見つけもの @ そこかしこ

ちょっと見つけて嬉しい事、そこら辺にあって感動したもの、大好きなもの、沢山あるよね。

インフルエンザのうちにクリスマス〜〜


いや〜、まいった、、、!
久しぶりに39.4度まで出てしまった!日本に行った時に鼻風邪をひいて、いつも友人たちと行くスーパー銭湯は無しにしたけれど、3日ほどグズグズしているうちに気力で治ってしまったものだ。
でもやっぱりインフルンザだねえ〜〜、やってきた時の勢いが違います。

ゾクゾクっと悪寒がし始めて、それがどうもいつもより顕著なゾクゾク感なのを気にしながら寝たら、翌日起きる時にはもう体が「起きたくない」状態になっていた。それでも仕事に行ったはいいけれど、もう立っているのも、目を開けて頭を上げているのも困難になって行く•••• 半分眠ったような感覚でなんとか一日やり過ごして家に帰ると、前述の39.4度という高熱になっていたのだった。 

流行っているみたい。明日からのフィギュアスケートの全日本も、羽生選手は棄権とのこと。そういえばGPFの時はジュニアの本田選手がやっぱりインフルエンザで棄権していたっっけ。

いつもインフルエンザだと、高熱が下がるのに3日、「フラフラと吐き気」が無く動けるまでもう1日、気管支炎のような咳が治まって引くまでにさらに3−4日ってところ。まあ今回はギリギリでクリスマスにはなんとか間に合った感じ。(まだ咳がゼロゼロいってるけど)

仕事も明日1日で今年は終わりだ。なんだか日本から戻ってからはもう毎日仕事しかしていない日々だった。ブログに書くネタも無いくらい、、、、それでも見続けていた真田丸もとうとう終わってしまったし、、、 三谷さんの本が本当に冴えてた! 役者を光らせる、あるいはもっと言うと育てられる本を書ける人ってなかなかいない。今年は蜷川さんが亡くなってしまって、役者を育てられる演出家がいなくなってしまったのは日本の演劇にとって大きな損失だったけれど、戯曲家が役者を伸ばして行く力にもなるんだなあ〜と、新たな期待感を持ってしまう。

クリスマスの期間中はまたこちらでもいろんな特番があるし、11日休みだからダラダラと過ごしますかね。病み上がりだし、、、、

 
 

Black Fridayの謎、さらにはサイバー、、??


なんなのだろう、、、

日本でも最近はハロウィンに大騒ぎをするようになったとかで、去年は祭りの後の渋谷の惨状がニュースになっていたけれど、イギリスでここ数年に広まったのが Black Fridayというやつだ、、、 
そもそもイギリスにThanksgiving (収穫感謝祭)なんて風習は無い。これはアメリカでは毎年クリスマスくらい大切な日として、皆帰省して家族と食卓を囲んで迎えるというのは周知の事実だけれど、この後の金曜日がBlack Fridayと呼ばれる セールの日だ、なんてことはこの数年前まで皆知らなかったよ、、、


2年くらい前から何だか突然Black Fridayと呼ばれる大特価の日がやってきて、店内に押しかけた買い物客が大型テレビを取り合って殴り合いの喧嘩になったりしている映像がニュースで流れて、「なんなんだ、これは、、!?」と思ったものだ。それがなんとなく定着してきた様子。

そもそも私がイギリスに来た頃は、12月の25,26日はお店も全て閉まり、交通手段もなく、帰る家のない海外からの学生はクリスマスイヴの夕方から食料やドリンクを買い込んで誰かの所に集まり、27日までそこに篭って飲み食いする、、、というのがパターンだった。そしてクリスマスが終わると新年の馬鹿騒ぎ、1月に入ると恒例の冬のセールが始まった。そのうち少しずつ26日には開けるお店も出て来て、今では大型デパートでも26日からセールを開始するようになり、まあそれでも帰省してる人が多いなか、丸二日間こもらなくても26日には街の喧騒が感じられるようになった。

時代変われば、、というのは解るけど、本来の意味をなさずに金儲け部分だけを横取りみたいなブームってどうなのよ、、、と思う。それもだんだん欲が出たのか、最初はBlack Friday一日限りだった特価日がそのまま土日にもずれ込んで、Black Friday Weekendということになっている、、、?フライデーじゃ無いだろう!!と突っ込みたくなるのをこらえて、ともかく週末をやり過ごす。

そしたら今度は何、、??週が開けて携帯にメールに入ってるジャンクのほとんどがCyber Mondayとやらのこれまたセールらしいものの宣伝だ
サイバーマンデーって何??なんなの?

本当になんでこういう事になっていくのか、、クリスマスのプレゼントを探しながら、「あ、1月のセールになったらこれ買いたいな」と思いながら楽しみにしていたあの頃はどこへ行ったんだ??ちなみにイギリスではセール品として別に安物を仕入れて売るという事は認められていない。セールというのはあくまでも昨日まで店頭にあったものが値下げになるというのが基本だ

皮肉なことに、このブラックフライデーを嘲笑しながら見ているイギリス人の方が多いかもしれない。確かにテレビに映る、特価品の取り合いをして店中を埋め尽くしているのは、イギリスに住む外国人たちがほとんどだ。ある映像なんて、ここがイギリスとは解らないほど、見るからに移民の人たちばっかりなのがちょっと、、、、

ちなみに今年のブラックフライデー、なんとロンドン中心地では夕方の5時頃から大停電になってしまったのだった 今の時期はもう4時前には真っ暗になるイギリス。店側は仕事帰りの人達の買い物も見込んで意気揚々だったはず。それがウエストエンド全域で停電ですって!! その日の公演をキャンセルした劇場も多かったようだ。これぞ本当にBlack Fridayだわ、、、

セール商戦っていうのは最初に始めた者が勝ち、みたいなところがあるよね。そして誰かが始めたら、他もそれに対抗しないとビジネスで戦えない。でもなんだかイギリスらしく無いよ〜〜。
来年に入ると、いよいよEU抜けの交渉に入ることになるし、この先を考えるとイギリス経済に不安は大きい。確かに安売りが増えるというのは有難いことなのだけれど、ちょっと寂しい思いがするのは私だけじゃ無いはずだ

Lunch and the Bow of Ulyssesー叙情的で挑戦的な台詞


案内のe-mailでこれを目にして、観る!と即決した。 
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まずはスティーヴン・バーコフの本である事、そして演出がナイジェル・ハーマン。

Steven Berkoff 氏は俳優として映画やテレビで悪役やちょっと癖のある役であちらこちらに出ているけれど、実は映像での彼を私は観た事が無い、か、出演作を観ていたとしても普通に見過ごしている、、、
私が彼を観たのは、彼が演出・ヘロデ王役だったオスカー・ワイルドの「サロメ」だった。台詞も動きもスローモーションなこのプロダクションは、それまでに何度か観た「サロメ」の中で、一番印象に残っている美しい舞台だった。冷え冷えとした空気が漂うような白い月の中で、台詞が美しく散りばめられていて、「こうなるのか!」と目を見開いて舞台に魅入っていた。その後も彼の演出、脚本の舞台をいくつか観て、鬼才=バーコフ氏のファンになった。彼の本なら面白いこと間違いない!

一方、今回の演出はNigel Harman、彼は元々子役出身でミュージカルにも出ている舞台畑の役者だ。でも彼の名前をお茶の間に広めたのは、何と言ってもBBCの看板ソープドラマ「Eastenders」だった。Eastendersを離れてからはまた舞台に戻り、Shrekというミュージカルでローレンス・オリヴィエ賞の助演男優賞を取った。ちなみにEastendersから卒業?していった俳優達が結局その後はほとんど名前も聞く事が無い中で、ここまで舞台で活躍している人はいない。その彼がバーコフ氏の本を演出するというのでとても興味が湧いた。

どんな芝居なのかは全く知らない。そして会場は劇場というより、スタジオだ。俳優が動ける距離は、幅7歩、奥行きは3歩(実際に確かめた)で、コの字に囲む客席は100席程の空間しかない。でもこういう身近な空間での芝居がまた私は好きだ。私が観た日はハロウィーンの月曜日という事もあってか、客数は40人程だったので、おそらく役者は観客一人一人の顔を意識していたと思う。

この芝居は実は2本の一幕ものが一つとして上演されている。どちらも45分程なので、これを一幕、2幕として上演していて休憩無しの90分だ。バーコフ氏は最初の「Lunch」を1983年に、2幕となる「The Bow of Ulysses」を2002年に執筆した。そして後者はまさにLunchの続編で二人の20年後を描いている。
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海辺のピアにあるベンチでランチタイムに偶然出会った男と女。男は彼女を一目見て強烈に惹かれる。なんとか話しかけようとしては怖じ気づき、でも頭には彼女を讃えるありとあらゆる形容詞が飛来して、長い独白で彼女への募る思いを吐く。やがてぎこちなくも話を始める初対面の二人。女の方は表面上は興味なさそうに男を観察しているが、やがて男が仕事でやりきれない思いを吐き出し始めると、少しずつ相手になる。出会った二人は見知らぬ同士のまま、やがて心の奥底にある闇のような思いをさらけ出し、ベンチで身体を合わせ、そして見知らぬ同士としてひと時の出会いに別れを告げる。

膨大な台詞の量だ。そして、とても叙情的でポエッティックで長い長い独白の応酬はシェイクスピアにも至適する。掛け合いではなく、当たり障りの無い会話の合間に胸の内の本音を長い台詞で描いて行く。凄い本だ。これだけの台詞で心のうち=本音を語るのは挑戦でもあり冒険だ。
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一幕の終わりではそれで分かれたと思った二人が、暗転して2幕になると、同じベンチに少しくたびれたレインコートを着て座っている。前半とは逆の位置に座った二人。1幕から20年が経っている。あの日から付き合い始めてこの20年を一緒に過ごしてきた同じ男と女が、この20年でどんなに二人の関係が失望し、疲れ果て、初めから間違っていたのではないかと、これまた膨大は独白台詞の応酬で語り合う。そこに描かれているのは、ごく普通にありそうな男女の苦しくても現実的な本音だ。生々しい言葉はリアリティーがある、だからこそ「それを言っちゃあ、、、」「そこまで言うか?」と思いつつも、観ていると心の内から裸にされるような奇妙なリアリティー。

リズミカルで詩的な台詞は美しく語られる。必ずしも言葉が奇麗なのではない。聞くに堪えないような単語が並んでいても語られる様が美しい。それはそこに現実があるからなのか、、、、まさにバーコフ氏が鬼才と呼ばれる所以か。「痛い」。耳にも胸にも痛い本音が延々と語られて、どんな大人でもなにかしら「まいったなあ〜〜、、」と思わずにはいられない。こんな本があったなんて・・・・

シェイクスピア張りの本もさることながら、演じる役者の力量には唸ってしまう。決して名の知られた役者ではない。でもこれだけの台詞をあんなにもリアリスティックに、20年という歳月の二人の関係を吐き出して語れるのは凄い事だ。たまに日本に帰った時に芝居を観ると、内容よりもやっぱり役者の技術的な力の差を感じてしまう。声、滑舌、呼吸、身体の動き、感情を微妙な空気で言葉に重ねて表現する技は、何が違うのだろう、、、訓練の仕方か?美しく書かれた叙情詩を、美しく観客の耳に届ける事がどれほど至難の技か・・・

ハーマン氏の演出は、この狭い空間の中、ベンチの周りで二人が語り合って、あるいは責め合って、そして挑発し合って、最後には絶望的な関係になっている様を最小限の動きで聞かせている。目の前にいる(まさに目の前だ)私たちは、二人の言い分をじっと聴き、時に笑い、共感し、そして一緒に失望していくのだ。

こんな芝居が観られるなんて、、、この本はほとんど上演される事の無い二つの一幕ものだけれど、芝居としては小さな宝石のような輝きがある。観た後になんだか「痛い所を突かれた」ようなちょっと気まずい気持ちで席を立つカップルが多いはず。この日の40人程の観客も年齢層は40~50代で、夫婦連れがほとんどだった。私もうちの彼と一緒じゃなくてよかったかも、と密かに思ってしまったよ、、、

芝居って、こういうものなんだよなあ〜〜、、と、ちょっとまた演ってみたくなってしまう舞台だった。






 

谷中で食べ歩き


あっという間に帰ってきてしまった、、、、 そうそう、帰りのBA便、前にも増してサーヴィスが悪くなってたよ、、飛んだらすぐにランチが出て来て、飲み物のサービスは食事と一緒に、、みたいな感じ。そして何と!その後9時間もの間、スナックや軽食は一切無かった さすがに皆途中でお腹がすいたようで、カップラーメンをすすっている人やプリングル(ポテトチップス)をお金出して買ってる人も、、、、あれはないよ〜〜!普通は免税品の機内販売とかもするのに、それも無し。いや、販売はしてるみたいなので、欲しい人は自己申告して買うという感じらしい。もうどんどん嫌いになっちゃうBritish Airways、、、、

さて、今回は東京でいつもと違うエリアへ足を伸ばしてみた。東京育ちとは言っても、やっぱり山手線のある一角はほとんど足を踏み入れた事がなかったりするのだ。
そこで、今回は谷中へ行ってみました

実はなんで谷中かというと、少し前にNHK Worldでやっていた番組を観てほとんど初めて知った。どこぞの国の駐日大使が谷中を歩く、、という番組で、「おお、、行った事なかったなあ〜〜、行きたい!」と思っていたのだ。 

友人と11時半に千駄木で待ち合わせてブラブラと谷中銀座
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入り口には招き猫。実は谷中散歩は日暮里側から紹介されているものが多いのだが、私たちは千駄木から出発。まず入り口近くのお店で食べ歩き第一弾、メンチカツをば、、、
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カリッカリの外側で、中はジューシーなメンチカツ。ソースはなくてもしっかり味がついてる。本当は他にもいろんなコロッケなんかがあって、もっと食べたい気もしたのだが、食べ歩きはやっぱりちょこちょこといろんなものをつまみたい。

少し行くと「しっぽや」というドーナツやさん。NHKの番組で見てチェックしておいた。猫のしっぽという事でいろんなクリームの入った棒状のドーナツ。私は新商品だという、「茶々」=紅茶クリーム入りにした。
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この棒状の太さが丁度食べ歩きにはぴったり。中のクリームも重くないからぱくぱくいける。これも本当は2−3本食べられそうだった。
谷中銀座は思ったより短い通りだ。初めてなのでキョロキョロ見ながらまず夕焼け段々まで歩いて、もう一度戻ってみる事に。この夕焼け段々と呼ばれる坂の周辺には猫が多い、と聞いていたのだけれど、実はこの日は1匹も見かけなかったのでした。ちなみにお昼時なので、夕焼けも見えません、、、

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この後もう一度戻りながら天ぷらや蓮のはさみ揚げ等、食べ歩く。地元で働いているらしい人達は、観光客とは別の列でお弁当を買って行く。食べ物だけでなく、小さな個性のあるお店が沢山並んでいて、2−3往復しないとちゃんと見られないかな、、
とりあえず食べ歩きの締めはやっぱりアイスクリーム。
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普通はソフトクリームに付いてくるのはワッファーだけど、 小さな猫を型取ったカスタード入りのミニどら焼きが添えられていた。ここ「招き屋」の猫型のどら焼きは「福にゃん焼き」というそうだ。本来はちゃんとあんこの入ったどら焼きを焼いているのだけれど、何せ私はあんこが嫌いな人間なので、抹茶のソフトクリームを頂いた。結構満腹。千駄木近くへ戻っていかにも昭和な喫茶店でアイスコーヒー。椅子に張られたビロードがいかにも古い感じ

谷中、根津、千駄木を総称して「谷根千」というらしい。ブラブラと根津神社まで歩く。赤い鳥居の列で有名だけれど、一度も来た事が無かった。
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 もっと裏道とか上野方面まで行くという手もあるみたいだけれど、とりあえずは午後の数時間散歩という言う事で、丁度良かったかな。
いつもは来ない反対側の東京。まだまだ懐かしい匂いのする場所があるんだね。うん、素敵です、文京区

初の銀河劇場ー「鱈鱈」


日本に来て3日目から鼻風邪をひいて4日ほど調子悪かったけれど、幸い喉に来る前に追い返すことに成功。連日誰かとランチの約束が続いて食べまくり、、、日本にいればこんなにいろんな美味しいものが手頃なお値段で毎日食べられるのかと思うと、まるで違う惑星に来たみたいだ

今回は丁度「鱈鱈」を上演中なので予めチケットを取ってあった。銀河劇場は初めてだ。幅の広い造りで、客席空間が大きい。韓国の劇作家という事で、今までとは少し違う空気の芝居かな、、といつものように予備知識無しで観る。

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この芝居、創る側にとっては面白いだろうなというのは観ていて思った。本を読みこむほどに色々見えてくるものがある芝居で、役者も演出家もきっと台本を読み込んで創っていったのだろう。でも、一度しか観ない一観客としては、それが今一つ、もう一歩で見えてこない部分があった。少人数の芝居というのは其々の相手との関わりが線で見えてくると解りやすい。その線がちょっと点線にしか見えない部分があったような印象だ。

日本で演劇公演で思うのが、不要な前宣伝かもしれない。この舞台はホリプロ制作で主演に藤原竜也を銘打っているので、まず公演が発表された時点で、「藤原竜也が同性愛者を演じる」と、宣伝されていた。でもそれは芝居を観て解れば良い事で、むしろ必要ない宣伝だったように思う。というのは、彼がずっと一緒に倉庫に住みながら働いてきた同僚をひそかに好きなのだという事は、芝居を見て「ああ、、」と気付きたかった。藤原さんはちゃんとそれが見えてくる繊細な演技をしていたので余計にそう思う。

正直に言うと、藤原さんの演じた役は、ゲイというより、「ちょっとIQの低い半分OCD」という設定なんじゃないかとさえ思う。そう思って観ていて、「ああ、彼を好きなんだな」と思わせるあたりは、余計な前宣伝は要らなかったね。ここで役名をチェック。舞台では相手の名前を呼び合う事はなかったように思うので、役名を覚えているのは「ミス・ダーリン」だけだ、、、あ、解った。藤原竜也=ジャーン、山本裕典=キームね。

山本さんの演じたキームのほうがキャラクターとしては解りやすい。長い間ず〜っと倉庫の中で昼も夜も働きながら一緒に生活していたこの二人に転換期が訪れるのだが、この二人をかき回すことになるミス・ダーリンがこれまた難しい役だ。中村ゆりさんは初めて観たけれどミス・ダーリンのいろんな側面を演じ分けて見せていた。でも、その切り替えが唐突で、なんでそういう顔に急になるのか理解しきれない。きっと演じている役者には意図があるのだろうけれど一度しか観ない観客には一発で解らない、、、というもどかしさ。

観終わってプログラムで補足しようと思って高いな、と思いつつ購入した。ちなみにロンドンで芝居のプログラムは600円前後だ。プログラムにはその芝居が書かれた時代的・社会的背景とか、作者の意図とか、それが及ぼした影響とか、芝居を理解する要素が沢山書かれていて、観た後に読むと参考になって面白い。出演者の紹介は略歴やキャリアの代表作を羅列するだけ、というのが普通。でもこのプログラム、読む価値があったと思えたのは演出の栗山民也さんのページと藤原・木場両氏の対談くらいだ。(この対談も、このプログラムでじゃなくてもよかったかも。)これでこのお値段はちょっと驚き、、、

時代的に少し古いのかと思ったけれど、90年代の作品なので、社会的背景は少し違うのだろう。韓国の労働階級が倉庫で寝泊まりしながら何年も箱を積んで並べるだけの仕事を一日中しているとは、、、、思えないよね?? 嫌だ嫌だと言いながら結局10年以上も倉庫にいたキームが最期に自分の生活を変える決心をするのも、現代的感覚だと「そんな結婚いつまで続くんだよ??」とツッコミたくなるのだけれど、ちょっと現実とはちがう状況に設定することでこの芝居に奥の深さを与えているのは良く解る。

やっぱりこの芝居は創る側にとって面白い本だな、という事。観ていて「これ、台本で読みたいな」と思ってしまった。でも観る側は2時間弱の一回だけ。今一つ、「こだわり」が見えてこないもどかしさが残ってしまった。テンポもあまり変化がないので時差ぼけの身としては途中で眠くなってしまった。もう少し速いテンポで回せるシーンもあったと思うのだけど、、、が多い、、、持たせられない間は眠くなる。その点ではやっぱり藤原竜也という役者は間を持たせて引き付ける力がある。これはやっぱり天性のものかな。

役者は皆さん良かった。木場さんの役はミス・ダーリンよりも「外からの侵入者」というインパクトがあった。チームとしては良いんだけど、なんだろう、、、やっぱりこだわりなのかなあ、、?芝居っていうのは観る人の感想や思いは皆違うのだから、とにかく舞台から「おれたちの芝居はこれだ〜!」っていうこだわりが見えてくれば良い悪い、好き嫌いの判断ができるのだけれど、そのこだわり感が弱いというのが印象かなあ〜、、。そういう意味で、やっぱり蜷川幸雄という演出家はこだわりをきちんと見せて、役者にもそれを要求する人だったんだなと改めて思う。

面白くないとは言わない。結構深い本だし。全く違う舞台にもなりそうだし。でもこれで「完成版」なの、、?という印象。なんとなくまだ終わっていない不思議な感じ。いや、もしかしてそれが狙いなのか・・・


Hello Tokyo!!


着いた着いた、、、、

私が日本に行く前日になって、なんと同僚のM嬢が肺炎で入院してしまって、大慌てのボスを尻目にやってまいりました日本。 BA(ブリティッシュエアウェイズ)は去年同様まあまあ、、、でもね、12時間のフライトで2回の食事が両方ともチョイスが無かったのはちょっとね〜〜。食事のメインは数に限りがあるのは解るけど、バランス良く勧めるとか、配る順番を変えるとかできないのかしらね。2度の食事を両方とも「ありません」って言われてた人達、気の毒だったよ。(私は両方とも欲しかったほうが残ってたんだけどね

2日前には台風情報が気になってて、丁度着くときに関東地方に来ないといいなあと思っていたのだが、どうやらそれは大丈夫だった。まだ暑いね〜東京は、、、、以前のヴァージン便よりも早い時間にしかも羽田に着くので、実家までの道のりが早いこと。モノレールとタクシーで30分程で家に着けるのは有難い。

朝着いたらまず行動。とはいってもなにせ徹夜状態だから遠出は無理だ。初日はお昼過ぎからネイルと、その後にはマッサージの予約をあらかじめ入れておいた。電車に乗って行くのはきついので、歩いて行かれる所。ネイルの間はまだよかったけれど、さすがに足つぼマッサージとボディーマッサージの時には半分意識が遠のきそうになった、、、「寝ちゃいそうなので強めにお願いします」と言ったら、足つぼはかなり痛くやってくれた

今回は機内で2時間ほどウトウトしたし、12時間が割と楽に過ぎたので夜まで寝ないでいられたら、、と思うもののやっぱり頭の回転はかなりスローダウンしている。ヒルズでネイルをやってもらって歩いているとこんなものが

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ん、、、?ロンドンバスだ。頭が混乱してるのか、、?いや、良く見るとこれは旧型のルートマスター。こんなところにも来ていたんだね〜と思わず目を細める。直前まで仕事が大変だったし、バタバタと出てきたので実感がまだあまりない。去年の今頃と東京の記憶が繋がっているのもあって、1年経ったという感覚がないんだよね。もう毎年の事なのだけれど、このロンドンと東京の時間差・距離感というのはなんとも説明できない不思議な感覚だ。

さてここから二日目。
今日はこれから髪を切ってもらって、友人と初日ランチ。夕方には整体に。昨日足を中心にほぐしてもらったから、今日の整体で体を調正できたら後が楽になるかな。

今回は観劇が1本、映画は友人たちのお薦め候補から邦画を2本。本当は1泊独り旅で金沢にでも、、と思っていたのだけれど、ごたごたしているうちに手配しないで来てしまった。またにするかな。







目が四角、、、


なんと!一ヶ月飛ばしてる、、、その間に今年の里帰りまであと2週間になった
この夏はなんだかテレビやネット観まくりで、ブログをすっかり放置していた。っていうか、時間が足りないよ、、、仕事終わって夕飯食べて片付けたら大抵9時頃、ちょうどオリンピック・パラリンピックが始まるから(イギリスの夜がリオのお昼過ぎ)思わず観てしまう。他にも録画しておいた番組に追いつくだけでも夜は終わってしまう・・・

いや〜〜、RioはオリンピックもパラリンピックもTeam GBは大活躍で、ロシアのドーピング問題が影響していたとはいえ、どちらの大会でもメダル獲得テーブルで2位という快挙! 来月、メダリスト達の凱旋パレードがあるそうだけれど、なんと!私は日本滞在の最後の日という事でこっちにいられないのが残念・・・・

この夏は日本のドラマも私としては好きな役者の当たりクールで、結局「真田丸」と「遺産相続弁護士・柿崎真一」「そして誰もいなくなった」後半でWOWOWが放映した「賢者の愛」を観ていた。 
こんな感じで英語・日本語でテレビやネットを観ていたら、毎日夜中の2時過ぎになってしまうのだから、ブログを書く暇はほんと、ありませんでしたわ・・・・まさに「目が四角」状態で睡眠不足の身体を引きずって仕事に行くのが精一杯、、、

日本のドラマ、、凄く面白い!と思って観ていたか、というと少し違うけれど、いや、「真田丸」は面白いよ!(これはやっぱり脚本の三谷幸喜さんの筆力と役者一人一人への愛情がものをいってる)藤原竜也、三上博史両氏が同じクールに出てる事って滅多にないからね。

そして誰もいなくなった」は最初の回で、全く先が読めなかったから、どうなって行くのだろう??と思ったけれど、藤原さんがしっかり芝居しているので安心した・・・・
それにしてもどうなったのが釈然としない部分もあったよね。馬場さんはもしかしてエイジの父親か、、?なんて思ったりもしてたのだけれど、結局車ごと海で死んだ、という事でいいのか、、、??
このドラマの撮影中に蜷川さんが亡くなって、何年も前からその時」が来てしまった時の役者・藤原竜也を心配していたのだけれど、ブレていなかった。それが観たかったんだ。10月には蜷川さんがいなくなって最初の舞台。丁度里帰り中だから観に行かれる。頑張れ!!

深夜枠だという「柿崎、、、」はまあ娯楽作品という事で、力を抜いて観た。はっちゃけた三上さん、久しぶりだ。夏の夜に一話、怪演炸裂の回があったけれど、やっぱり好きだな〜三上博史という役者!前に観た「明日ママがいない」も凄く良かったし、WOWOWの「贖罪の奏鳴曲」でも思ったのだけれど、若い頃の三上さんは痛みをそのままナイフの切っ先のように表現していたけれど、最近は痛みを抱えて時を重ねて来た、その時間を感じさせる演技になったと思う。やっぱり三上さんももう50代だもんなあ〜〜と思ってしまう。(見た目、全然そうは見えないけれど)痛みを知っている優しさ、みたいなものが表現できる年代になったんだね・・・

実は連日寝不足の原因のひとつは、もう一人、しばらく忘れていた(?)田辺誠一さんを改めて観ていたのもある。「賢者の愛」で、あれ?、、と思ったのだ。今までけっこうあちらこちらで観ていたのに、なんだかこの15年くらいなんとなく観てしまっていた。彼の事は役者としてよりも、私が初めてiMacを購入した頃(2000年になる頃)、もう既にデジタルな事には先駆けしていた人なので、当時、短編映画を監督として撮ったりしていた頃にちょくちょく彼のサイトをのぞいたりしていた。役者としてはやっぱり第一印象はガラスの仮面=紫の薔薇の人・速水真澄だった。でも映画の「ハッシュ」やマンガチックなドラマでサイコな役をやってたりしたなあ〜と思って、ちょっとネットで探してみた。(このサイコな役をやった「サイコメトラー」で、後に奥様になる大塚寧々さんに「君は僕のものだ!」と言ってるのが凄い)

元モデルで役者になった俳優といえば、竹野内豊さんもそうだし、大沢たかおさんとかいるけれど、この人が一番「役者」なんじゃないだろうか、、、と思ってちょっと探してみると、そうだ、この人も蜷川さんの舞台に何本か出ていたんだよね。最初に観たガラスの仮面から3−4年の間に凄く演技が変わってる。コメディータッチのものも、ちょっとニヒルでサイコな役もちゃんと演じている。最近は画伯としての地位も固めた事だし、ご本人のふんわりした部分と、コミカルな感性と、そして本来の自分とは違うかもしれない役を躊躇なく演じる術を持っていると思う。 「賢者の愛」で思った。田辺誠一さんにはもっと文芸作品のようなものをやって欲しいなあ〜情緒っていうのかな、そういうものが表現できる人なんじゃないだろうか・・・次のクールでは市民相談員でキレる役をやるらしい。楽しみ。

そして気がつけば、日本行きまであと2週間!!ひたすらこの里帰りを楽しみに1年間働いて来たんだよ、、、後少し、もう少しだ!!10月に入ればまたスケートのシーズンになるし、F1のレースもあとちょっとだし、労働党の党首選も投票が終わって週末には決まるし、来年になったいよいよBrexitが本格化するだろうし、、、あ〜あ、やっぱりあれこれあれこれと忙しい毎日なのだよね・・・

 

夏の夜の大道芸=「三文オペラ」


時差の関係で寝不足になりがちなリオ五輪も終わった〜〜。前回のロンドンからもう4年も経ったという事が信じられない。連日寝不足になりながら(日本はもっと大変だった?)も、チラチラといろんな競技を観た。今回のチームGBは、メダルテーブルでなんと 中国を抜いて2位

オリンピックってやっぱりその国の活躍選手を追いかけるので、日本選手達の活躍がなかなか観られなかったけれど、英国もメダルに関わった体操やテニス、陸上では日本の選手が観られた。今までいちどもちゃんと 観た事がなかったフィールドホッケーも初めて観たし。(イギリスが金)

さて、夏に芝居を観に行くのが楽しみなのは、ナショナルシアター(NT)。テムス沿いのサウスバンクになるNTだと幕間の時間にもまだ明るくて、テラスからテムズ沿いのロンドンが見渡せる。
今回は久しぶりの「三文オペラ」。

三文オペラは数年前に日本で宮本亜門氏演出の三上博史さんのヴァージョンを観て以来。ロンドンで最期に観たのはえ〜っと、、、94年、もう12年前かあ〜〜!!実はこの時のDonmar Warehouse のヴァージョンがとっても好きで、オリジナルキャストのCDもダウンロードしてよく聞いていたので、すっかり歌詞をこのヴァージョン で覚えていたのだけれど、実は「三文オペラ」の原語はドイツ語なので、英語での上演もプロダクションによって訳が違う。私が耳慣れている94年版はかなりストレートでちょっとお下品な部分もあるのだけれど、今回のはもうちょっとソフトで解り易くて、この演出に合っていた。

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全体のイメージとしては1920年代の大道芸という感じ。幕開けはブラスを中心にしたミュージシャン達が舞台の上で大道芸のように奏でるOvertureで始まる。役者とミュージシャンが入り交じっていて全体でのパフォーマンスという創りはなかなか良い。この戯曲のドイツでの初演は1928年なので、考えてみればこの空気が巧くはまるのも当然か。舞台装置もパネルや骨組みを巧く使って、完全に奇麗な絵としては仕上がっていない感があって、それが結構良い。NTに4つある劇場の中でも、このTheatre Olivierは舞台全体を2重に回せる装置があるのが特徴。それを巧く使っている
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こういう空気というか、匂いって結構好きだなあ。幕開けで言っているとおり、これはたかだか3文のCheapな芝居。ちなみに英語でCheapというのはただ値段が安いという意味だけでなく、質も安っぽいという意味合いがある安かろう悪かろう、がcheapなのだ。質が良いものが特別価格で安くなっている場合は、「It's cheap!」とは言わない方が良い。

日本語訳だとメッキー・メッサーだけれど、この名前、英語版ではあくまでも三文オペラのオリジナル=Begger's Operaのキャラクター、Macheath(マックヒース)で通っている。実はこの舞台、あまりマックが目立たない。というと語弊があるけれど、マック独りが主役という創りじゃないのだ。あくまでもざわついた大道芸、マック役はその中の一人。そしてこの役者がこのイメージには良いんだけど、私としてはマックにはもっとワルの色気が合って欲しいのだが・・・・魅力はあるんだけど、セクシーさがちょっと足りない?、、、、対して、色気があったのはタイガーブラウン。軍隊仲間だったマックになんとか情をかけてやりたいという男心が垣間見えて良かったなあ。

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今回のポリーはちょっとお固い秘書みたいな感じで、ピーチャムの娘としては堅物な感じ。でも本来の堅物が恋をすると突っ走っちゃうんだよね、、、、2幕での女二人の対決=ポリーとルーシーの歌合戦は、黒人女優(ルーシー)の大声量とポリーの高ソプラノで、拍手を取っていた。
キャストを見て気がついたのは、12年前に観たヴァージョンでポリー役をやっていた人が今回の舞台でジェニーを演じていた事。CDで聞いていたポリーでの声より12年経って、ぐっと大人な深みがあった。
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そういえば、前回日本で観たときの感想をもう一度読み返してみたけれど(こちら)、やっぱりどうしても日本人がやると匂ってくるようなセクシー感をなかなか出せないんだよね。だから亜門さんのあのブリブリなポリーやキティーちゃんの演出がとても日本っぽくて成り立っていたっけ。
映画、舞台でこの三文オペラも4−5回観たかな。いつも楽しみだけれど、この舞台も面白かったよ。1回休憩の3時間。個人的にはやっぱり12年前のTom Hollanderのマックに軍配が上がってしまうかなあ〜〜。これは歌唱力が大きいかも。セクシーなワルの魅力があったしね

オリンピックが終わって、次はパラリンピック。そうしたら夏も終わるなあ〜〜〜





 

5p対決 ー スーパーの有料袋


久しぶりでイギリス生活での話題を書いてみようか、、
以前は無料だったスーパーの袋が去年の秋からの法律で有料になった。大型店では一袋につき5ペンスがチャージされる事になり、以来、使い回しの袋を常時バッグに入れている。大型店の定義は従業員が250名以上いる企業が対象で、角のニュースエージェントなんかは今でも無料でくれるけれど、いわゆる「名のあるスーパー」は軒並み有料となった。 

最低で5pだけれど、各スーパーは大きさや強さによって5pから20pまで揃えていて、家族で1週間分の買い物をする人は丈夫で持ち易い袋を追加料金で買っている。私の場合は買い物の量や重さからいっても5Pのもので充分なのだが、それでもたまに重くなると持ち歩いている袋では足りずに買い足す事もある。

このスーパーの袋、一口に5Pといっても店によってその袋の質にはかなりの違いがあるように思う。面白いのは、格安スーパーの袋の方が、高級指向の店のものよりずっと丈夫で何度も使えたりするのだ。値段が安い上に袋も何度も使えるというのは嬉しい限り

ちょっとランク付けしてみると、中流階級をターゲットにしているWaitrose、M&S, Sainsbury's の中で、私が一番利用するのはWaitrose
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タウンセンターだけでなく職場の間の前にも小さな支店があるので一番利用する。クレジットカードも作ったし、割引がされるメンバースカードもあるので利用度は一番高い。メインの食料はここで調達する率が一番高いのだけれど、野菜はなんだか種類も少なくて質もイマイチ。それより実はここのバッグが一番弱くて薄くて、一度使ったら後はゴミ出しに使うくらいしか手が無いのだ。ペラペラだから、箱入りのもの(パイとかピザとか)を入れていると、角が切れてしまう事も・・・

労働階級スーパーのTesco, Morrionsは、Waitroseのものだけでは飽きてしまうので、特に職場近くの大型のMorrisonsはよく利用する。店舗が広くてなんでもあるけれどやっぱり野菜の質が今ひとつ。それでもお値段はWaitroseより少しお安いし、ちょっと珍しいものもある。(缶のSapporoビールとか)このMorrisons とTescoの袋はまあ5Pとしては丁度良いといったところか、、、2-3度使ってゴミ入れに。Tesco のカードはBAのマイレージになるので使いたいのだけれど、ちょっと場所が悪い。ショッピングセンターの中じゃないので、わざわざTescoに行くために方向をかえなくちゃいけないので、どうしても利用頻度が下がってしまう、、、

ドイツ系のスーパーで今一番人気なのがAldiLidlという二つのスーパー。よく比較されてライバルと呼ばれるこの二つは他と比べると格安のお値段で質も結構良いのでイギリスで人気だ。うちの近くにもLidlがあって、かなり良いお野菜が並び、店内ベーカリーで焼かれているパン類も豊富。ここのパンを買いに仕事が終わって駆けつける。何せすべてが他と比べると格段に安い。同じメーカーの同じ商品なのに、、だ。そしてここのバッグは星4つクラス!少し大きめだし、丈夫なので何度も使える。
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LidlとAldiに共通しているのはドイツ系というだけでなく、店内がなんとなく少し暗い。余計な飾りや華やかさを一切省いてその分商品が安い、という印象だ。初めはなんだか陰気な感じがして違和感だったのだけれど、慣れてみれば別に店内の雰囲気なんてどうでも良いという事に気づく。ただ、品揃えはWaitroseやMorrisons と少し違う。「いつものあれ」が無かったりするので、ここだけで買い物の全てを済ませるという事はあまりない。まずここで買えるものを買って、あとは他の店で揃える、という事になる。

さて、5pバッグの大賞は、なんといってもここでしょう。Sainsbury's。中流志向のスーパーで、大型店は本当に品揃えが豊富で海苔やお味噌、えのきやじめじ、練り梅干しなんかもあるのだけれど、残念ながら今の家からはちょっと不便。でも今年の春に家から5分の小型のスーパーが店を閉めた後に、Sainsbury'sのコンビニ版がオープンした。小さいけれど、「ちょっとあれが無い」という時に便利だし、家からは一番近いので、しょっちゅうではないけれど、買い足しが必要な時やタウンセンターまで歩きたく無いときに利用している。
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ここの5pバッグは他店の7P~10Pバッグに至適するくらいに丈夫で大きさもたっぷり。しかも横開きではないのでスマートに持ち易い。いかにもスーパーのバッグですという感じがしないので、一度この店に行くと袋をずっとバッグに入れて持ち歩くようになった。

今思うと、実は私が初めてロンドンに来た頃もスーパーのバッグは有料だった気がする。それがある時期から無料になって、それが当然と思っていたけれど、また時代は変わったという事か。袋はいつも最終的にはゴミ捨てに使ったいたけれど、確かに大量に残ってしまっていたのが、最近は無駄がない。

もちろんこちらでは、レジで他の店の袋を取り出しても全く意に介さないばかりか、見れば隣の人も同じ袋を出してたりして、、、Waitroseのレジで隣に並んだ人と「Sainsubury'sの袋が一番よね」なんて会話もよくする

小さな事のようでも毎日の買い物となるとあれこれ番付したくなってしまうのだ。

 

どんどん出てくる=The truth


連日Brexitで大騒ぎな中、一転二転して無事に新しい首相が誕生した。サッチャー氏以来の女性首相の誕生だ。Brexit勝利の時には、真っ先に首相候補として元ロンドン市長で離脱派を率いたジョンソン氏が上がっていたのに、 親友官僚の裏切りにあって出馬を断念。ところが新内閣に「外務大臣」として就任するというドラマさながらの展開だった。本来は新首相が決まるのは10月と見込まれていたのが、首相選に残ったのがメイ女史だけ=そのまま決定、という事で、あっという間にキャメロン首相は10番地から引っ越す羽目に・・・・ニースのテロ、トルコの反逆劇と、メディアはまさに大忙し

政治はさておいて、レビューで絶賛されているコメディーを観て来た。「The Truth
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嘘をつくのと本当の事を言わないのは違う、なんてよく言うけれど、今回観た芝居は、「真実を話そうかどうしようか?」から 始まって、実は知らなかった事がどんどん吐き出されてくる、、というもの。
不倫をしているカップル。実は旦那同士は親友という事で、彼女の方は「いつまでもコソコソ会わなきゃならないのはいやだから、私たちの事を話そうか」と言い出したから、男は大慌て、、、という所から始まる。 

登場人物は2カップルの4人。不倫カップルはアリスとミシェルで、アリスの夫=ポールとミシェルは長年の親友。女医のアリスとビジネスに忙しいミシェルは、いつもミシェルのビジネスミーティングの合間にホテルで抱き合うという関係をもう数年続けているのだが、そんな刹那な関係に疲れ気味のアリスが、「もっと二人の時間を持ちたいわ、旅行にでも行かない?いっその事ポールとローランス(ミシェルの妻」に私たちの事を打ち明けない?」と言い出したものだから、ミシェルは仰天。とりあえず次のミーティングを「具合が悪い」とキャンセルしてアリスと午後いっぱい過ごした後、家に戻ってみるとミーティングに参加しなかった事が妻にバレている、、!思いつく知恵を振り絞って取り繕ったものの、妻は実際には「もっと知っている」様子・・・ 

お互いにパートナーに嘘をついて週末の夜を一緒に過ごそうと出かけて来たものの、家からかかってきた電話で話すうち、嘘がバレないかと肝を冷やす羽目になる。誰がどこまで事実を知っているのか、知っているのに知らない振りをしているのか、自分の撒いた種なのに、状況が変わるにつれて逆ギレするミシェルと、実は虎視眈々と相手に逆襲する機会を待っていたかのようなポール。一言の台詞で立場が一転する、という連続で、ちょっと恐い爆笑コメディーになっている

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脚本はフランスで大人気らしい若手のフローリアン・ゼラー。まだ30代半ばだ。そして翻訳にはクリストファー・ハンプトン。 フランス作家のハンプトン訳で似たようなタイプの芝居と言えば、何年か前に観た「God of Carnage」がある。会話していくうちに状況が変わって怪しんだり逆ギレしたり、という展開も良く似ている。展開によって弱気になったり勝者になったり、実は裏切られていたり、真実=The Truthが出てくる度に立場が逆転していく、という作りはハロルド・ピンターの作品にも近いものがある。

普段は女医としてキビキビと仕事しているアリスが、二人の時には「もっと甘えたい女」になったり、一見やり手のビジネスマンで女や妻には口が巧いミシェルが、嘘がバレているのでは、、と思い出した途端にみっともないくらいに慌てたり怒り出したりするのが見事に面白い。対照的に、ポールは今は失業中でちょっと冴えない感じだけれど、実は長年の金融マンとしてのキャリアと落ち着きがあり、口には出さないけれどじっくり状況を見据えている感じがある。ミシェルの妻のローランスも良妻賢母タイプでありながら、「実は知っていて知らぬ振り」をしているような、本音を隠しているタイプだ。

アリスとミシェル、そしてポールとローランスという陽と陰のような対照的なカップル、、、いや、本来のカップルはアリスとポール、ミシェルとローランスなのだが・・・・

会話はどんどん真実を表し、最期にはどうやらアリスとミシェルの事は双方のパートナーはもうずっと前から知っていて、それどころかポールとローランスも不倫関係にあった、、 毎週のテニスで何年もずっとポールに勝ち続けていたミシェルだけれど、どうやらそれもポールがわざと負け続けていたのかも、、??まさに「真実や如何に、、?」という感じの終わり方だ。

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最期は、どうやらポールがスウェーデンで新しい仕事に就く事になったようで、「これで不倫もおしまいだ、また二人でやり直そう」と妻を抱きしめるミシェルだけれど、ローランスの顔は複雑。「ポールとの関係なんて無かったわ!」と堂々と夫に言い切ったものの、その顔は明らかにポールが遠くへ行ってしまう事のショックと、そして本当にこれからこの夫と幸せにやっていけるのか、という疑問と、夫の言葉を信じていいのかという迷いと、、、、見事に複雑な表情を見せて幕が下りる

休憩無しの2時間弱という芝居が私は好きだ。台詞の展開でついていける丁度良い長さ。才能のある若い作家がどんどん活躍してくれるのは本当に楽しみだ。これから時代を超えて何度でも上演されていくような新しい作品の一つになるといいね。 

Brexit ー舵取りの行方ー


もうすっかりお馴染みになった新語=Brexit。(間違いなくイギリスの流行語大賞)23日に行われた国民投票で英国はEUから「離脱」するという結果がでてしまった
私もこの結果には驚いた。もちろん気持ちの上では「抜けちゃえ〜〜」とは思っていたけれど、冷静にいろんな角度で考えると「やっぱり僅差で残留が勝つかなあ〜」と思っていたので・・・

今回の結果は地域によって、そして年齢層によってはっきりと結果が分かれた。1975年のEU加盟の時から今までのイギリスを生きてきて「やっぱりこれは駄目だ」と離脱に回った高年齢層と、生まれたときからEUの一国としてのイギリスで育ってきてそれが当然と思っている若い世代。スコットランドと北アイルランドは圧倒的に残留派が主流で、イングランドではロンドンと地方でくっきりと票が分かれている

私には投票権はないので、この2ヶ月ずっと毎日投票に向けての両者のキャンペーンを見て来た。BBCのニュースでもやっぱりなんとなく残留寄りだなあ〜と感じたものだ。新聞各紙は最初は報道の平等性を保っていたものの、直前になって各紙が「私達はこっちを支持する」と表明して、これもまた面白かった。

キャンペーンのやり方としては、残留側は 地方の労働者達のレベルで説得しきれなかったのが敗北の原因だと思う。テレビでいくら立派なスーツを着た教養豊な人達が経済だの世界に於ける英国のパワーだのと言ったところで、別世界の事のようにしか感じられなかったのだろう。彼らにはこう言うべきだったのだ。
EUを出るという事は、ポンド価値が下がればホリデーに行くお金が今よりずっとかかるし、ビザだって必要になるでしょう。ヨーロッパ各地に飛んでいる格安航空会社だって路線を減らしたりあるいは無くなるかもしれません。£1-00で何でも買える激安ショップも、軒並み閉店するでしょうし、 関税がかかるようになるからフランスへ安いワインを買いに行くなんて事もできなくなります。

開票結果が出た途端に英ポンドが急落し、株式市場が大揺れになってるのを目の当たりにして、離脱に入れた事を後悔してる人がいるというのだから「あんたらは馬鹿か!?」と笑いたくなっちゃうよね。 はじめっからそう言ってたでしょうが!!毎日のニュースや討論会を観てなかったのかい!?

キャメロン首相は、10月をメドに首相の座を次の人にバトンタッチして、EUとの離脱条件の交渉に入るように 、と言っていた。彼の敗北スピーチはなかなか良かったよ。いさぎよく国民の意図を結果として受け止め、でも自分は残留を強く望んでいたのだから、EUとの離脱交渉はできない、という。当然だよね。彼が目指していたのは、EUの中で力を持つ英国だったのだ。シェンゲン協定にもユーロ通貨にも参加していなかった英国。そして残留の条件としてもっと独立した力を持てるように交渉して行きたかったのだ。それは100%今ある問題を解決はできないとしても、正しい方向性だったと思う。

ただ、やっぱり普段の生活レベルで決めた人達を納得させられなかったという事だ。生活レベル、それは移民が増えすぎて仕事が無い、あっても生活できない程の低賃金だったり、ファミリードクターに診てもらうのに2週間もアポがとれなかったり、外国人達の「英国のマナーを知らない」振る舞いだったり、移民が増えて子供を学校に入れられなかったり、、、という現実。 堪忍袋の緒が切れていた人達に、いくら世界経済を云々言っても伝わらない。

本当にEUを抜けてやっていくには、離脱交渉でどこまで英国がEUとの繋がりを保てるかが鍵だ。そのためには本当に力のあるリーダーが首相にならないとそれこそ世界の隅に追いやられた島国になってしまう。保守党は、EU投票では両派に分かれたものの、今後キャメロン氏の後任を決めるにあたっては、「こうなったらこの道でやるしかない」という思いの人達が両派から党首に立候補するようだ。一番候補は真っ先に首相に対抗して「離脱」を叫んだ前ロンドン市長の ジョンソン氏といわれているけれど、党内では「反ジョンソン派」も多数という事だからどうなるか、、、

それよりも笑っちゃうのが、この投票後に完全に崩壊状態になってる第一野党の労働党だ。EU投票では労働党はキャメロン氏の側について残留をキャンペーン。ところがこの結果になったものだから、党首のジェレミー・コービン氏に不信が集中。元々コービン氏は党首になった時点で、「まさか、、、」と思われたものだけれど、この2日間で影の内閣(Shadow Cabinet)の官僚がなんと18人も辞任してしまうという総崩れぶり。(イギリスでは第一野党はいつでも取って代われるように、正規の内閣と同様の大臣職を決めている。彼らは「影の内務相 」とか「影の金融相」と呼ばれるが党首は首相ではなく「Leader ot Opposition」と呼ばれる。 )明日にでも党首不信任を問う党内投票がありそうだ。

まあ、とにかくこの週末はほんとにBrexit に始まり、これがずっと続く、、、という事なのね。

ただ、水を差すようだけれど、実は国民投票の結果というのは本決まりではないのです。 

投票結果を議会が討議して決定して、初めて法的に有効になるわけで、極端に言えば「あまりにも僅差の結果だからこれを推したら国に混乱を招く」とかなんとかで議会がこの投票結果を無かった事にしてしまう事もできるわけです。国民投票の結果はまだ覆される可能性も残っているという事で、本当にこれからますます面白くなっていくイギリス。まあ、そうは言ってもこれを覆したりしたらそれこそ全国で暴動が起きるかも、、、やっぱりそれは無いかなあ〜〜
2-3ヶ月後にはどうなっている事やら・・・・ 

叶わなかった夢ーMusical Titanicー


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久しぶりのミュージカルは、1997年にブロードウェイで初演され、その年のトニー賞で5部門を制覇した「Titanic」。初演時はセットも大掛かりで、同じ年に大ヒットした映画版の「タイタニック」と並んで、米国は映画・舞台とタイタニックの年だったと言える。
2013年にロンドンでの上演の際に本を修正し、セットも余分なものを削ぎ落として、人びとのストーリーがもっと見えてくるように手直しがされたそうで、今回の舞台もこのロンドン版の再演だ。

今やだれもが知っている豪華客船「タイタニック」の悲劇を、多くの人達の「叶わなかった夢」として語っている。産業革命の頂点とも言える11階立ての超豪華客船。イギリスからアメリカへ、大西洋を渡る1週間の旅に夢と希望を託した登場人物は大きく3つに分けられる。船の設計者、所有者、船長。船で働くスタッフ達。そして乗客。 さらに乗客はクラスによって一等客室から三等客室の乗客達がいる。
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この船に乗った人たちには其々の大いなる夢と希望があった。 船の設計者・所有者・船長は世界一の豪華船を実際に創り上げ、大西洋を渡る「海に浮かぶ町」を自分たちの力で運行するという栄誉を人生で最大の功績だと信じている。一等客室の富豪階級は、自分たちの身分に世界一の豪華船での船旅という新しい特権を得て、これからもこんな豪華な人生が続くものと期待している。セカンドクラスの中流階級はこの船旅でさらに上のクラスの人達と交流し、アメリカでもっと上の社会に合流できる事を夢見ている。そして3等客室の人達は、階級制度の無いアメリカで、自分の能力が認められてもっと良い暮らしができると希望に満ちてこの船に乗ったのだ。
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この本では、登場人物は実際に乗船していた人達をモデルにしていて、名前もそのまま使い、生存した人からの話をリサーチして書かれたという事だ。全てが事実という事ではなく、あくまでも実際に船に乗っていた人たちを登場させる事で、その瞬間に生きていた人達のストーリーを描いている。

確かに装置は2階に分けたデッキだけで、ごちゃごちゃした華やかさは出していない。けれどなんといっても皆知っているストーリー、映画やドキュメンタリーを見た事のある人ならその豪華な背景は容易に想像しながら観る事ができる。それよりも、目の前(舞台の上)で、この船に集まって来た人びとの沢山の大きな夢が、叶う事なく暗い海に沈んでいってしまうのは、観ていて胸が痛くなる。

この中には運良く助かった人達もいる。実際の登場人物はもっと多いのだが、それを20人の役者達が2−3役を演じていて、これが「上流階級でも下層階級でも人びとの思いに違いは無い」という印象だ。このミュージカルの作曲者、Maury Yestonはアメリカ生まれで他にも数々のヒットミュージカルを書いているが、英国系の子孫だそうだ。タイタニックの悲劇があった1912年には彼のおじいさんがロンドンのコヴェントガーデンでマーケットに店を出していたという。そんな思い入れもあって書いた作品だと語っている。彼自身の中のイギリスとアメリカを結ぶ意味でも、実際の乗客をモデルにしたというイエストン氏の哀悼の意図がみえる。

ちなみに上演されている劇場はCharing Crossというロンドンでも大きな鉄道駅の真下にあり、時折、テムズ川を渡って駅に入ってくる電車の音が聞こえる。これがまたゴ〜〜ン,ゴゴゴ〜、、、という地鳴りのような音で、特に2幕に入ってからは、沈みかけた船がきしむような不気味な効果音の役目を果たしていて妙にマッチしていた。 

どの曲も耳に心地良くて、観ている間は「いい曲だな」と思ったのだけれど、そうかといって、劇場を出てもメロディーが耳に残っているというわけでもない。壮大なメロディーというよりも、同じ船に夢を持って乗っていた人達のストーリーを語るような、心に響いてくるミュージカルだった。 

てんこ盛りの週末


いやはや、なんだか先週末からいろんな事があるイギリスです

先週の金曜から日曜日まで、3日間に渡って繰り広げられたエリザベス女王の90歳のお祝い 。彼女の本当の誕生日は4月で、その時期にもお祝いがされ、ウィンザー城で盛大なセレブレーションイベントがあったのだが、女王には6月にもOfficial Birthdayというのがあって、今回は金曜日のSt.Paul大聖堂での礼拝に始まり、土曜日には馬車でのパレード、そして日曜日は盛大なストリートパーティーが催された
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バッキンガム宮殿から正面にまっすぐ続くThe Mall(ロンドンマラソンのゴールへの直線コースとしてもお馴染み) には女王がパロトンを勤める600ものチャリティー団体関係者を中心に1万人が参加。ロンドンだけでなく、英国各地でストリートパーティーが開かれたようで、ほぼ一日その様子をテレビ中継していた。

このストリートパーティーというのは、とってもイギリスらしい行事で、文字通り道にズラ〜〜っとテーブルを出して飲み食いするというもの
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これをいつ雨になるともしれないイギリスでやるのだから興味深い。この日曜日も朝から雨、、、The Mallでの参加者は其々にバスケットに入ったランチハンパーが配られ、この中身がなんとも豪華!!サーモンのテリーヌに始まって、4種のサンドイッチ、メインディッシュ、ミニケーキ、デザート、ポークパイ、、、とイギリス国産の材料を使ったハンパーは王室御用達のM&S(Marks & Spencer)の特別版だそうだ
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王室メンバーを人びとの視界から遮らないように、との事で傘の持ち込みは禁じられていたそうで、みんなビニールのポンチョをかぶってそれでも楽しそうなのがイギリス人なのだ、、、
幸いエリザベス女王とフィリップ殿下がオープンカーで出てきた時には雨は上がっていた!これも凄い目立つようにと配慮したらしい濃いピンクのお召し物の女王陛下は本当に嬉しそうだ。

4月から始まってまだ続く誕生日祝いを「これで12月になってもまだHappy birthdayが歌われていたらどうかしらね」とスピーチの最期にユーモアを交えておっしゃったけれど、90歳の陛下にとっては3日間続けての行事は本来なら大変だよね。丁度土曜日はフィリップ殿下の95歳の誕生日でもあった。お二人とも人の手も借りずに歩かれて、本当にこのまま100歳の誕生日をお祝いできるんじゃないかって気がしてくる。

週末にはフランスでEuro杯が始まって、こちらも連日の盛り上がり

イングランドはドロー発進だけれど、なんとさっそくロシアとイングランドのサポーターが暴動騒ぎを起こして、なんとも気が気じゃない雰囲気だ。開催国のフランスは半年前のテロからの緊張が続く中、警察や軍隊を導入して警備に当たっているというのに、これはまずいでしょう・・・イングランドVロシア戦の終わり近くでドーン!っていう音がしたのはテレビでも解ったから、一瞬「何の音!?」と思ったら、ロシアのサポーターがフレアーガンを打ち上げたらしい。その後はロシアのサポーターが柵を乗り越えてイングランド支持席に乱入して大混乱に、、、

まだ初戦だというのに、ロシアと共にイングランドチームも「これ以上暴動が起きるような事があったら失格にする」との警告を受けてしまい、監督のホジソン氏とキャプテンのルーニーが揃ってファンに「トラブルにかかわらないで」と呼びかける羽目になってしまったこんな事で選手達の集中力に水を差すなよ〜〜!!
大きな国際試合しかフットボールは観ないのだけれど、アイルランドのプレーが凄く開放的だったり、昨日のイタリアとベルギー戦では壮絶なボールの奪い合いが見られたりして、イングランドだけじゃなくて盛り上がる。開会式もとってもポップでフレンチだったし・・・

もう一つ、毎日のようにやってるのが、23日に行われるEU残留・離脱の国民投票に向けての討論番組だ
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もう毎日いろんな組み合わせで議員達がテレビに出ては大激論。スタジオには老若男女の観客が集まり、手を上げてはかなり辛辣な突っ込みを入れたり現実的な疑問をぶつけたりしているのだが、やっぱりこれがどうしても双方の言い分に決め手が無い。これはもう「どっちの道に賭けるか」という事なのだね。どっちに転んでも、政治家達が息巻いているような未来図はそのまま信用する事はできない。つまりは、「誰にも本当は良く解らない」という事なのだ

このままEUクラブに所属して部費を払いながらやっていくのか、独立した事務所で自己マネジメントしていくのか、という事だ。本来のイギリスらしいのは後者なんだけどねえ〜〜、、でも80年代以降生まれの世代には、もうそういうイギリスらしい独走的な個人主義気質は失われてしまっているようだし、、、
逆にいうと、それこそがアイデンティティーの喪失という事で、危機感を感じている人も多い、、

世論調査は互角のようで、でも今月に入ってからにわかに「離脱優勢」という声も出始めている。カメロン首相は思い切り焦っているのがモロ解りで、声を大にすればする程必死さが強調されて説得力が無くなっているようにも思える

まあ、あと10日はイギリスの夜テレビはユーロ杯とEU投票の話題で続くのだわ、、、、、

 

Sell your soul--Doctor Faustus


ファウスタス、ファウスト、、、ゲーテの戯曲やトーマス・マン、さらにはオペラや映画、、と、何度も語られて来た「ファウスタス博士」の話。悪魔に魂を売ってこの世に於けるあらゆる快楽や名声を手に入れようとした男の話は古くからヨーロッパ各地にあった逸話が元になっていると言われる。
今回はクリストファー・マーロウのDoctor Faustusだというので、是非観たいと思って 早々にチケットを取ってあった。
 
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最初に記録されているファウスタスの話は1587年にヨーロッパで出版され、英語訳がイギリスに入ってきたのが1592年という事だ。そしてマーロウが初めて戯曲にして上演されたのが1594年という事だから、数あるファウスト劇の中でもこれが最も古い芝居という事になる。「古典で神秘的でマジカルな芝居」を期待していたのだけれど、、、これが全く期待していたものと違ったのよ

まず私が知らなかったのは、ファウスタスを演じるKit Harringtonという役者が、人気シリーズ、Game of Thronesで人気者になった人だという事。そして初めは気がつかなかったのが、脚本にChristopher Marlowと一緒にもう一人、Colin Teevanという名前が並列されている事。さらに賭けだったのは、演出がJamie Lloydだという事だ・・・・ Oh My Goodness!!

古典的な背景は全く無しにして、舞台は現代のジョン・ファウスタスのアパート。ファウスタスはフッド付きのジャケットを着たミュージシャンを目指す男という設定。開演前からロックが流れていて、なんか雰囲気が違う。さらに劇場に着くや客層の違いが目に付く。なんとなくミーハーなお客様が沢山いるのだ。アメリカンな英語もあちこちで聞こえるので、これはロンドンまでキット・ハリントン氏を観に来た人達か、、??とちょっと驚いてしまった。

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「悪魔に魂を売る」という事を現代に置き換えるとはどういう事なのか??

この脚本は悪魔と契約をする辺りまではいいのだけれど、中盤のストーリーを全く違うものに差し替えている。つまりそれがColin Teevan氏による本という事なのだ。ファウスタスは魂を売って、ミュージシャン/マジシャンとしてセレブな地位を手に入れ、ラスベガスで大成功する。まあ、魂を売って名声を、、の現代版という事ならセレブに置き換えるのが一番解り易いよね

一幕での神や天使達はみんな下着や素っ裸の格好で、なんだかゾンビのような感じなのだ魂が無い、という事を表しているのだろうか。そしてロイド氏の演出でお馴染みの地響きのようなノイズがず〜〜と鳴っている。ロイド氏の演出は私が今まで観たものでも好き・嫌いが別れてしまう。斬新な解釈と挑戦的な演出は、大好評の時もあるのだけれど、彼は「汚す」のが大好きらしい。今回も舞台にはいろんな物が散り、血が吹き出したり、役者の口から白い物や黒い物が吐き出されたり、果てはう○こ(?)を食べる場面まで出てくるのだ・・・・舞台も役者の衣装もどんどん汚くなっていく。

 Running until 25 June 2016 CREDIT Marc Brenner

キット・ハリントンは悪くないけれど、まず声が半分擦れている。潰れるまではいっていないけれど、擦れがちな声を響かせようと発声すると滑舌が前に出てこない。最初の3分で、「ああ、台詞が聞き取り難い」と思ってしまった。その上にゾンビもどきがゾロゾロと登場し、パンツ一丁のルシファー(悪魔)にスッポンポン(全裸)のコーネリアスが出て来て、違和感満載だ。ルシファーのメッセンジャーとしてファウスタスの元に来るメフィストフェレスは女性が演じている。原作では召使い役のワグナーも女優がトロイのヘレンの役割も兼ねていて、まともな人物は彼女だけだ。

悪魔と契約後のファウスタスはオリジナルとは全く違って、ショウビジネスの世界になる。大統領や政治家が登場し、セレブの世界でもっとのし上がろうとするファウスト。エアギターを披露し、マジシャンとして盛大なショウを展開する。テレビシリーズの「ゲーム・オブ・スローンズ」で人気俳優になったキット・ハリントンをショウビジネスのセレブにのしあがったファウスタスに起用したのは面白いけれど、彼自身は力のある役者だと思うので、なんだか皮肉印象になってしまったのが残念。

終盤はまたマーロウのオリジナル戯曲が中心になるが、最期に献身的だったワグナーを刺し殺した上にレイプという、これまた残虐なシーン・・・・もちろん、こういった演出は挑戦的だし、問題提議の意味もあるのだけれど、やっぱり私は汚くて耳障りな舞台は好きじゃないな・・・アングラというのとも違う。グチャグチャ・ドロドロで雑音のようなリズム音の意図が伝わらないのよ。マーロウの台詞はシェイクスピア時代の古典英語で、中盤は現代英語というのも、その使い分けの意図が解らないし。

光っていたのはメフィストフェレス役のジェナ・ラッセルだった。ツンツンショートヘアーにシュミーズ姿というメフィストなのだが、支配的になったり低く忍び寄るような声で誘惑したり、主役のファウスタスよりも光っていた。彼女はシンガーとしてコンサートツアーもやったりしているそうで、2幕の幕開けにはクリフ・リチャードのDevil WomanやミートローフのBat out of Hellを歌って、これが素晴らしかった。 

ジェイミー・ロイドの舞台はいつも注目されるし、実際に高い評価を得たものも多い。賞も取っているし、ジェイムス・マカヴォイを起用した「マクベス」も絶賛された。でも今回は、なんとなく意図外れな感じがする。ちょっと各新聞の劇評をチェックしていたら、どれも2つ星、、、、そうだよねえ〜〜。挑戦的な絵を描くつもりが、汚い落書きになってしまった、という印象だ。

仕方が無い、マーロウ戯曲の「Doctor Faustus」はまたの機会を楽しみにするとしましょうかね。そういえば、数年前に蜷川さんも舞台にしたんだっけ。観られなかったけれど、野村萬斎さんはじめ、強力なキャスティングだったはず。DVDの話は聞いていないから解らないけれど、きっと全く違う舞台だったんだろうな〜〜。蜷川さんといえば、どうやら来年追悼公演があるらしいので楽しみにしましょ

Celebration of Life


もしかしたら、、、とは思っていたものの、やっぱりとても残念なニュース、、、蜷川幸雄さんが亡くなった。今までも何度も入院して、心臓には以前からペースメーカーが入っていたし、それでもいつも舞台に返り咲いては年に何本もの作品を創っていた人なのに・・・・去年からは車椅子だという事だったし、ロンドン公演の「ハムレット」「海辺のカフカ」にも随行していなかったのは気になってはいたけれど、「公演が延期」と聞いた時は、「う〜〜ん、、、??」と思ったのです、、、、

本当に、今、舞台をしっかりやれる日本の役者で、蜷川さんの舞台を経験しなかった人はいないんじゃないか?と思うくらい、ベテラン、新人にかかわらず大いなる情熱で体当たりの演出をしてきた人だ。蜷川舞台のスタッフを数年していた友人からは、いろいろな武勇伝(?)も聞いていたが、とにかく芝居と役者達を愛していたという事がよく解る。 

世界にも誇れる日本の演出家として、こちら英国でも決してお世辞ではなく、彼の作品はいつも高く評価された。「映画のクロサワ」「舞台のニナガワ」は日本が誇る文化遺産だ。これからの日本の演劇は蜷川幸雄を知らない若手俳優が増えて行ってしまうのか、、、どうなる?!という危機感もある。蜷川さんの情熱を直に受けた人達が、どうか次の世代にその情熱と芝居への愛と欲を伝えていって欲しい。

今年は本当にどうなっちゃってるんだろうね。年明け早々にデヴィッド・ボウイーが逝ってしまい、俳優のアラン・リックマン氏、そしてテネリフェ滞在中に聞いた、プリンスと、イギリスでとても愛されていたコメディアン女優=ヴィクトリア・ウッドさんの訃報。そして今度は蜷川さん・・・・

昨日はこちらではエリザベス女王の90歳の誕生日を祝う盛大なイベントが開かれた。女王の本当の誕生日は4月21日なのだが、何故か毎年「Official Birthday」というのが6月にあり(気候の良い時だからかな?)バッキンガム宮殿のバルコニーにお目見えしたりする。今年の誕生日は名だたるアーティストが歌うステージと同時に、コモンウェルスの各国からも主に軍隊から騎馬隊や楽団が集まり、昨夜のイベントに登場したのは総勢900頭の馬達!!
まあ、女王陛下も90歳、夜の7時を過ぎてからのイベントで2時間以上も退屈されないように、と考えると当然彼女の好きな物で、かつ目を見張るものが必要なわけですが、、、

馬車から降りるときも手を借りずに一人で歩かれ、曲芸のような馬術や歌と音楽に楽しそうに拍手を送っていた姿は相変わらずチャーミング。さらにその女王の後ろを相変わらず背筋を延ばして歩いているフィリップ殿下は94歳なのだから、本当に驚くばかりだ

90歳という事で女王と同じ年齢なのが、デヴィッド・アッテンボロー氏だ。イギリスの誇る動物学者で、60年に渡って創り上げて来た自然を題材にしたテレビシリーズは、LifeシリーズPlanet シリーズ等、日本でも放映されているものも多いはず。英国では、彼の番組を見ないで育った子供はいないといってもいい。チャーミングでソフトなナレーションは耳に心地よく、今でも勢力的に番組製作に関わっている。

どんどんいろんな人が逝ってしまうと、どうしても気になるのがこのお二人だ。どちらも90歳。今はまだお元気とはいえ、やっぱりそう長くはないのか、、、と思うと、この二人のいないイギリスなんて考えられない

一度だけの人生で、自分の足跡を大きく残していける人は数少ない。逝ってしまった人達も、まだもう少し頑張って欲しい人達も、心から贈りたい、Celebration of their lives!!

それにしてもちょっと気になっているのが、去年日本で再演された「NINAGAWAマクベス」だ。里帰りの時だったのだけれど、こちらサイドの話で、ロンドン公演するだろうとの事だったから、それならロンドンの観客と一緒に観ようと思っていたのに、その後の情報が無い、、、イギリスでも女王からCBE(Commander of British Empire)の勲章をもらっているSir Yukioなのだから、蜷川の名を一気に覚えさせた究極のシェイクスピアで、追悼公演をしてもらいたいのだけれど・・・・・


 
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