人にとっては一度「終った役」をまた思い出して宣伝するのも大変だろうな。でも行かれた方の感想に「キラキラしてた」というのがあったので、そうかあ〜〜まだまだ続くのか、キラキラ・・・・

4月に日本に行きたかったんだけど、ちょっと無理っぽくなってきた・・・ う〜〜今年は難かしいなあ〜〜 でもとりあえずは、来週に出る「投名状」のDVDを楽しみに待ちますか!!


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やっと携帯を新しくしました〜〜!

携帯とデジカメをどう使おうか・・・と考えて、あれこれあれこれ&あれこれあれこれネットで数日かけて検索し、カメラはコンパクトなのを日本で買おうと決めました。だって安いんですもの!! 日本で出た機種がこっちで販売されるのが、6~数カ月後。 で、目を付けたモデルの値段を見ると、日本のほうが40%近くも安い だったらやっぱりあと数カ月待って日本で新しい型のを買ったほうが良いよね。とりあえず3.2Mpのカメラ付き携帯があれば事は足りる。

日本の「暮しの手帖」のような、消費者団体が発行するWhich?という雑誌がある。毎月いろんな商品を比較、調査してお薦め(Best Buy)の製品を紹介している。もちろん携帯やデジカメも定期的にアップデートされ、スペック、値段、所有者の声、実験結果等がリストになっている。 これを元に、目を付けた商品を今度はネットでどこで買うかを検討するわけです。以外と穴場はAmazon。日本サイトもあるけれど、Amazonは本やDVDだけでなくほとんど何でもありで、もちろん携帯も。そしてコメントが多いので、実際に買った人の声が聞けるので良い情報源だ。

k800i今回新調したSony Ericssonのサイバーショット携帯は、実は2006年の秋に出たもので、特に新製品ではないけれど、結構根強い人気がある。 携帯のカメラ機能は3Mpあれば充分と決めていた。携帯で音楽を聴くつもりはないので、ミュージック機能は最小限で良い。(それでも音楽ダウンロードやら、FMラジオというのはどうしても付いて来る) 今まで使ってたデジカメが、Sonyの最初のCybershotだったので、スペックはこの携帯とほぼ変わらない・・・・ 今までの携帯もSony ericsson だから全体の使い勝手は良さそうだし、SIMカードは同じものを使うので特に面倒な事もないし。

ダウンロードしたE-mail設定の何が悪いのか、何度やってもメールに繋がらず、結局このMacで使ってるサーバーから新しくアカウントを取って(このサーバーは一件で5つまでアカウントが作れる)設定も全部マニュアルで打ち込んだ。 試す事3時間位かかってようやく成功!こちらは日本みたいに携帯でemailというのはあまり使われず、もっぱら電話番号に送るテキストメッセージが主流だ。携帯にメールサーバーの設定を初めてつけたのがやっぱりsonyだったっけ。

そんなこんなで昨日はなんと寝たのが3時になってしまった。さて寝よう・・・と最期にチェックしたニュースで、Brokeback Mountainで主演したヒース・レジャーが亡くなった事を知る、、、、びっくり!! まだ28だよ・・・・これからだったのに・・・・ この前は「The Client」で子役だったブラッド・レンフロが25で亡くなったばかりだ。ホントにね、、、薬なしじゃやっていけないのかしらね〜〜・・・残念です。

なんだかあっちこっちからの情報に追われてる、、、藤原竜也さんはそろそろ身毒丸モードに入る頃のようだ。ワシントンがもうすぐだからね・・・・ 映画カメレオンの公式サイトもできてる。予告観たけど、、、やっぱり、、、髭は似合わないなあ〜〜!! でもサングラスとセットで、蜷川さんも褒めた(驚いた)というヤンキースタイルを合わせれば、結構サマにはなるかも・・・後は演技力かしらねやっぱり。アクションものなのかしら・・・??逃げるのは身体軽そうだけど、闘うのはさてどんなものか・・?

死神の精度」の試写がもうすぐだそうで、原作本もやっと文庫になるみたいですね。「映画で話題になれば売れるのを見越してわざと文庫にしないのか?」とも勘ぐっていたんですけど、やっぱり映画と同時に文庫版にしたほうが売り易いよね。 金城武の名があっちこっちで出て来て、どれが本決まりなのか今ひとつ・・・ K-20の後は「鬼武者」という話あり、「鉄拳」という話あり、、、、、でもなんだかアクションっぽいのばっかりじゃない?・・・らしくないっていうのかな、、アクションゲーム物の実写を続けて2本っていうのは金城さんの選択枝にあるだろうか・・・?

「投名状」のDVDがもうすぐ出るし、夏には「赤壁」をオリンピック前にカンヌに出すつもりで監督は頑張っているらしい。 去年は「投名状」のポストプロダクションが間に合わなくて、ピーター監督があきらめたカンヌ・・・・赤壁投名状もイギリスでは何も聞こえてこないしなあ〜〜 Lust・Cautionの後に聞こえてきたのは、来月公開でジュード・ロウが出てるウォン・カーウァイ監督の「My blueberry nights」だ。ラスト・コーションの時に予告を観たけど、すごくらしかった ニューヨークのカフェっていうからちょっとモダンなイメージを浮かべていたのだけど、どうしてどうして、そこはやっぱりカーウァイワールドのようで、すごく「懐かしい」気分にさせられた。楽しみです。


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先週に続いて、また日曜日の朝一上映で「スウィーニー トッド」を観て来た。 うちのエリアにある映画館は、15スクリーンもある大型シネマなのに、ローカルの評判はよろしくない。 特に平日の3時以降ともなると、ローカルなガキ共・・・いや、中高校生たちがたむろしてしまって、床に座り込んで食べてるわ、グループで喧嘩になるわ、未成年なのにお酒を飲もうとするわ・・・で、地元の警察のやっかいになる事もしばしばなようだ。

だから私はもっぱら休みの日の朝一上映で見る事にしている。12時までだと£4-40(約1000円)で観られるし・・・ただ、静か過ぎるというのもちょっと寂しいもんがある。ほとんど人がいないし、先週のラスト・コーションの時なんて、2階の上映スクリーンに行く時、誰もチケットを切ってくれなかった。あれなら、外からチケット買わないで直接入っちゃってもよかったわ・・・・

さて、Sweeney Toddですが、、、ちょっと驚ろいたのが、18指定になっていた事。う〜〜ん、、、せめて15でもよかったんじゃないかと私は思うのだけど、やっぱりこの国の14-5歳ってキケンだから?? 確かにかなりBloodyで、後半の連続殺人シーンでは、思いっきり血糊が飛び散ってたけど。というより、「罪の意識なく、誰彼かまわずに殺していく」という心理設定が問題なのかな・・・・

名作といわれるミュージカルの映画化だ。私も含めて楽しみにしていた人は世界中で多いはず。しかもキャストもスタッフも揃ってるし・・・・ロンドンプレミアの後で、ジョニー・デップは「歌ったのは初めてだし、もうやらないかもしれない」と言っていたけれど、なかなか歌いこなしてるので感心しました。 もともとミュージシャンやってた人だしね。それでもソーンダイム氏の曲は歌うの難かしいんです・・・!! 舞台をそっくりそのまま映画化というわけではなく、省かれていた曲もあったし、ストーリーは全く変えずに舞台とは違うものに作り上げていた。普通、舞台の映画化っていうのは、色彩や場面に広がりが出て、もっと現実的になるものだけど、これはちょっと違った作風になっている。

全編青みがかったモノトーンな画面で、白黒ともまた違う、不思議な世界になっている。主役2人の白塗りメイクは現実的とはほど遠く、台詞(歌)回しも大仰な部分があり、それが帰って「物語」といった雰囲気を盛り上げる。 唯一太陽の光と現実的な色彩の入ったシーンというのが、ミセス・ラヴェットが2人の将来を夢見て歌う、幻想のシーンだ。この逆の色合いがとても効果的。

ジョニー演じるトッドは、ほとんど表情も変わらない。変わるとしても怒り、憎しみ、いらだちといった、ネガティブな感情表現によってだ。 笑う事はない。全体の暗いモノトーンも、人生の目的が復讐一色になってしまったトッドの心の表れなのだろう。喜びも、愛ももはや感じなくなってしまっている男・・・・

ヘレナ・ボーナム-カーターのミセス・ラヴェットも、ハマり役だ。監督が旦那だという事を差し引いても良いキャスティングだと思う。 舞台では日本でもイギリスでもちょっと華やかな人がやる事が多かったので、(昔には鳳欄さん、ロンドン・ナショナルではジュリア・マッケンジー)どうなるのかな、と思ったけれど、やっぱりヘレナは古典的な役がハマる。歌も演技も流石です。何より、ジョニーとの相性が良い。もう何作も共演してるしね。

実は彼女にもう17-8年前に会った事がある。 当時の私の職場にお姉さんと一緒に来たのだけれど、当時は典型的なEnglish Rose、古典的な上流階級な役ばかりやっていたので、可愛い顔立ちとは不釣り合いな低い声にちょっとびっくりした。 だから、ファイトクラブで一気に違うイメージで出た時は「クラシック畑から幅が広がるな」と期待したので、それ以後のバラエティーに富んだ作品での成功は嬉しかった。

新人の2人も目を引いた。19歳のJamie Campbell Bowerと子役のEdward Sandersの2人だ。 きっとこの映画の後、この2人にはオファーが殺到している事だろう。Ed Sandersはミュージカル映画「オリバー」でドジャーを演じたジャック・ワイルドを思い出させる顔立ちで、役者というよりは、歌のほうでトレーニングしてきたらしい。 そういえば今年またBBCが新しい舞台「Oliver」のオリバー役とナンシー役を探す大型オーディション番組をやる。エドもドジャー役で出てこないかな・・・・??

私としてはやっぱりこれは舞台のミュージカルとは同じだけど違う作品と思いたい。暗くてモノトーンなこの映画もすごくファンタジーな世界観で良かったけれど、やっぱり舞台での迫力ある音楽は聞けなかった。でもやっぱり「Sweeney Toddだから」という事でかなりの高得点になる事は間違いないだろうな。それにしても、パイレーツ・・・以来のジョニーの若いファンも多いだろうに、18指定というのがちょっと可哀想・・・・

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よく思う、、、この国(というよりヨーロッパ諸国)にあって日本には無いもの、それはヒーロー=英雄という存在だ。 Heroの定義は「強さと勇気も持って敵や困難と戦って打ち勝つ者、自己犠牲をはらって他人を救う勇気を示した者」といった説明がなされている。

2日前にヒースロー空港で起きた、あわや大惨事になりかねなかったBA機の事故・・・ ほとんど着陸態勢に入っていて、後は滑走路に降りるだけという時点でいきなり起きた事故だった。突然失速して滑走路の手前で胴体からドスンと落ちてしまった形で、空港脇の高速道路を走っていたドライバーによると、手が届きそうなくらい低い位置で空港内に侵入したという。 最初にラジオでそのニュースを聞いた時は、「滑走路に距離が足りずにクラッシュ」と言っていたので、てっきりパイロットの操縦ミスかと思い、一緒に働いていたA嬢と「考えらんないよね〜」と言っていたのだけれど、どうやら事情はちょっと違ったらしい。着陸直前に計器がすべてダウンし、エンジンも止まってしまったという事だ。

辞書には書かれていないもう一つの決定的なHeroの定義、それは、結果が良かった時、勝利に終った時にのみ誕生する。 今回の事故も、ともすれば全滅にもなりかねなかった状態で、一人の死者もなく乗客・乗員がすべて脱出に成功した事で、一夜開けるとパイロットはHeroになっていた。 まずキャプテンのPeter Burkill氏は44歳の大人の魅力あふれるクールな紳士。近所の人からは「ハンサムなファミリーマンで、いつもクールなジェントルマン」と言われ、同僚からは「緊急時に一緒にいられたら最高に心強い、冷静沈着で頼れる人」と信頼されている。 ジョージ・クルーニー似のこのキャプテンが、まず昨日の新聞のトップ写真となった。

HEROそして、事故調査のインタビューでキャプテンが、着陸の際に操縦桿を握っていたのはコパイロットのJohn Cowardだった事を明らかにすると、あっという間にこのCoward氏もヒーローになってしまった。 そして、冷静、迅速にすべての乗客を事故機から無事に脱出させたキャビンクルー達も・・・・・(真ん中がキャプテンのBurkill氏、左がコパイロットのCoward氏)

ヒロイズムというのは、何故か日本には存在しない。 アメリカのヒロイズムはちょっとあまりにも 陶酔 し過ぎで白けてしまう事が多いけれど、勝利と勇気、犠牲といったものに、ヒーローは付きものだ。 やはり、国同士で侵略、占領といった歴史を繰り広げてきた地続きのヨーロッパと、国内での天下取り合戦に終始していた島国日本との違いなのだろうか・・・? 毎年の戦没者記念の時にも思うのだけれど、勝てば英雄という扱いは、日本でマスコミがもてはやしたりするのとは、ちょっと質が違う。

飛行機事故は、助からない事のほうが多いと覚悟しなくてはいけない。 今回だって、滑走路を暴走して、他の飛行機にぶつかったかもしれないし、最悪の場合、空港手前の高速道路に落ちたかもしれないのだ。 むち打ちのような軽症の人が何人が病院に運ばれた以外は、死者も重傷者もなく終った着陸直前の事故としては、本当にラッキーだったとしか言い様がない。もしこれが大惨事になってしまっていたら、、、Heroの誕生は無かったと思う。同じように努力して、最期の力を振り絞っても、結果によってステータスが違ってしまう・・・・ 英雄といえば聞こえは良いけれど、ヒーローになった人となり損なった人との差はどれほどのものなんだろうか、、

新聞やテレビがヒーロー誕生に大騒ぎする中で、力及ばすにヒーローになり損なった人たちの事をふと考えた・・・・・


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数日前、帰ったら手紙がきていた。 NHSと封筒に大きくかかれてある。イギリスのNHSといえば、かつては「ゆりかごから墓場まで」なんて言われた健康保険制度の事だ。 医者にも行ってないのにNHSの文字の入った手紙が来る事なんて滅多にない。開けてみると、なんとNHSサービスに関するアンケートだった。 いったい何だって私のところに来たのかは神のみぞ知る、、、、きっとランダムにいろんなクリニックから登録してる人をピックアップして選んだのだろう。それにしてもまさに「ちゃんちゃらお可笑しくて、涙が出そう」な内容だ・・・・

* 過去6ヶ月の間にドクターにアポイントメントを取ろうとした事がありますか?
* ドクターとのアポイントメントは2日以内で取れましたか?
* 過去6ヶ月の間に何回ドクターにアポを取りましたか?
* クリニックに問い合わせの電話をして、すぐにそれ相応の人(ドクターやナース、)と話が出来ましたか?
* クリニックのオープニングタイムは都合が良いですか?

・・・・・ってな項目が延々と続く。へッッ!ざけんじゃねえよ!  と毒付きたくなるのをぐっと押さえ、眺めているうちに、もうあきれてどうでも良くなってくる。

はっきり言って答えはすべてNO  第一、ドクターにアポなんて取ろうとさえ思わないのが現実。こちとらフルタイムで必死に働く身・・・土日が休みのクリニックに行かれる時があるとすれば、自分が休みの火曜日しかない。でもそんなにタイミング良く具合が悪くなったりはしないし、第一アポを取ろうったって、いつも1週間位先まで一杯で取れないのだ。 1週間あったらほとんどの症状はすでに快方に向かってしまう、、、で、結局医者には会わずに自然治癒で立ち直る・・・・・

実は、もう1年以上前に受けた検査の結果がまだ来ていなかった事を、ついこの間思い出したのだった。 この検査、女性には3年に一度無料でしてくれる子宮頚管ガン予防の為のもので、ドクターではなくナースがやってくれる。ほんの10分程のアポなんだけど、タイミングが難かしい。Mid-cycle=つまり、女性にとっての身体の周期半ばに来て下さい、と言われる。 で、まずその頃に近い火曜日を予約しようとすると、一杯で取れない・・・仕方なく、とりあえず1ヶ月先の日を予約しておくと、何故か周期が狂ったりするので、またアポの取り直し・・・・というハメになる。 そんなこんなで数ヶ月かかってやっとナースにアポを取って検査してもらった。

ところが、それから3ヶ月位たって、GP(ホームドクター)から手紙が来た。てっきり結果だと思って開けてみると、なんと・・・採取したサンプルが充分ではなかったのでもう一度検査に来てください、という事だった。 またまた次のアポを取るまでに数カ月を要し、さすがにドクターからも「早く再検査を」というリマインダーが3通くらい来た頃にやっともう一度行ってきた。 それが考えてみたら2006年の11月だ。もう1年以上前になるけど、結果が来た覚えがトンと無い・・・!私自身忘れていた、という事を思い出したのだ。

再検査に行けなかった間、何度も催促の手紙が来たくらいだから、悪い結果だったらいくらなんでもドクターから連絡があるとは思うけど、タダより怖いものはない、の代表的なNHSですから、そこはなんとも判断し難い。 一応クリニックに電話して、結果が私のところに来てない事だけでも言っておこうか・・と思案していたところだった。(GPのほうには来てるだろうとは思う)

そこへもってきて、こんなアンケートに答えろって言われてもねえ〜〜〜・・・・ 余白に思いっきり何故答えがNoなのかを書き殴って送ろうかとも思ったけど、無駄な労力は省く事にしました。

今日の新聞に出ていたニュースで驚ろいた。もう10年くらい前の、大好きで欠かさず観ていた人気コメディードラマに出ていた女優のLeslie Ashさんが、3年前に下肢が麻痺状態になっていたのを私は知らなかった。 小顔でブロンドの洗練された綺麗な人で、実は私は一度会った事がある。以前働いていた職場に来た事があったのだ。可愛い人だった。

LA3年前に、夫婦での行為中にベッドから落ちて2か所を骨折、肺に穴があくという事故に合い入院。 ところが入院先の病院で、黄色ブドウ球菌に感染し、胸から下が麻痺してしまったそうだ。 3年かかって今は車椅子無しで、杖を付いて歩けるところまでにはなったそうだけど。 病院を訴えていたところ、裁判になる直前に交渉によって賠償金が成立した。以前のように人気女優としてやっていく事はできない、という判断の元、500万ポンドの賠償金を勝ち取った。 まあ、病院側が非を認めて、裁判前に過去最高額を提示したのは、ボロ隠しよりはずっと良いけど、キャリアも人生も壊されてしまった事に変わりはないわけで・・・・

いつまでドクターに会わずにいられるものかは解らない。でもホント、タダより怖いのがNHS医療なんです。 日本だったら、引き出しから保険証を出して、「ちょっと医者行ってくるね」って言って、風邪なら内科、捻挫なら外科、中耳炎なら耳鼻科にいけば専門の先生がいるわけで・・・・ それって、本当はすごく当たり前に心強い事なんだなあ〜〜

ちなみに私は11月に挫いた右足首がまだ治らない・・・ いつもの捻挫と違うカンジで、レントゲン撮ってもらったほうがいいかな、とも思うけど、何処へいけばいいのか正直解らないので行ってません・・・治るのかね、これ、、、???


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どうしても少しネタバレしてます。なるべく話の筋書きはしませんが・・・






今日は更新はパスのつもりだったんだけど、やっぱりちょっと追記・・・昨日の感想は 観てすぐ書いたもので、ちゃんと整理されてなかった様な気がする。長い映画だし、もうちょっと私なりの解釈をしてみた。あらためてトニーさん演じるYeeという男の側から考えてみると、やっぱり彼は彼女が反逆分子である事を知ってはいなくても、頭のどこかで常に警鐘が鳴っていたんじゃないかなと思ったもので。

トニーさんの目を思い出せば出す程、いつも彼女に執着しながらも警戒していた。 だから、最期に指輪を前に「今すぐ行って!」と言われた時に、すべてを理解して脱兎のごとく飛び出していく・・・・(ここのトニーさんの演技、すごく良い!

香港での夏が第一部だとすると、この時点でのWang達の行動はちょっと稚拙でまさにNaiveだ。 彼女がちょっと女優気分でYeeを誘惑していた感じがしたのも、あの学生達が若さゆえの思い込みに突っ走っている様子からだ。 本当の現実をまだ知らないゲーム・・・・だから、残虐な現実を目の当たりにした時、彼女は後も振り返らずにその場から駆け去るのだ。それが、後半の上海編になると、ゲームや冗談ではない現実になっていく。組織のコマとしての、命がけの使命だ。

Yeeがとても寂しい男だという事も、映画の随所で表現されてる。 奥さんとは当たり障りのない部分で夫婦でいるけれど、心が通じ合っている間柄ではない。彼が仕事で毎日誰かを処刑している間に、妻はマージャンとショッピングに毎日の退屈を紛らせている。(この妻もまた、寂しい人間なのだと解る)感情を失くして非情でいる事が日常のこの男は、実はそんな自分を爆発させる事のできる相手を心の隅で必死に求めていたんじゃないだろうか。 だから最初にWangをレイプした時に、振り返って自分を見返した彼女に手応えを感じたはずだ。この一瞬のトニーさんの表情のカットがいやに印象に残ってる。そして頭の中で警鐘を聞きながら、もっとのめり込んで行こうとする・・・・

Wangのほうは、もと動物的な部分でYeeとの交わりにのめり込んで行く。 それは愛とは違うけれど、知れば知る程にもっと求めてしまう本能だ。 彼女は初めから、無垢で純真な少女ではない。彼女もまた寂しい人間だ。お父さんに置いていかれ、その父は遠くで再婚し、自分の居場所が無い事を感じていたのだろう。演劇クループに加わって、初めて自分の居場所だと思ったのかもしれない。 Yeeには強く惹かれていたけれど、決して純粋な気持ちではなかった。そして贈られた指輪の純真な輝きに、初めてYeeを死なせたくないという事に気付く・・・。

2人の最期の決断は本当に寂しくて空しい。 彼は毎日仕事でそうするように、処刑執行の書類にサインをして、今までの激情は無かった事にしようとする。邪気のない指輪の輝きを見ながら・・・ そして彼女は、自分の最期の運命を、自分に居場所をくれた仲間達と共に死ぬ事を選ぶのだ。 愛し合う男女には決してなれなかった2人の寂しい結末だ。

昨日は、何度も見たい映画じゃないなあ、と思ったけど、もう一度見直してみると、また違った解釈が出て来るかもしれない。 日本語の予告編をみたけど、やっぱり訳で印象が違ったりするから、なおさらいろんな解釈があるかも・・・・とりあえずそれまで、この話はこれで切ります。


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昨夜は久しぶりのバーティーに行ってきた! 5つ星デラックスのフォーシーズンズ(Four Seasons Hotel)のNew Year Party・・・ やっぱりカメラ持って行きたかった〜〜! でも前述のように、私のデジカメがおかしくなってしまっていて、あきらめたのでした。今年のパーティーのお題は「Mid summer night's dream=夏の夜の夢」、、とはいっても、飾り付けやテーブルのデコレーションがそれっぽいっていうだけで、別に後は意味ないんですけどね。久しぶりに美味しいコースディナーとカジノやバーで遊んで、終電ギリギリまで踊ったのでした。

さすがに遅く帰って寝たのが3時過ぎだったから、本当は今日は寝坊したかったけど、行ける時がないかも、、、と思ったので無理矢理起きて映画を観てきた。 「色・戒ーLust Caution」。去年のベネチア映画祭で賞を取り、2007年度の中国・アジア圏の映画賞を総なめにしたアン・リー監督の映画だ。アン・リー監督といえば、Brokeback Mountainでベネチア映画際→ゴールデングローブ→アカデミー監督賞というコースで受賞したけれど、今回もあちこちでノミネートされている。 数日前に発表されたBAFTAの外国語映画のノミネートにも入ってる。ただ、ロンドン映画祭での上映の際、レビューが賛否両論だったので、どんなものか気になっていた。

日本での公開はまだみたいなので、ネタバレはなるべく押さえます。
長い・・・
2時間40分近くあるので、ゆったりした姿勢で観られる席をお薦めします。 あとは、日本語だと解らないけど、中国語映画の英字幕はどうしてもすごいスピードで変わってしまう。スクリーンに近過ぎる席だと、字幕を読む間、画面が目に入らなくなっちゃう・・・金城武映画でかなり訓練したんですけどね、「さあ、くるぞ〜」と構えていても、時にはあっという間に字幕が変わってしまうので、気が抜けない。そのうち速読の名人になれるかも・・・?

う〜〜ん、、とってもインテリジェントに創られている映画だ。 あちこちのシーンに結構心情の変化や疑い、とまどいといった心理描写の伏線があるので、ぼお〜〜っと観ていると見逃すかも。 2時間40分の全てのカットに意味がある。まずトニー・レオン演じるMr Yeeは比較的台詞が少ない。トニーさんはいつもは広東語の俳優だから、今回は北京語という事で大変だったとは聞いているけれど、少ない台詞の役だからこそ、1カットの絵が重要な意味を持つ。 役の上でも無表情なので、常に彼のが何を思っているかを考えながら観てしまう。やっぱりよく言われるように、トニー・レオンさんは目で演技するのが上手い。あちこちの国でカットになったり短くなったりしているベッドシーンだけど、これもMr Yeeという人物を描く重要なシーンだ。

自分の立場上どんな残忍な決断も下さなければならないこの男は、人を信用せず異常なほど警戒心が強い。 その彼がタン・ウェイ演じるWongに自分を少しずつ見せていくようになるのは、2人の最初のレイプ同然のベッドシーンからだ。 ハイソに見せているWongが、実は本性はそれほど洗練されているわけではない(not smart enough)事に彼は最初から気付いている。 そしてこの乱暴なレイプの時でさえ、彼女が嫌悪したり脅えたりする女では無い事を行為の最中に知る。彼女が振り返って目を見返すのだ。 この時から2人の中で何かが弾け出したんだと思う。

シーンとしては、ベッドシーンは3回しかない。あちこちの批評で、「カーマスートラに新しい数ページ」なんて書かれているけれど、激しく、でもとても美しく撮っているので違和感はなかった。(でも真似したら骨折するかも・・?)むしろそのシーンでのトニーさんの目がとても意味を持っているように思った。とにかくWongの顔を見続けるのだ。深く深く相手の中に入り込むような目で。それが後でWongが組織の仲間に打ち明けるように、彼女の心を揺さぶっていくのだ。

Wongを演じるタン・ウェイは新人とは思えないスケールの芝居をしている。 というより、私はこのWongという少女は、女優気分で自分の使命を演じていたのではないかと思った。学生演劇から反体制派という図は戦時中にはどこにでもあったものだ。まだ若くエネルギーにあふれた学生達はYee暗殺という大きなプロットに熱くなる。 でもWongは本当に愛国心や政治的信条からこの計画に参加したのではなく、はじめての舞台で大勢の観客からの反応に驚喜したのと同じような気持ちで、Yeeを誘惑して自分のほうに引き寄せていく喜びを楽しんでいたんじゃないだろうか。

これは恋愛映画じゃない。2人の間に愛は無い。あるのはLustとCaution。この映画に限っていえば、良い英題を付けたものだと感心する。ちなみに中国語では指輪の事を指戒と書いて、誓いの意味があるそうだ。指輪はこの映画の中で唯一イノセントな物として出て来る。WongがYeeを愛しているわけじゃない事は、映画の冒頭で観客は皆解っている。だからこそ、この2時間半を超える長い映画の流れの中で、主役2人の心の探り合いを楽しむ事ができる。

Yeeが途中で彼女の正体に気付くのかと思って観ていたけれど、かなり用心深く彼女を観察しているようなカットはいくつもあったけれど、最終的には彼は「全く知らなかった」のだと解釈した。 にも関わらず、ほとんど躊躇もせずに残忍な態度で処刑の書類にサインをしてしまう所が、このYeeという男の悲しい性質なのだ。 ちなみにトニーさん、さすがにアップになるとちょっと歳とったなあ〜・・・と思わざるを得ないけど、身体は綺麗に絞ってあった、、、すごく減量したとか。

何度も見返す感動作とは思わなかった。でも良作か駄作かと聞かれたら、私は「かなりの良作」と答える。 。他の学生仲間達も皆良い。特にグループリーダー役のワン・リーホンの演技は、使命感の下で感情を押さえている若者の微妙な心理がよく見えた。イギリスでの批評にはかなり手厳しいものもあったけれど、監督はかなり細かい部分も意図して創っているのがよく解っただからこそ、ぼ〜〜っと観ていると、見逃してしまう映画だ。伏線を見逃さないキーポイントは、

 初めから女は男を殺そうとしているという事。
* 男が女に引かれていくのは、彼女がハイソな女だからではなく、女から得体の知れない野性動物のような匂いを嗅ぎ取ったからだという事。
 戦時中で、あっちもこっちもイギリスやら日本やらに支配されている抑圧された中国での話だという事。

去年はアジア圏で賞を取りまくった映画ですが、イギリスでは18指定でマイナーな公開です。(そのかわりカットは無いようでした)日本での評価はどうなるでしょうね・・・・

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カーテンを洗ったら、、、縮んだ・・・・

それも全部じゃなくて、いわゆる裏地のほうはそのままで、表地の柄の方がすこーし縮んでしまった。 入り口のドアを全部隠してるカーテンなので、長さがあるから手洗いはきつい。洗濯機の設定を「Delicate」にして、水の温度もぬるめにして洗い、干す時も一生懸命に手でパンパン延ばして干したのに・・・・ 表地の下から少し黄ばんだ色の裏地が覗いて、これって、、、まるで、、、

あれよ、、、

シミチョロ・・・!

この単語が頭に浮かんだ瞬間、思いっきりレトロな気分になった、、、そんな言葉あったよね〜〜!
まさしく今や死語! 

やっぱりね、長く外国に住んでしまうと、どうしても日本の「」に追い付かない部分がある。 自分の好きな事、興味のある事に関しては、インターネットで時には日本にいる友人達より早く情報をキャッチしてしまう事だってある。 でも流行り物に関してはやっぱりうとくなってしまう。日本の新聞や雑誌を読む事はないし、テレビをタイムリーで観られるわけでもない。思いっきり古臭い単語を口にしてしまう事がある。

今はローカルな郊外に引っ込んだから、日本語を話す事は殆どないけれど、前の会社では日本の若者達と一緒だった。  日本から来た若い社員の人や、アルバイトで手伝ってくれる学生の人達はなかなかシャープで、私が「ナウい」なんて言おうものなら、すかさず「まやさん、今何て言った〜?」と突っ込まれた。 「ブイブイいわせる」あたりまでは結構ついていってたんですけどね・・・・(おいおい、いつの時代だよ?って?)

もう10年近くも音信不通だった人と、本当に久しぶりで連絡が取れた。最期にもらった年賀状の住所を頼りに思いきってクリスマスカードを出してみたら、無事に届いたみたいで書いておいたメールアドレスに早速連絡してくれた。 彼女は私のかつての文通友達ペンフレンドだ。 

きっかけは台風だった。 沖縄が大型台風で大きな被害を受けた時に、私の通っていた学校が生徒達から物資をつのり、本や文房具や古着といった類いの物を学校から沖縄の小学校宛に送ったのだ。その時に生徒達が各々手紙を書いて同封し、それが相手側の小学校の生徒達にランダムに渡されたらしい。向こうの生徒達も受け取った手紙に返事をくれて、それがたまたま私に渡された。当たりくじのように私の元に届いた彼女からの手紙・・・・それ以来、ずう〜っと彼女は私の文通相手として、いつも私の人生に存在した。

初めての手紙の時は確か小学校の3年生。それからコンスタントな文通は二十歳を過ぎるまで続いた。 学校の友達とも近くの人とも違う形で、一度も会った事のない彼女は私の特別な友達だった。 でもいつしか私は芝居の生活に忙しく、彼女は結構早く結婚して、いつの間にか文通は途絶えてしまった。私がイギリスに来てからは本当に長い事、御無沙汰だった。 それが今になって文通友達からメル友になれた事が嬉しくて、新年早々小躍りしてしまったのです!

それにしても文通なんて言葉こそ、今や死語と言って良いよね〜! ペンパルって言うの? でも一度も会った事がなくても文字を通じて気持ちが伝わる事って多いと思う。本当に相性っていうのかな、、、彼女とはウマが合って、だから身近にいる誰とも違う特別な友達として、本音を手紙に書けたんだと思う。 文章って怖いよね。こうしてブログをやっていても、文を通じて私という人間を読み取られてしまってるんじゃないかと思うとちょっとコワイ・・・

毎日の仕事の一貫に目の視野検査がある。この検査は片目ずつ行うのでアイパッチで片目を覆う。 緊張してしまうと結果に影響する事もあるので、リラックスしておしゃべりしながら片目をパッチで覆うのだけれど、この時の患者さんのコメントで世代が別れるのだ。 レトロな世代の人達は「キャプテン・クック=Captain Cookだね」と言う。そしてもうちょっとモダンな世代の人は、「パイレーツ・オブ・カリビアンみたいね〜」」と言うのだ・・・!このジェネレーションギャップは結構顕著だ。

私・・・?もちろんPirates of caribbean世代でございます!!(ホントかよ〜〜??!)

それにしてもね、日本って国はいわゆる流行の変わりが本当に早すぎるのよね。節操が無さ過ぎるっていうのかなあ〜? もうちょっと個人の主張を持っても良いんじゃないかなって思うのです。右へならえ!の日本ですから、まああまり期待はしませんが、今や死語になった日本語を話してもいいじゃない? それが自分にとってのしっくりくる言葉ならば・・・ 「おばさん、良い加減にしてよ!」なんて言って欲しくないのよね。

かつての文通相手の彼女とも、これからはメル友としてまたちょくちょく連絡し合えるのが嬉しい。本当にテクノロジー様様です!

文通再開だ〜〜!


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あまり世の雑学には長けていないうちの彼が、「ロンドンのタクシー(Cab)はいつでも干し草の俵を乗せておかなくちゃいけないんだ」と言う・・・・
はあ〜?、、なんのこっちゃ?! と聞き返すと、ちょっと得意げに「知らなかったの?」ときたもんだ、、、

ロンドン名物のタクシーの前身は馬車だ。17世紀に公共の乗り物としてHackney Carriageが登場する。 料金を払って行き先まで行ってもらう馬車はあっという間にポピュラーになり、今でいうタクシー乗り場のようなものもできた。タクシーの事をキャブ(cab)と呼ぶのは、19世紀初めに出てきたCabrioletというタイプの名称からきている。taxi大きな2輪の2人掛けの車両は軽く、乗り心地も良くなりスピードも出るようになったタイプだ。

実は、今でも法的なタクシーの正式名称は「Hackney Carriage」になっている。そして1831年に制定されたHackney Carriageに関する法律に、馬に与えるための干し草を常時積んでいなければならないという項目があったのだ。 その後、馬がモーターエンジンに発展した後も、この法律はそのままタクシーに適用されてきたという訳だ。調べてみると、さすがにこの項目は1976年に撤廃されている。(それでも1976年まであったんだね)でも、キャブの運ちゃんの中には、今でもジョークでブーツ(トランク)の中に藁を入れている人もいるそうだ。→イギリス式ユーモアです。

法律の中には、200年以上も前にできてから改正も正式に撤廃もされていない項目が沢山あって、現存する法律の中にかなりおかしなものがあるようだ。

少し前にあるテレビ局がアンケートを取った「イギリスおかしな法律」の第一位に選ばれたのは、「国会議事堂=The House of Parliaments内で死ぬのは違法」というもの。 Big Benで有名な国会議事堂は実はWestminster Palaceという王宮の一部なのだ。今は王族は居住していないけれど、建物は王宮として扱われている。そしてロイヤルパレス内部で死んだ者は、国葬によって葬られる権利があるのだそうだ。そんな権利をふりかざされては大変なので、議事堂内で死んだら罪人という事にしてしまおう、という法律だ。

他にもまだまだある・・・

* 死んだクジラがイングランドの海岸に流れ着いたら、頭は王(King)の物となり、尻尾は女王(Queen)の所有物となる。

* 女王(国王)の顔が入った郵便切手を上下逆さに貼るのは反逆罪。
 →これと似たのが、ポンド紙幣の女王の顔の部分に落書きしたら犯罪というのも聞いた。

* 甲冑を着て国会議事堂に入ってはならない。

* 税金取り立て人に、知られたくない事を言わずに黙っているのは違法。でも知られても良い事を黙っているのはかまわない。

びっくりしたのは、
*クリスマス当日にミンスパイを食べてはいけない。→だって、mince pieはクリスマスシーズンの代表的なお菓子で、(私は好きじゃないけど)お店でもずら〜〜っと並んでるし、みんな自分で焼いたりしてるのに!!クリスマス当日にはダメだとは・・・

全国法ではなく、各地方の自治体で設定された条例にもなかなかの物がある。
ビートルズの出身地で知られるリバプールでは、熱帯魚販売員以外の女性が、公の場でトップレスになるのは禁止。 もっと怖いのもある・・・古い城壁後が今も残る大聖堂で有名な北の街ヨーク(York)では、城壁内部、つまりは市内に於いて弓矢を持ったスコットランド人を殺しても罪にはならない。

まあ、今だから馬鹿げているとはいえ、設定された時代の社会背景を考えるとそれなりの理由があっての事だったんだよね。これらが長〜〜い間改正されずにいたのは、まあ害にはならない法律だからって事なんでしょうかね。 仮装パーティーに誘うふりをして、弓と矢を持って集まろうなんて呼び出して殺害・・・なんて事件が起きたらどうするのかとも思ったけど、今じゃスコットランド人っていう定義が事実上無いわけだし。

他にも探せばどんどん出てきそうなイギリスです。

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