見つけもの @ そこかしこ

ちょっと見つけて嬉しい事、そこら辺にあって感動したもの、大好きなもの、沢山あるよね。

てんこ盛りの週末


いやはや、なんだか先週末からいろんな事があるイギリスです

先週の金曜から日曜日まで、3日間に渡って繰り広げられたエリザベス女王の90歳のお祝い 。彼女の本当の誕生日は4月で、その時期にもお祝いがされ、ウィンザー城で盛大なセレブレーションイベントがあったのだが、女王には6月にもOfficial Birthdayというのがあって、今回は金曜日のSt.Paul大聖堂での礼拝に始まり、土曜日には馬車でのパレード、そして日曜日は盛大なストリートパーティーが催された
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バッキンガム宮殿から正面にまっすぐ続くThe Mall(ロンドンマラソンのゴールへの直線コースとしてもお馴染み) には女王がパロトンを勤める600ものチャリティー団体関係者を中心に1万人が参加。ロンドンだけでなく、英国各地でストリートパーティーが開かれたようで、ほぼ一日その様子をテレビ中継していた。

このストリートパーティーというのは、とってもイギリスらしい行事で、文字通り道にズラ〜〜っとテーブルを出して飲み食いするというもの
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これをいつ雨になるともしれないイギリスでやるのだから興味深い。この日曜日も朝から雨、、、The Mallでの参加者は其々にバスケットに入ったランチハンパーが配られ、この中身がなんとも豪華!!サーモンのテリーヌに始まって、4種のサンドイッチ、メインディッシュ、ミニケーキ、デザート、ポークパイ、、、とイギリス国産の材料を使ったハンパーは王室御用達のM&S(Marks & Spencer)の特別版だそうだ
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王室メンバーを人びとの視界から遮らないように、との事で傘の持ち込みは禁じられていたそうで、みんなビニールのポンチョをかぶってそれでも楽しそうなのがイギリス人なのだ、、、
幸いエリザベス女王とフィリップ殿下がオープンカーで出てきた時には雨は上がっていた!これも凄い目立つようにと配慮したらしい濃いピンクのお召し物の女王陛下は本当に嬉しそうだ。

4月から始まってまだ続く誕生日祝いを「これで12月になってもまだHappy birthdayが歌われていたらどうかしらね」とスピーチの最期にユーモアを交えておっしゃったけれど、90歳の陛下にとっては3日間続けての行事は本来なら大変だよね。丁度土曜日はフィリップ殿下の95歳の誕生日でもあった。お二人とも人の手も借りずに歩かれて、本当にこのまま100歳の誕生日をお祝いできるんじゃないかって気がしてくる。

週末にはフランスでEuro杯が始まって、こちらも連日の盛り上がり

イングランドはドロー発進だけれど、なんとさっそくロシアとイングランドのサポーターが暴動騒ぎを起こして、なんとも気が気じゃない雰囲気だ。開催国のフランスは半年前のテロからの緊張が続く中、警察や軍隊を導入して警備に当たっているというのに、これはまずいでしょう・・・イングランドVロシア戦の終わり近くでドーン!っていう音がしたのはテレビでも解ったから、一瞬「何の音!?」と思ったら、ロシアのサポーターがフレアーガンを打ち上げたらしい。その後はロシアのサポーターが柵を乗り越えてイングランド支持席に乱入して大混乱に、、、

まだ初戦だというのに、ロシアと共にイングランドチームも「これ以上暴動が起きるような事があったら失格にする」との警告を受けてしまい、監督のホジソン氏とキャプテンのルーニーが揃ってファンに「トラブルにかかわらないで」と呼びかける羽目になってしまったこんな事で選手達の集中力に水を差すなよ〜〜!!
大きな国際試合しかフットボールは観ないのだけれど、アイルランドのプレーが凄く開放的だったり、昨日のイタリアとベルギー戦では壮絶なボールの奪い合いが見られたりして、イングランドだけじゃなくて盛り上がる。開会式もとってもポップでフレンチだったし・・・

もう一つ、毎日のようにやってるのが、23日に行われるEU残留・離脱の国民投票に向けての討論番組だ
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もう毎日いろんな組み合わせで議員達がテレビに出ては大激論。スタジオには老若男女の観客が集まり、手を上げてはかなり辛辣な突っ込みを入れたり現実的な疑問をぶつけたりしているのだが、やっぱりこれがどうしても双方の言い分に決め手が無い。これはもう「どっちの道に賭けるか」という事なのだね。どっちに転んでも、政治家達が息巻いているような未来図はそのまま信用する事はできない。つまりは、「誰にも本当は良く解らない」という事なのだ

このままEUクラブに所属して部費を払いながらやっていくのか、独立した事務所で自己マネジメントしていくのか、という事だ。本来のイギリスらしいのは後者なんだけどねえ〜〜、、でも80年代以降生まれの世代には、もうそういうイギリスらしい独走的な個人主義気質は失われてしまっているようだし、、、
逆にいうと、それこそがアイデンティティーの喪失という事で、危機感を感じている人も多い、、

世論調査は互角のようで、でも今月に入ってからにわかに「離脱優勢」という声も出始めている。カメロン首相は思い切り焦っているのがモロ解りで、声を大にすればする程必死さが強調されて説得力が無くなっているようにも思える

まあ、あと10日はイギリスの夜テレビはユーロ杯とEU投票の話題で続くのだわ、、、、、

 

Sell your soul--Doctor Faustus


ファウスタス、ファウスト、、、ゲーテの戯曲やトーマス・マン、さらにはオペラや映画、、と、何度も語られて来た「ファウスタス博士」の話。悪魔に魂を売ってこの世に於けるあらゆる快楽や名声を手に入れようとした男の話は古くからヨーロッパ各地にあった逸話が元になっていると言われる。
今回はクリストファー・マーロウのDoctor Faustusだというので、是非観たいと思って 早々にチケットを取ってあった。
 
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最初に記録されているファウスタスの話は1587年にヨーロッパで出版され、英語訳がイギリスに入ってきたのが1592年という事だ。そしてマーロウが初めて戯曲にして上演されたのが1594年という事だから、数あるファウスト劇の中でもこれが最も古い芝居という事になる。「古典で神秘的でマジカルな芝居」を期待していたのだけれど、、、これが全く期待していたものと違ったのよ

まず私が知らなかったのは、ファウスタスを演じるKit Harringtonという役者が、人気シリーズ、Game of Thronesで人気者になった人だという事。そして初めは気がつかなかったのが、脚本にChristopher Marlowと一緒にもう一人、Colin Teevanという名前が並列されている事。さらに賭けだったのは、演出がJamie Lloydだという事だ・・・・ Oh My Goodness!!

古典的な背景は全く無しにして、舞台は現代のジョン・ファウスタスのアパート。ファウスタスはフッド付きのジャケットを着たミュージシャンを目指す男という設定。開演前からロックが流れていて、なんか雰囲気が違う。さらに劇場に着くや客層の違いが目に付く。なんとなくミーハーなお客様が沢山いるのだ。アメリカンな英語もあちこちで聞こえるので、これはロンドンまでキット・ハリントン氏を観に来た人達か、、??とちょっと驚いてしまった。

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「悪魔に魂を売る」という事を現代に置き換えるとはどういう事なのか??

この脚本は悪魔と契約をする辺りまではいいのだけれど、中盤のストーリーを全く違うものに差し替えている。つまりそれがColin Teevan氏による本という事なのだ。ファウスタスは魂を売って、ミュージシャン/マジシャンとしてセレブな地位を手に入れ、ラスベガスで大成功する。まあ、魂を売って名声を、、の現代版という事ならセレブに置き換えるのが一番解り易いよね

一幕での神や天使達はみんな下着や素っ裸の格好で、なんだかゾンビのような感じなのだ魂が無い、という事を表しているのだろうか。そしてロイド氏の演出でお馴染みの地響きのようなノイズがず〜〜と鳴っている。ロイド氏の演出は私が今まで観たものでも好き・嫌いが別れてしまう。斬新な解釈と挑戦的な演出は、大好評の時もあるのだけれど、彼は「汚す」のが大好きらしい。今回も舞台にはいろんな物が散り、血が吹き出したり、役者の口から白い物や黒い物が吐き出されたり、果てはう○こ(?)を食べる場面まで出てくるのだ・・・・舞台も役者の衣装もどんどん汚くなっていく。

 Running until 25 June 2016 CREDIT Marc Brenner

キット・ハリントンは悪くないけれど、まず声が半分擦れている。潰れるまではいっていないけれど、擦れがちな声を響かせようと発声すると滑舌が前に出てこない。最初の3分で、「ああ、台詞が聞き取り難い」と思ってしまった。その上にゾンビもどきがゾロゾロと登場し、パンツ一丁のルシファー(悪魔)にスッポンポン(全裸)のコーネリアスが出て来て、違和感満載だ。ルシファーのメッセンジャーとしてファウスタスの元に来るメフィストフェレスは女性が演じている。原作では召使い役のワグナーも女優がトロイのヘレンの役割も兼ねていて、まともな人物は彼女だけだ。

悪魔と契約後のファウスタスはオリジナルとは全く違って、ショウビジネスの世界になる。大統領や政治家が登場し、セレブの世界でもっとのし上がろうとするファウスト。エアギターを披露し、マジシャンとして盛大なショウを展開する。テレビシリーズの「ゲーム・オブ・スローンズ」で人気俳優になったキット・ハリントンをショウビジネスのセレブにのしあがったファウスタスに起用したのは面白いけれど、彼自身は力のある役者だと思うので、なんだか皮肉印象になってしまったのが残念。

終盤はまたマーロウのオリジナル戯曲が中心になるが、最期に献身的だったワグナーを刺し殺した上にレイプという、これまた残虐なシーン・・・・もちろん、こういった演出は挑戦的だし、問題提議の意味もあるのだけれど、やっぱり私は汚くて耳障りな舞台は好きじゃないな・・・アングラというのとも違う。グチャグチャ・ドロドロで雑音のようなリズム音の意図が伝わらないのよ。マーロウの台詞はシェイクスピア時代の古典英語で、中盤は現代英語というのも、その使い分けの意図が解らないし。

光っていたのはメフィストフェレス役のジェナ・ラッセルだった。ツンツンショートヘアーにシュミーズ姿というメフィストなのだが、支配的になったり低く忍び寄るような声で誘惑したり、主役のファウスタスよりも光っていた。彼女はシンガーとしてコンサートツアーもやったりしているそうで、2幕の幕開けにはクリフ・リチャードのDevil WomanやミートローフのBat out of Hellを歌って、これが素晴らしかった。 

ジェイミー・ロイドの舞台はいつも注目されるし、実際に高い評価を得たものも多い。賞も取っているし、ジェイムス・マカヴォイを起用した「マクベス」も絶賛された。でも今回は、なんとなく意図外れな感じがする。ちょっと各新聞の劇評をチェックしていたら、どれも2つ星、、、、そうだよねえ〜〜。挑戦的な絵を描くつもりが、汚い落書きになってしまった、という印象だ。

仕方が無い、マーロウ戯曲の「Doctor Faustus」はまたの機会を楽しみにするとしましょうかね。そういえば、数年前に蜷川さんも舞台にしたんだっけ。観られなかったけれど、野村萬斎さんはじめ、強力なキャスティングだったはず。DVDの話は聞いていないから解らないけれど、きっと全く違う舞台だったんだろうな〜〜。蜷川さんといえば、どうやら来年追悼公演があるらしいので楽しみにしましょ

Celebration of Life


もしかしたら、、、とは思っていたものの、やっぱりとても残念なニュース、、、蜷川幸雄さんが亡くなった。今までも何度も入院して、心臓には以前からペースメーカーが入っていたし、それでもいつも舞台に返り咲いては年に何本もの作品を創っていた人なのに・・・・去年からは車椅子だという事だったし、ロンドン公演の「ハムレット」「海辺のカフカ」にも随行していなかったのは気になってはいたけれど、「公演が延期」と聞いた時は、「う〜〜ん、、、??」と思ったのです、、、、

本当に、今、舞台をしっかりやれる日本の役者で、蜷川さんの舞台を経験しなかった人はいないんじゃないか?と思うくらい、ベテラン、新人にかかわらず大いなる情熱で体当たりの演出をしてきた人だ。蜷川舞台のスタッフを数年していた友人からは、いろいろな武勇伝(?)も聞いていたが、とにかく芝居と役者達を愛していたという事がよく解る。 

世界にも誇れる日本の演出家として、こちら英国でも決してお世辞ではなく、彼の作品はいつも高く評価された。「映画のクロサワ」「舞台のニナガワ」は日本が誇る文化遺産だ。これからの日本の演劇は蜷川幸雄を知らない若手俳優が増えて行ってしまうのか、、、どうなる?!という危機感もある。蜷川さんの情熱を直に受けた人達が、どうか次の世代にその情熱と芝居への愛と欲を伝えていって欲しい。

今年は本当にどうなっちゃってるんだろうね。年明け早々にデヴィッド・ボウイーが逝ってしまい、俳優のアラン・リックマン氏、そしてテネリフェ滞在中に聞いた、プリンスと、イギリスでとても愛されていたコメディアン女優=ヴィクトリア・ウッドさんの訃報。そして今度は蜷川さん・・・・

昨日はこちらではエリザベス女王の90歳の誕生日を祝う盛大なイベントが開かれた。女王の本当の誕生日は4月21日なのだが、何故か毎年「Official Birthday」というのが6月にあり(気候の良い時だからかな?)バッキンガム宮殿のバルコニーにお目見えしたりする。今年の誕生日は名だたるアーティストが歌うステージと同時に、コモンウェルスの各国からも主に軍隊から騎馬隊や楽団が集まり、昨夜のイベントに登場したのは総勢900頭の馬達!!
まあ、女王陛下も90歳、夜の7時を過ぎてからのイベントで2時間以上も退屈されないように、と考えると当然彼女の好きな物で、かつ目を見張るものが必要なわけですが、、、

馬車から降りるときも手を借りずに一人で歩かれ、曲芸のような馬術や歌と音楽に楽しそうに拍手を送っていた姿は相変わらずチャーミング。さらにその女王の後ろを相変わらず背筋を延ばして歩いているフィリップ殿下は94歳なのだから、本当に驚くばかりだ

90歳という事で女王と同じ年齢なのが、デヴィッド・アッテンボロー氏だ。イギリスの誇る動物学者で、60年に渡って創り上げて来た自然を題材にしたテレビシリーズは、LifeシリーズPlanet シリーズ等、日本でも放映されているものも多いはず。英国では、彼の番組を見ないで育った子供はいないといってもいい。チャーミングでソフトなナレーションは耳に心地よく、今でも勢力的に番組製作に関わっている。

どんどんいろんな人が逝ってしまうと、どうしても気になるのがこのお二人だ。どちらも90歳。今はまだお元気とはいえ、やっぱりそう長くはないのか、、、と思うと、この二人のいないイギリスなんて考えられない

一度だけの人生で、自分の足跡を大きく残していける人は数少ない。逝ってしまった人達も、まだもう少し頑張って欲しい人達も、心から贈りたい、Celebration of their lives!!

それにしてもちょっと気になっているのが、去年日本で再演された「NINAGAWAマクベス」だ。里帰りの時だったのだけれど、こちらサイドの話で、ロンドン公演するだろうとの事だったから、それならロンドンの観客と一緒に観ようと思っていたのに、その後の情報が無い、、、イギリスでも女王からCBE(Commander of British Empire)の勲章をもらっているSir Yukioなのだから、蜷川の名を一気に覚えさせた究極のシェイクスピアで、追悼公演をしてもらいたいのだけれど・・・・・


 

Tenerife! ー山ー


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テネリフェホリデー第二弾は山編です

この島にはPico del Teide=テイデ山という大きな火山があり、高さも丁度富士山と同じ位(ちょっとだけ富士山の勝ち)で、頂上の突き出し具合の形も富士山に似ている(写真の最後方)。前に隣のグラン・カナリア島に行ったときに、飛行機の中から見えて、そのときの角度から見たこの山は、富士山にとてもよく似ていて懐かしくなった。テイデ山とその周辺は世界遺産に登録されている。 見る角度によって形は変わるけれど、雲の上に頂上がぽっかり出た様子は本当にテネリフェ富士と名付けたい

滞在したのは海辺だけれど、この島は山が多いので、ウォーキングにも最適だ。バスで30分も行けばどこからでも気軽なハイキングや本格的なトレッキングが楽しめる。あまり無理はしたくなかったけれど、行ってみたかったのがMascaという所。ここは70年代に道路が通るまではほとんどアクセスの無かった山間の村で、現在でも村の人口は100人に満たない。最近ではここからMasca gorgeと呼ばれる峡谷を下って下の海岸まで降りて行くコースがツーリストの人気になっている。でも今回はこのトレッキングは無しにして、(ものの本では歩く人のレベルによって所要時間2時間半から4時間となってる)とりあえずMascaの村に行ってみたかった。そこからの景色が絶賛されていたので、、、、

最初のバスは30分程でかなり山を上り、バスを乗り換えたら15分程でマスカに着く予定だった、、、が、予定は未定、、、なんと!!私たちは2時間に1本の二つ目のバスにタッチの差で間に合わなかったのだ 最初のバスを降りる所を一つ間違えて、(バスは降りる所が解らないのがミソ)歩いて戻っているうちに、行ってしまった、、、マスカへ続く山道を上っていくバスを呆然と眺めながら、とりあえずカフェでお昼を取って、次のバスを待つよりも、いっそマスカまで歩こうという決断をしたのだった。山を一つ越えることになる。 
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こんなジグザグした道をテクテクと延々登っていると、車やコーチ(トレッキングに行くツーリストだろう)の人達は皆「何でこいつらは歩いてるんだ、、、??」と言わんばかり。直線距離なら 2キロも無いくらいなのに、クネクネクネクネとヘアピンカーヴが続くものだから、あそこに見えてる村まで辿り着けない・・・・。それでも景色は抜群で登りきったご褒美といえる。初めて天然に咲いてるサボテンの花を見た。今まではどこかのガーデンや植物園でしか見た事なかったよ。

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結局山越えには1時間45分かかって、マスカに辿り着く。山に挟まれた小さな村。渓谷の向こうに海、そして海の向こうはLa Gameraという島が見えて、これぞ歩いた甲斐があったというもの。それでも次のバスを待つより早く着いたからね〜〜。

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本来はマスカでちょっとゆっくり時間を使いたかったのだけれど、バスで15分の予定が歩いて1時間45分になってしまったもので、着いたら帰りのバスまで45分しか無い とりあえずはお茶をして、後は村を少しだけブラブラして景色を楽しんだ。まあ、ゆっくり回っても村だけなら1時間で足りただろうから、これも良しとする事にした。峡谷トレッキングはしなかったけれど、充分歩いたし、それだけでかなり日焼けしてしまったよ・・・・

眺めの良いカフェでのひと時は別世界だった。ちなみにテネリフェでは「カプチーノ」を頼むと泡の立ったミルクじゃなくてクリームが乗ってくる。
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これって日本だと「ウィンナーコーヒー」と呼ばれる代物にそっくりなのだが、、、、このあまり甘くないクリームの下は濃〜い エスプレッソで、ほのかな甘みとコーヒーの苦みが絶妙なのだ!!ご当地ビールのDoradaと共に私の日課になってしまった

海も山も楽しめるテネリフェ、ローカルバスの時間調整にかなり苦労したけれど、また次に来る事があったらもっとあちこち行きたい所が沢山ある。 今回は西側・南側中心に行動したけれど、首都のSanta Cluz周辺や北の方にも行ってみたいし、テイデ山を囲むエリアにも是非行きたい 今回滞在したアパートがあまりにも気に入ったので、また同じ所でもいいな。 

リタイアしたイギリス人が繰り返し訪れるというのが良く解る。 そういえば、空港で驚いたのが、車いすや歩行が困難な人達をサポートするスタッフが異常なくらい多いという事。黄色い車椅子マークの付いたTシャツを着たスタッフが空港のどのエリアにも沢山いて、常時走り回っていた。こんなに充実したサポートのある空港は初めて見た。山が多い島なのに、リタイアしたお年寄りが沢山訪れる(あるいは移住する)のも、こういうサポートがあっての事が、、、と妙に感心してしまった。

イギリスに戻ってみたら、なんと私達がいなかった間には雪まで降ったらしい。朝晩の気温は4-5度という事で、帰った日も風が強くて寒かった〜〜〜。日焼けした顔で歩いてるのがなんだか間抜けっぽい。それでも今週は週末に向けて気温も24-25度まで上がるらしいから、丁度良い時に行って戻ってきたよね!

Tenerife!! -海-

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4月の終わりから5月の初めというのは、ホリデーに行くには最高の時期。学校はまだ終わっていず、全国試験直前の学生達はみんな目の色変えて勉強しなくてはいけない時期。当然その家族達も6月までは緊張の日々というわけで、要するにホリデーを取るには「時期外れ」。それでいて南の方はもう気温が25~26度という最適な気候なのだ。 

という訳で、行ってまいりました!!今回はカナリー諸島のテネリフェ島=Tenerife.
カナリー諸島はイギリス人にとっては「日本人のハワイ」と同様、夏、冬を問わずポピュラーな地だ。国はスペインだけれど、地理的にはモロッコの西に位置して、いくつもの火山島のうち一番大きい島がテネリフェだ。

ローキーの時期に行くからには、あまりうるさいリゾートは避けたいもの。若かりし頃は朝までディスコ、なんて日々もあったけれど、もうそういう喧噪はむしろ避けたいお年頃。で、今回は西側に位置するPuerto de Santiagoという場所でセルフケータリングのアパートを選んだ。キッチン付きのリビングエリアは我が家のリビングより広い!バスルームはシャワーだけでなく(安めの所だとシャワーのみの所が多い) ちゃんとバスタブもあって、ベッドルームとリビングの天井にはファンが付いている。エアコンが無いので7−8月はちょっと暑すぎるかもしれないけれど、今の季節(連日気温26度位)には丁度よかった。

プエルト・サンチアゴは海岸から少し上った高台にあり、隣のLos GigantesLa Arena と3つのエリアがなんとなく一つにくっついているような感じだ。どちらのエリアへも歩いて10~15分くらいだけれど、延々と坂を下ってまた登らなくちゃいけない。このアップ&ダウンは初日にはこたえたけれど、3日目には慣れてしまって、急勾配を延々登るかわりに118段の階段という近道?を見つけたりして、結構な運動になったもんだ
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火山島なので岩海岸が多く、ビーチは黒砂だ。日本生まれの私にはむしろ親近感を覚えるのだが、イギリス生まれの彼にとっては黒いビーチは最初は奇異に映った様子。以前に行ったお隣のグラン・カナリア島はモロッコ側で、白い砂丘のような海岸があったからね、、、 

値段のわりにアパートは最高のロケーションにあって、1階にはショップがそろい、大型スーパーのLidl(イギリスでもお馴染み)まで歩いて50メートルという便利さだ。メインのプールの他に、屋上にもプールがあり、ここからの見晴らしはまさに絶景。しかもこの時期だからメチャクチャ空いている!!

どんな高級ホテルに泊まっても、部屋は部屋、プールはプール、バーはバーだ。必要以外の物は無くてもいいからサービスの良い所が一番!メイドさん達もレセプションも、バーの人達もとってもフレンドリーで楽しい。長年 高級ホテルで働いていたうちの彼は特に厳しい。チェックインするなりアパートを見回して、緩んだトイレのシート、蛇口とシャワーの切り替えが少し固かったバス、床のタイルを少しだけこすっていたドア等、4-5カ所をフロントに直してくれるように言うと、なんと、2時間以内ですべて処理してくれた。お値段2つ星でサービスが5つ星、これぞ理想の格安ホリデー!

お隣のLos Giganntes(ロス・ヒガンテスと発音する)は800メートルほどの高さの絶壁で、この裏側は山続きで、ビーチだけでなくトレッキングを楽しむ人も多い。 
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高低が激しいので足の悪い人には不向きなリゾートだけれど、それでも杖を付いた人や車椅子の人もいたのが凄い。 今回はレンタカーを借りないでローカルバスで移動する事にした。左ハンドルの上に何処へ行くにもヘアピンカーヴが続くので、ドライヴを楽しむという感じではなさそうだったから。(ヘアピンが多いと、行きたい方向とは反対の方へ表示が出ていたりするのも混乱するしね)バスはロンドンに比べたら笑っちゃうくらい安いけれど、多い便でも30分に1本。ちょっと遠出をするには2時間に1本のバスを乗り継ぐ事になり、この時間を見極めるのにかなり苦労したけれど、まあ、急いでるわけじゃないから・・・

朝は8時頃でないと明るくならないのに、午後は6時過ぎでも日がギンギンで焼けてしまう。午前中から行動して、4時頃からプールサイドで陽に当たる、というのがパターンになった。屋上のプールから見る夕日は本当に奇麗で、(日の入りは8時半頃) アップ&ダウンの疲れも吹っ飛んだ。
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ちなみにこの写真の船のように見えるのは、実はこのエリアで一番大きいホテル。大型のホテルは少ないエリアなのだけれど、船が入ってくるように見えるシルエットは景色の邪魔にならなくて良いアイデアだね。 日本の海岸が懐かしくなる・・・・・

夜は18度くらいなので、Tシャツで丁度良い。ご当地ビールをベランダで飲みながら、持って来た本を読んで寝るのが日課になってしまった。イギリスでは売ってないこのビール、アルコール分が4.7%と少なめで、味がしっかりしてる。持って帰りたかったわ〜〜
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才能の発掘、、、??


熊本が大変な事になっていて、被災された方々の様子をニュースで見るにつけ胸が痛みます。 九州地方での大地震はあまり聞かなかったのでビックリすると同時に、連続しての大きな地震に続いて雨というニュースには本当に「頑張って!!」と祈るしかありません、、、、

今年のイギリスは春になったんだか、まだ冬なんだか、、???先週は数日は17度まで気温が上がって 桜も満開だなあ〜と思ったら、また日中でも7度(昨日なんて5度)に逆戻り。咲き始めた八重桜が少し長く持ってくれると嬉しいな。

春といえば今年もやって来たBGT(Britain's got Talent)。今年は10年目という事で、第一回のポール・ポッツ氏からの回想番組があったりして「そういえばあの人はどうなったのかなあ〜?」と思い返す事も多い。セミファイナルに入る前の段階では、優勝候補の他に、馬鹿みたいなパフォーマンスも多くて、この時期のGBTはまだシリアスさよりも「笑える」テレビ番組だ。

初回の放送で話題をさらったのは、なんといってもこの12歳の少女。特に美人でもなく、イマドキのつぱった感じのする小生意気さも無く、ちょっと田舎臭さの残るこの女の子、それでも歌い始める時の表情は内に秘めた強い情熱を感じた



 12歳ですよ、、!!なんだんだ、この声は??!

ちなみにジャッジのアマンダが押したGolden Buzzerは、3段階ある予選の残りを飛ばしてセミファイナルのライヴに出られるという、優勝候補の筆頭に値すると思われる人に押される。各ジャッジは一度しか押せないので、見極めが必要だ。
 
この曲はロンドンでヒット中のミュージカル「Wicked」からの曲。ミュージカルの歌い方というのは、ポップスの歌唱法とは違って「語る」事が必要だ。彼女の歌い方は間違いなくミュージカルを目指して訓練したきたものだ。

もちろん一夜にして皆が彼女の事を話題にするようになった。でもメディアっていうのはどこの国でも「褒める者あれば叩こうとする者あり」で、2日後には彼女がズブの素人ではなく歌のレッスンを受けていた事が記事になり、「BGTは素人が対象なのにずるいのでは、、?」という批判が出始めた

BGTとは何か、、という番組の主旨を定義付けるのは難しい。全国オーディションで勝つレベルというのは当然お風呂で鼻歌を歌う程度の歌じゃ駄目なのは当たり前だ。今までの出場者だって、ダンスはコーチに付き、歌は仕事や学校の合間をぬってレッスンに通い、何年も何年もどさ回りをしていたエンターテイナーだっていた。 レッスンを受けていたからって、、、なんなんだろうね、どうして素直に秀でた素質を褒めてあげないんだろう・・・

それでも、練習したってある程度にしかならないのが凡人で、彼女の持って生まれた声質や歌での演技力は、教えたからできるというものではない。誰でも練習すればオリンピックで優勝できるのか、、??第一、「ズブの素人」だけの集まりなら、莫大なお金のかかるこんなテレビ番組にならないのだ。

外国人の出場者が増えているのも問題視する声が多い。出場資格はUKに居住、あるいは正規に働いているレジデンスの人というのが規約だそうだ。それでも世界中のタレント発掘番組で鳴らして来た人も出てくるのはどういう経緯なのだろう?

もちろんBGTですから爆笑のも続々登場する。中でもうけたのはこの3人のベリーダンサー達!始まってすぐにジャッジのアリーシャがXブザーを押したものの、何故かブザーが鳴らない、、、必死で押し続けるのに、Xが点かない その間にも3人の魔女、おばさま達の悪夢のような踊りは続き、4人のジャッジ達の必死な様子が笑える。

 

まだ2週が終わったばかりだけれど、これからどんな人達がでてくるのか?マジシャンやアクロバットのチームもかなりの高レベルだし。(当然何年も訓練してるはず)

さて、今だに寒いイギリスに我慢するのも明日限り。私たちはカナリー諸島のテネリフェ島に11日間行ってまいります。テネリフェの気温は日中で23-24度との事。火山島なので白浜の海岸は無いけれど(黒砂)私たちはビーチよりもむしろ山歩きをしたいので、丁度いいかな。アパートでのんびりして、とにかく太陽に当たりたい
 

ネットでドラマ


今月はブログを放置してしまった感じで気がついたら3月も末日!!
最近は結構仕事が終わって家に帰ると録画しておいたテレビを観てしまっている。ドラマやドキュメンタリー、それから大好きなクイズ番組、、、Macでは日本のドラマを探して、、とやっているとあっという間に夜中になってしまうのだった

冬の日本のドラマはNHK大河の「真田丸」の他に「ナオミとカナコ」「私を離さないで」を観ていた。
(「ナオミと、、、」は正直、特に面白いと思ったわけじゃないけれど、何となく「この二人、どうなるのかな?」と気になって観てしまった) 

私を離さないで」は何年も前にイシグロ氏の原作本を原語で読んでいたので、映画版もみた。映画は原作に忠実で良かったけれど、やっぱり時間的な制約は描ききれないものが多すぎて、 物足りなさが残っていたので、ドラマで1クールかけて創るほうが良いんじゃないかと期待していた。

設定を日本に置き換えてはいるものの、原作には忠実で、かつもっと隙間を埋める時間がたっぷりあって、凄く良いドラマになったと思う。特に原作を読んで「こんな、臓器を提供するためだけに生まれて来た人達が、なんで疑問や反感を露わにしないんだろう??」と思っていた点を、まなみというキャラクターと人権運動という要素を入れる事で、より解り易くて人間らしいドラマになったと思う。

子役と成長してからの役者のキャスティングもピッタリで、泣かされるというより、より考えさせられる作品になっていた。「人間は感情の動物」というけれど、まさにそのとおり!感情を持たない家畜のように生きていたら、自分の身体を人に提供するという恐ろしい事実にも疑問すら持たずにいられたのに、感情豊かにと教育されたからこそ、考える人間になってしまった、その残酷さだ。彼らを育てた学院が何故無くなってしまったのか、台詞には出てこなくても充分解る。「提供者には感情や考える能力を与えてはいけない」からだ。

綾瀬はるかさんは、とても良い女優だと思う。実はもともとがグラビアアイドルだったとは最近まで知らなかった。以前にも何作が観ていたけれど、言葉を発しなくて表現する力があるし、それが画面を通してちゃんと見えてくる、スクリーン向きの女優さんだ。今は新しい大河ファンタジードラマの「精霊の守人」でこれまた全く違うキャラクターを演じていて、汚くなっても美しい戦士ぶりだ

真田丸」はやっぱり三谷幸喜さんの筆の巧さが炸裂している。「こんなのありか〜〜!?」と思う事でも筋がとおってしまう脚本の魅力と、演じている役者達の面白い事。草刈正雄さんの昌幸はキャラクターと脚本と草刈さんの演技がピッタリはまっていて絶妙だ

実は調べてみると、本当に真田昌幸という人は策をかえてはあっちこっちに付いていた人で、本当に節操が無いと思うくらいに鞍替えしているのだ。それでも家康に命は取られずに長生きしたのだから凄いよ!
「長澤まさみのきりがうざい」という声もあると聞いているけれど、きりという人は真田が徳川に破れて蟄居させられた九度山でもその後の大阪城でも信繁の側にいたとされるので、この先、信繁の側室となっていく関係の変化が描かれていくのだろう。三谷さんの本に期待したいね。

大河は長丁場だから、「観たい」と思う作品でないと一年付いていかれない、、、「平清盛」も三上博史さん演じる鳥羽法王がいなくなったら観なくなってしまったし。こっちに来てから全話通してみたのは「新撰組」だけだなあ〜〜(日本のドラマがすぐにネットで観られるようになったのだってこの数年だし)でも「真田丸」は見続けると思う。

さて、あと2週間働けば、カナリー諸島のテネリフェ島のホリデーが待っている!格安ホリデーだけれどアパートメントに10泊。テネリフェ島には富士山とそっくりな山があるんだよね。高さも形もよく似てる。のんびり太陽を浴びてゆっくりするぞ〜〜!



 

Les Liaisons Dangereuses - リベンジ鑑賞


やっと観て来た、シアターライブのアンコール上映、Les Liaisons Dangereuses(危険な関係)。 前回はリアルタイムのライヴ上映で楽しみにしてたのに、映画館の中継レシーバーの不具合でまともに観られず、返金してもらってトボトボ帰ってきたのだった、、、

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本当にね、革命数年前のフランスで皆が表紙を隠して読んでいたというのがよく解るわ〜〜
私がこの芝居を最初に観たのは86年の初演、ヴァルモンは先日亡くなったアラン・リックマン、 マルテュイユ夫人はリンゼイ・ダンカンというキャスティングだった。

何よりもこのクリストファー・ハンプトンの戯曲はその後に映画化されたヴァージョンがすごく良い。ジョン・マルコヴィッチとグレン・クロースのコンビは観ていてゾクゾクする程非情でセクシーで、貴族の恋愛ゲームのいやらしさ満開だった。同じ戯曲は世界中で翻訳されて、(日本でも上演されたはず)中には設定をもっと現代風したプロダクションもあったみたいだけれど、今回のDonmar Warehouseの芝居は本が書かれた18世紀の 貴族の館をセットにしていて、衣装といい、シャンデリアといい、館の小部屋での室内劇=Chamber Playのような空気を再現している

マルテュイユ夫人は男に恋をして甘える女ではない。男に恋をさせて自分にひざまずかせる事に喜びを見いだす女だ。そして聡明で、美しく、 セクシーで毒を持つ。同じように女を次々と落として恋愛ゲームを楽しむヴァルモンと、初めは同等のようでいて、やがてそれが崩れて行く様は、数年後に起こる貴族社会の崩壊を暗示するかのようだ

心をもてあそび、元彼への当てつけに純真な少女の純血を奪う。貞淑な妻の心を砕き、本心を押し隠して残酷な仕打ちをする、そして最期に滅びたのは男のほうだ。

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マルテュイユ役のJanet McTeerはまさにはまり役。映画のグレン・クロースを超えられるか、、、?と密かに思っていたのだけれど、素晴らしかった。いや、美貌でいえばむしろグレンに勝っている、、?ヴァルモン役のDominic Westは以前に他の芝居で観たときにはあんまり、、、と思ったのだが、これまた凄く良くて、かつチャーミングだ。セシル役のMorfydd Clarkとテュルベル夫人のElain Cassidyのお二人は、修道院学校出の純情な15歳 / 信仰厚い貞淑な妻から、ヴァルモンの手に堕ちるや一転して、艶やかな、夜を待つ女のような顔になる変貌ぶりが目を見張る

Donmar Warehouseはその名のとおり、客席200に満たないスタジオ劇場だ。その空間の中で繰り広げられる恋愛・性愛ゲーム。やっぱり舞台で直接観たかったなあ、、、でも中継上映でも充分このプロダクションの魅力は味わえる。

好きなのよねえ〜〜この芝居!

もともとラクロの原作小説は「手紙の寄せ集め」という形式で描かれている。物語を綴るのではなく、登場人物達の間でやり取りされる手紙の内容によってストーリーが繋がっていく。私は初演を観た後に英語版で読み始めたけれど、あの当時はまだイギリスに来て1年目、ちょっと古めかしい言葉遣いだし、誰から誰への、いつの日付の手紙なのかを把握しながら読むのに結構 時間がかかってしまって、半分くらいで中断していた。そうしたら映画版ができて、なんだか「危険な関係」といえばハンプトン氏の戯曲、という意識になってしまった

ちゃんと本で読んでみようかな。だってこんなにセクシーで残酷な恋愛ゲームを 、人の手紙を盗み読む事で追っていくなんて、やっぱりゾクゾクしちゃうものがあるよね。マリー・アントワネットの図書室にもカバーを隠してあったというのは有名な話。堕落した貴族達の貞操観念がそのまま貴族の滅亡(革命)に繋がっていったのかも・・・・

変動の春


なんと、、、1ヶ月も経ってしまったよ!
楽しみにしていた「危険な関係」のシネマライヴが、中継レシーバーの不都合で、観に行った映画館での上映は途中で打ち切りになってしまって、ショックだった。画面はフリーズしまくりで、音もとぎれがち、みんな次々に席を立ち始め、私はとりあえず我慢していたのだけれど、一幕が終わらないうちにとうとう受信しなくなってしまった・・・返金してもらったけれど、すごく楽しみにしていたし、芝居そのものは素晴らしかったので残念無念!ものすごく風の強い日だったからかな。
とりあえずアンコール上映が別の場所であるのを発見し、これは3月にもう一度再挑戦。 

今年は本当に変な天候が続く。ずっと暖かかったと思ったら先週はいきなり気温が下がり、風がとにかく凄い、、、ビルの陰を歩いていて突風が吹くと車道に吹き飛ばされそうになるよ、、昨日からはまた10度を上回る気温になってるし、日本にある「三寒四温」や「春の嵐」みたいな気候がここまでやってきたのか??

今週のイギリスはEUの改革案を首相のカメロン氏がどこまで押せるか、連日のニュースはそればかり。イギリスではこの夏にでも「EUに残るべきか、去るべきか」の国民投票が行われる見通しだ。それに先立って、本心は完全にEUからは抜けたくないと思っている首相は、なんとか今のEUの規定を少しでも国民の負担が少なくなるような条件に改革しようと奔走している

なだれ込む難民や、働かずして住宅補助だの養育補助だのばかり受け取るEU諸国からの人びとに、国民の堪忍袋の尾が切れかけているのだ。「EUから抜けた方がずっと良い」と思い始めている人達が増えるにつれて、政府も焦り始めた結果だ。まあ、政治家の思惑なんて、どこの国も似たようなもの(=腹の底までは言わない )なのだが、国民投票の前に、少しでもEUでのイギリスのパワーを強化したい首相としては、よく飛び回ってくれているよ、、、、

イギリスの提案する改革案が受け入れられない場合は、国民投票に向けて、イギリス政府は脱退を進めるキャンペーンを行う」という強気の姿勢に、各ヨーロッパの首脳たちも賛否両論だった。イギリス同様に問題を抱えている国は他にもある。例えば、メルケル首相の寛大な移民受け入れによって、犯罪増加その他の問題に直面しているドイツの人達。もしもイギリスがEU抜けを決めたら、「自分たちも抜けようぜ」という運動が起こりかねない。逆にEUにどちらかというと負ぶさっている感じのする東欧諸国は、経済的にも立場的にも主力となる国が抜けてしまうのは これまた困る。

イギリスはEUには残りたいけれど、今の状況では反対派を納得させられない、残るためにはなんとしても今回の改革案をEU諸国に同意させる必要があったのだ。

結局EUはイギリスの提案した改革案にほぼ同意する事で、国民投票への政府のキャンペーンは「残留」となった。それでも官僚達の間でもこの賛否は別れていて、これから夏までの間にどれだけの「残留キャンペーン」と「離脱キャンペーン」の大合戦が繰り広げられるのか、、、、?議員達は個々の意見で其々にキャンペーンを展開する事になっているので、キャメロン首相としては官僚間での意見を統一したいところだろうけれど、これは100%まとまるという事はなさそうだ。 

「ゆりかごから墓場まで」 といわれた古き良きイギリスはもう過去の話。いまだにこの神話を信じてイギリスに密入国しようとする人達は、今すぐ考えを変えた方が良い。

それでも「残留」となった場合、今回EUに同意された改革がどこまで実行され、効果があるのか、後になってまた「やっぱり変えよう」という自体になるのではないか、、、?脱退派の官僚達の 突いている点はそこだ。残っても相変わらずなら今抜けよう、という。

逆に国民投票で「脱退」となった場合、これからのイギリスがどうなるのか、、、?まずスコットランドは再度「イギリス抜け」を検討することだろう。去年の投票ではイギリスに残ると決まったスコットランドだけれど、EUに残りたいという声は半数以上を占めている。スコットランドが独立して独自でEUに加盟したいという方向に向かう事は十分予測できる。これまたEU脱退同様に頭の痛い問題だ。首相としてはなんとか抑えたいところ。

どうなるのか、イギリス、、?? EUは広がり過ぎたんだね。加盟するにあたっての基準をもっとつり上げて明確にしたほうが良いよ。外国に暮らすなら、その国の基準に従っての生活基盤をもつべきだ。「郷に入っては郷に従え」っていうでしょ? EU残留・離脱の国民投票は純粋にイギリスの国籍を持つ人達に限られている。という事は、ロンドンに住んでいると言われる人達の8割は投票できないんだよ!これも面白いよ、、?(普通の選挙ではEU国籍の人達にも投票権がある)

生粋のイギリス人がどちらの判断を下すのか?投票権の無い私は見守るしかないけれど、本当にどうなるんだろうね、、、この国に住んでて面白いのは、政治が直接私たちの生活に影響してくる事。まあ、キャメロンさんはよく飛び回ってくれてるよ、、、やっぱり首相は40代くらいでないと、世界を飛び回れないよね。ブレアー首相もそうだったけど、賛否はどうあれいつも走り回ってる感じがある

本当にどうなっていくことやら、、、、、

復活のLazarus / ドリアン・グレーの肖像


聖書の中にある、イエス・キリストがラザロ(ラザラス)という男を死後4日目にして蘇らせたという話は有名だ。ボウイーの死後、彼の50年近くに渡るキャリアに対するフィードバックが白熱している。70年代、80年代が青春期だった人達にとって、彼の影響力は計り知れないものがあった。音楽だけでなく、ファッションや金融、インターネットと、常に時代を先取りしてきたアーティストとして、好き嫌いはあるにせよ、彼の残した足跡の大きさは皆が認めている。

亡くなった週末のUKチャートでは、遺作のBlackstarがロケット並みの売り上げで1位となり、トップ40に10枚、トップ100に19枚のアルバムがチャート入りするという凄い現象が起きた。そしてアメリカでも初のアルバム1位に。まあ、これも亡くなった勢いというものだけれど、2週目になっても、一位は変わらず、トップ40に9枚(と41位)、トップ100に 19枚のアルバムが入っている。チャートの20%を一人のアーティストが占めるなんて尋常じゃないよ、、、ボウイーらしい「ラザロの復活」だ

さて、今年初の芝居は座席数100のトラファルガー・スタジオでの「The picture of Dorian Gray
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オスカー・ワイルドの代表作だが、これは元々戯曲ではない。最初に文芸雑誌に掲載された際には、当時は違法だった同性愛の色が出ているという事で、編集者によって添削されてしまった

今回の台本は、ワイルドの孫でもあるマーリン・ホランド氏の協力でオリジナル原稿から削除されてしまった部分を取り入れた新しい本という事だった。
この配役、ヘンリー卿とドリアンのキャラクターが、見ての通り実際のワイルドと恋人だったダグラス卿に瓜二つ

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 よく言うと、完結でシンプル。大げさなエロティシズムや廃退的な空気は無くて、純真だったドリアンが快楽主義者のヘンリー卿に影響されてどんどん変わっていく、という従来の解釈とは少し違う。ヘンリー卿は確かにドリアンに新しい道を教えてしまうのだけれど、ドリアン自身が自分の悪を吸収してくれる肖像画を利用していく。

清らかで美しいドリアンの絵を描いた画家のバジルは、自分の愛(同性愛)のたけを込めて 最高の絵を描いたのに、どんどん変わっていってしまうドリアンに心を痛め、思いを打ち明ける。この部分が発刊時に削除されたようだ。

このドリアンは自分の夢の世界に生きる事を選んでしまったように思う。最初に恋した女優のシヴィルも、彼女自身ではなく、彼女の演じるジュリエットやオフィーリアに魅せられてしまったにすぎない。ヘンリー卿の言葉よりも、その思想を自分の中で幻想の世界として作り上げてその中で生きて行き、自身の肖像画にそのツケをなすり付ける、、、、

これが本当にオスカー・ワイルドが描きたかったドリアン・グレーだ」というホランド氏。今までのドラマチックで堕落なエロティシズム満載のドリアン・グレーとはかなり違う。ワイルド自身はこう言っていたそうだ、「僕自身は画家のシヴィル、ヘンリー卿は世間が僕だと思っているキャラクター、そしてドリアンは僕がなりたかった人物

なにせ客席100のスタジオだから、役者が動ける範囲はせいぜい5-6歩。その中で、少ない置道具を頻繁に転換しながら、シンプルな芝居に創っている。本来のドリアン・グレーが好きな人たちにはちょっと物足りないかもしれないね。でもちょっと違った見方ができて、初めてこの作品に触れる人には解り易いと思う

でもやっぱりもう少し、ヘンリー卿の名言を取り入れて、ワイルドらしい怪しい空気があっても良かったんじゃないかなあ〜〜・・・

Death in Work of Art


年も明けたし、さてまたブログを、、と思った所へ飛び込んで来たとんでもない訃報、、、、
常に私にインスピレーションを与えてくれた 唯一無二のアーティスト、David Bowie氏が逝ってしまった。覚悟した自身の死をも最期のアート作品に彩って、そのリリースのタイミングまでも計算した上での置き土産を残して。死の2日前、彼の誕生日にリリースされたアルバム、Blackstarのなんとパワフルで彼らしいことか!
 
ボウイーといえば、3年前の誕生日に10年もの沈黙を破っていきなり新曲を発表し、その後に出たアルバムはあっという間にチャートのNO1になって私たちをびっくりさせてくれた。 その年にV&Aミュージーアムで催された展示会、David Bowie Isは博物館始まって以来のチケットの売り切れ記録となった。私も行ってきたけれど、彼のほぼ50年に渡るアーティストとしての幅の広さをみるにつけ、長年のファンである自分を誇りに思った。

今のイギリスには、ミュージシャンがいなくなってしまった。X Factorもテレビ番組としては面白いといえるけれど、独自の言葉と音楽、その表現方法を全て一つの芸術作品にまとめあげられるアーティストが今はいなくなってしまっている。

昨日も今日もあちこちで特集番組が組まれ、デビュー当時から遺作まで、彼の足跡とその影響を繰り返し伝えている。今の奥様(スーパーモデルのイーマン)と一緒になってからはNYを拠点にほとんどメディアには顔を出さず、娘が生まれた後に心臓疾患で手術してからは、10年間息を潜めて、その間は娘との時間を大事にして健康に気を使って生活していたそうだ。(イーマン談)

いつもいつも時代の先を走っていたボウイー。他の誰とも違うことを恐れず、変化することを恐れず(むしろ望んだ)、ミュージシャンとしてだけでなく、俳優もやり、(私は演じている彼が好き)インターネットでも金融にも真っ先に新しいことを初め、50年以上もその才能の全てを駆使して誰もその位置に近づけなかったのは本当に凄い。

彼が出て来たとき、イギリスの批評家は声をそろえて、「今まで彼のようなアーティストはいなかった」と言った。そして、これからも出てこないだろう。女王から与えられる栄誉ある勲章を、「私がやっていることは勲章をもらう為ではありません」 と2度も辞退したのも彼らしい。(2度目はKnighthoodだったんだよ、、!)

癌だとわかったのが1年半前だったそうだ。娘さんは15歳、きっともう少し、成長を見届けたかったことだろう。せめてあと10年くらい、、??ニューヨークでは彼が主演したThe Man Who Fell To Earthの続編として彼が製作に参加したミュージカルが先月幕を開けたばかりだった。そのミュージカル「Lazarus」 に使われた同名の曲がシングルとして12月に出たときには、まだビデオは公開されていなかった。そのラザラスは、キリストによって死から4日後によみがえったという話で聖書に書かれている。ミュージカルの曲として聞いていたものが、このビデオが7日に公開されたことで一気に別の意味があったことを私たちは知る。


胸が痛くて苦しくなるよ、これは、、、、でもこれがDavid Bowieからの最期のお別れのメッセージ。20年以上前にQueenのフレディー・マーキュリーが最期のビデオを残したように、彼もまた、怖いくらいにパワフルな最期の作品を残してくれた。そういえば、フレディーが亡くなったのも日曜日。私にとって若き日の大きな柱だった 二人のアーティストの死を、月曜日の朝のニュースで知るなんて、、、もう月曜日の朝はニュース見ないよ・・・・

ポップスターでもない、ロックスターでもフィルムスターでもない、ポルノスターでもなければギャングスターでもない(Blackstarより)、Blackstarとして最期の作品を残したDavid Bowie。
大丈夫、天国には昔の仲間もいるさ。Spiders from Marsのミック・ロンソン、マーク・ボラン、ルー・リードにアンディー・ウォーホール、ジョン・レノンもマイケル・ジャクソンだって、、、、 

奥さんのイーマンはインタビューの機会があると言っていた。「私が結婚したのはDavid Bowieではなく、デヴィッド・ジョーンズというイギリス人男性です」 残された家族の事を思うと、やっぱりあと10年くらいはのんびりでいいから生きていて欲しかった。

Now You are free like a bluebird, as you said. 

Mr Foote's Other Legー忘れられた18世紀の名優


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18世紀の中〜後半ヨーロッパには面白い人達が沢山いた。科学・産業が大きく進展していく直前、まだ電気もなく抗生物質も無い時代に、それでも当時の最高の能力・技術を生かして、後の産業革命や医学の発展に繋げていった時代だ。 そんな時代にロンドンで大人気だった俳優/コメディアンのSamuel Foote(サミュエル・フット)の事は実は今はほとんど知られていない。私も知らなかったし、イギリス人だって聞いた事が無い名前だ。「忘れられた名優」にスポットを当てた伝記を元に舞台化したのが、「Mr Foote's Other Leg」だ。

ピューリタン革命によって一時王政が廃止されてからは劇場でのパフォーマンスは禁じられていた。チャールズ2世の時に王政が復古すると、ロンドンのあちこちで貴族だけでなく民衆が手を叩いて喜べるコメディーや風刺劇が広まった。「三文オペラ」のオリジナル、「Beggers Opera」がその代表といえる。18世紀のロンドンではあちこちでコメディー劇やパントマイム(派手な化粧や衣装で、今でいう子供ミュージカルのような色の芝居)が演じられたが、シリアスなストーリーのドラマを演じる事ができたのは、国王からRoyalのタイトルを付ける事が許された3劇場のみだった。

借金の為に2度も刑務所に入った事のあるフットは、オックスフォード大学を、贅沢な金遣いや、規則を破っての度重なる外泊等によって除籍されてしまったという経歴の持ち主。それでもロンドンのコーヒーハウスで各方面で活躍するアーティスト達と出会い、独特の奇抜な色使いの服装と、皆を爆笑の渦に巻き込むウィットな会話で交遊の輪を広げて行く。プロの俳優になるべくチャールズ・マックリン(Charles Macklin)の元で学ぶうち、ロンドンの舞台に出るようになる。そしてそのユーモアのセンスで独自の戯曲も書き、コメディアンとしても俳優としても大人気を得て行く。特にハンサムというわけでは無いけれど、一度会ったら覚えているだろうな、という印象の肖像画がこちら

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当時、シリアスな名優として人気のあったデヴィッド・ギャリック(Daved Garrick)や女優のペグ・ウォッフィントンとチームを組んで、数々のショーで活躍する中、35歳の時に落馬事故で右足を負傷し、切断しなければならなくなった。麻酔も抗生物質も無い時代に大の大人の足を切断する手術が、いかに危険で、苦痛を伴う大仕事だったかは想像を絶する・・・・・

それでもフットは回復し、国王の外科医だったジョン・ハンター(John Hunter)によって作られた義足を付けて舞台に復活する。彼のユーモアのセンスは自分が片足を無くした事までネタにして笑いを提供した。この自分をネタに笑わせるというのは、イギリスのユーモアの特徴でもある。自分をバカにできない堅物は「ユーモアのセンスが無い」という事になるのだ。ちなみにまだ23歳の時に彼が最初に注目されたのは、自分の叔父同士が遺産がらみで相手を殺してしまった事実をネタに書いた本によってだった。

この芝居には俳優として人気のあったギャリックやマックリンの他にも、ベンジャミン・フランクリンや国王ジョージ3世も登場して、当時のロンドンの楽屋裏を見せてくれる。なによりも、フットはこの芝居が上演されているTheatre Royal Haymarketのオーナーでもあったのだ。落馬した時に乗っていた馬が国王の弟、エドワード王子のものだった為、片足を無くしたフットに国王は(しぶしぶ?)ロイヤルライセンスを許可したのだった。こうしてRoyalの名称をもらったHaymarket劇場で、今私たちがこの芝居を観ているというのは何とも感慨深い
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主演のRuss Simon Bealeはローレンス・オリビエ賞を始め、英国での数ある演劇賞を一度は取ったであろうベテランだ。カツラを替え、女物のドレスを着、化粧を変えて「舞台でのフット」をいくつも演じる。ギャリックやペグとの友情、科学者フランクリンからの影響、熱気の籠る劇場楽屋での話し合いや舞台裏で、お客を楽しませる芝居に情熱を込めた彼らの姿が生きている

この芝居でジョージ3世役を演じているのは、この芝居の脚本と、オリジナルになったフットの伝記を書いたイアン・ケリー(Ian Kelly)自身だ。私はこの芝居を観て初めてサム・フットの事を知ったので、早速AmazonのKindleで見つけたケリー氏による伝記本をダウンロードして読み始めた。脚本も面白かったけれど、この本がまた当時の18世紀の空気満載で面白いそういえば、カサノバがロンドンにいた時期にも重なる。

またまた18世紀の掘り出し物に出会った感じ。まだまだ面白い事が見つかりそう、、、、



春のようなクリスマス


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 今年はなんだかずっと暖冬で、記録開始以来の暖かい12月になっている
11月末に1週間だけ冬の気温になったけれど、12月で気温が1桁の日ってあったのかな、、??
イギリスではあちこちで水仙の狂い咲きがみられ、今日も朝の5時頃から小鳥のさえずりが聞こえたものね。ああ、勘違い!
日本は休日ではないけれど、イギリスはもう昨日から電車は空いてるし、そのかわりどの店も最期の駆け込みショッピングでごった返している。これが明日の朝にはゴーストタウンの化すのが楽しみだわ。

でも我が家は特に変わった事をするでもなく、でも二人揃ってクリスマスからずっと休みなのはなんと20年ぶりなので、のんびりテレビをみてグダグダしようと思います。

皆様、ハッピークリスマス!! 

The Winter's Tale -Kenneth Branagh Theatre company


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ケネス・ブラナーといえば、やっぱり一番にシェイクスピアだ。もちろん他にもいろんなキャラクターで映画にも舞台にもそして演出・監督としても活躍しているけれど、シェイクスピアでの彼は「帰って来た」評される。
この秋から来年の冬までKenneth Branagh Theatre Companyと称して3ヶ月ずつ6作品をGarrick Theatreで続けて上演すると発表されたのが今年の春。その第一弾がシェイクスピアの「The Winter's Tale=冬物語」だ。この6公演はそれぞれにスタークラスの役者が出演し、さらに年齢層の広いキャスティングで早くから話題になっていた

意外と見た事がなかった「冬物語」だ。この本はコメディータッチでもあり、シェイクスピアの作品としてはロマンス劇に入るが、「問題劇」だという人もいる。オセローのような嫉妬心と猜疑心に取り付かれ、ハムレットのように自問自答しながら激情のあげくに自分を見失っていくシシリーの王が中心の一幕。2幕では農夫や道化、詐欺師達が歌い、踊りながら繰り広げる、ボヘミアの王子と羊飼いの娘の恋が中心。重すぎず、軽すぎず、難しすぎず、丁度良いバランスで飽きのこない作品だ

シシリー王のレオンティーズは幼なじみのボヘミア王のポリクシニーズを久しぶりに迎えていたが、「もう少し滞在していってくださいな」としきりに言う妻(王妃ハーマイオニー)と、その言葉に従って1日、2日と滞在を延ばすポリクシニーズが不倫関係にあるのではないかと疑い始める。嫉妬というのは恐ろしいもので、疑いだしたら一気に確信に代わり、どんどん高揚していって、家臣に「あいつを殺せ」とまで言い出してしまうのだ、、、、命を受けた家臣のカミローは、さすがに王の誤解だと解っているので、ポリクシニーズと共に密かにボヘミアへ出立する。身重のハーマイオニーは王の激情によって監禁され、生まれた子供は別の家臣アンティゴーナスに「捨ててくるように」と託されてしまう
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実はこの捨てられた王女がやがてボヘミアで羊飼いに拾われて美しく成長し、ボヘミアの王子(ポリクシニーズの息子) が彼女に恋をする、、、まあ、最期は二人の王は仲直りし、若き王子は シシリーの王女だと解った羊飼いの娘と婚約し、獄中で死んだと思われていた王妃もアンティゴーナスの妻に匿われていきており、16年振りにハッピーエンドとなるのだった

とまあ、ごった煮のようなストーリーだけれど、やっぱりブラナー氏の解釈・演出でとてもポエティックなメルヘンに仕上がっているのだ
この舞台でブラナー氏と共に話題になっているのがアンティゴーナスの妻、ポーリーナを演じているジュディ・デンチ(Dame Judi Dench)だ。家臣なのだけれど、ハーマイオニーを16年間も密かに匿って世話をし、また時にはの語り部のような役も担っている。正気をなくした王に対してもへりくだらない、母親のような強いオーラを放っている。80を過ぎて、目も見えなくなってきている(AMD=加齢黄斑変性)というのに、圧倒的な存在感だ!

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演出はケネス・ブラナーとロブ・アッシュフォードで、舞台全体がとてもロマンチックに冬の色を出している。それにしても若い頃のケネス・ブラナーといえば「ローレンス・オリビエの再来」と言われたものだ。凛とした声に強い目力、「演じている」という不自然さを全く感じさせないシェイクスピアの役のこなし方。解釈と演出のセンスの良さ。一時は「肥えたなあ〜〜、、」と思った時期もあったけれど、 奇麗に絞られていました。そしてベテランと若手の役者達の力量のバランスが凄い。カンパニーとして成功している。見応えのある面白い芝居を観た後の気持ち良さは格別だ。まさに、冬の夜にピッタリ。
 
この王子役の人、最近テレビドラマになった「ジキルとハイド」に主演していた人(Tom Bateman)だ。ハイド役の時のあまりのモンスターぶりに、見ていてあっけにとられてしまったけれど、濃い役者はやっぱり舞台が丁度いいのかも。テレビだと濃過ぎるんだね

シェイクスピア劇はRSCやグローブ座ではいつもやっているわりに、その他のプロダクションは意外と少ない。この「冬物語」だって、ウェストエンドで観たのは初めてだ。クリスマスにはバレエの「くるみ割り人形」があるように、冬にはこんな芝居が付き物でもいいんじゃないか・・・・

 

名前がついたよ


アビゲイル、バーニー、クローダ、デズモンド、、、

今年の秋からイギリスを襲う大型の嵐にとうとう名前がつくようになった
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日本だと毎年やってくる台風は1号、2号と番号で呼ぶ。アメリカやその他の国では大型の台風やハリケーンには女性の名前を付けている。元々イギリスは、台風や竜巻といった自然現象にはあまり縁がなかったわけで、たまに被害が大きな嵐が来ても、その時だけの事として「いつもの」現象ではなかった。でも最近は温暖化も影響してか、毎年のように秋から冬にかけてあちらこちらに洪水を起こす暴風雨が やってくるようになり、遂にこの秋からは被害を区別するためと、人びとに気候の変化を認識してもらうという事で、名前を付ける事になったのだ。

どんな名前をつけるか、一般の人からもアイデアを出してもらうという事で、9月に入ってからe-mailや気象庁のFacebook等で募集した。Q,U,X,Y,Zを除くアルファベットで始まる21の名前を気象庁が発表したのが10月の末で、最初の名前付きストームは11月の初めにやってきた。これがAbigail。翌週のストームがBarney, 次にClodagh、一昨日からの暴風雨はDesmondとなった。

実はもう名前は順番に21番目まで決まっている。見てみると、アルファベット順で女性名と男性名が交互になっている。なるほど、、、、、ちなみに次に来るのはEvaになるそうだ。台風(Typhoon)やハリケーンという呼び方ではなく、UK・アイルランドを襲う暴風雨はStorm Abigail, Storm Desmondのように呼ばれる。とうとう気候の変化もここまできたのか、、という実感。

私がイギリスに来て少し経った80年代後半から地球の温暖化を科学者達が言い始めていた。Global Warmingという言葉を耳にするようになり、20-30年後に向けて警鐘を鳴らしていたのが、今やその30年後になったという事なのだ。先週は各国首相がフランスに集まって話し合いをしたものの、今さら50年前に戻れるわけでもない。テクノロジー発達の代償なのだから

今年のイギリスは(いや、イギリスだけじゃないみたい)気持ちが悪いくらいに暖かい秋・冬を迎えている。11月に入るまでセントラルヒーティングを入れなかったなんて初めてだし、今日だって気温が12度もある。もちろん暖冬なのは嬉しいけれど、単に喜ばないものがあるのが現実だ。昨日のデズモンドのおかげでイングランド北部は大洪水で、今日もスコットランドへ向かう電車はエリアで不通になっている。

去年も一昨年も冬に南イングランドが洪水になって農作に大きな影響が出たし、次の「エヴァ」がやってくるのももうすぐなのだろうけれど、せめて21の名前を全部使うまでにはもう少し時間がかかって欲しいものだ・・・・

 
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